南の風・各号後記(ぶんじん日誌)
3600号【2015年12月25日】
■≪冬の夜の饗宴、ホームページ移転作業≫
冬なのに22日(火)は温かい夜でした。東京の社会教育史づくりにチャレンジしてきた研究会(編集会議)。集いしもの(ぶんじんを含め)6人。「終章をどう書くか」の議論をしました。歴史を想いながら、未来を考える。これからをどう展望するか。しんどいけれど大事な作業。行きつ戻りつしながら、このような議論ができる、幸せなひととき、と言うべきか。
終わって、さらに残ったもの4人。酔いに任せて、とりとめもない話の続き、冬の夜の饗宴。時間を忘れ気がついて・・・皆さん脱兎のごとく帰途へ。ほとんど終電!間に合うかどうかの瀬戸際。お疲れ様でした。研究会の記録は次号にでも掲載できると思います。
本号で3600号となりました。3000号からちょうど3年目の年の暮れです。はるばると歩み来し道の遠ければ、足腰萎えて行く山おぼろ、の心境。
年末・師走、書かなければならない原稿もそっちのけに、新ホームページへの切り替え作業に励んいます。大きな幹と枝の移動はかなり進みましたが、細かいデータはまだそのまま。サイト内リンクの書き替えまでは手がのびていません。容量の関係で引き剥がしていた画像を復帰させたり、また新しくスキャンした「古い写真」入力も少し。これらは新サイト(HP第4版)へ。現サイトとの落差が少しずつ生じていますが、お気付きかな。
現サイトとの契約をキャンセルして、新サイトへの切り替え宣言をいつにするか。できれば正月に、と考えていましたが、“急いてはことをし損じる”喩え。1ヶ月先に延ばした方が無難かなと思いはじめています。HPとの関係では、いましばらく「南の風」は生き延びる気配。
▼第27回東京社会教育史研究会・有志二次会、左より小林、山添、石川、井口の皆さん(風の部屋、20151222)
3599号【2015年12月21日】
■≪年報20号≫
私たちの年報『東アジア社会教育研究』が20号を迎え、予定より2ヶ月余の遅れはあったものの、12月初旬にめでたく発行されました。全262頁の力作。毎年のことながら、出来たてホヤホヤの1冊、そのページをめくる感動は、風3592号本欄に書いた通りです。内田純一編集長はじめ、編集実務にあたった江頭晃子さん、会計・山口真理子さん(今年とくに20冊・総索引づくり)の快挙、皆さんの奮闘、お見事でした。読み応えある記念の1冊となりました。
もともと「風」は年報編集の通信誌でもありましたが、いまは編集委員会独自のメーリングリストが機能している関係もあってか、かえって年報編集・発行の記事がきちんと「風」に載っていない?ことに気づきました。今年20号の経過・内容、維持会員のこと、頒布普及のお願い、定価等について、風に送っていただけませんか。またホームページに入れる「目次」一覧もお願いします。索引づくりの総括表(20年の国・地域別論文数、執筆者数−山口さん作成)はデータとしてすでに入力済み。ご了承ください。
→■https://secure02.red.shared-server.net/www.bunjin-k.net/1-10kenkyu.htm
台湾留学中の山口香苗さん(東大・院)より「台湾の社会教育・終身学習法の動き」レポートが届きました。海を越えて、打てば響く太鼓のリズム。ありがとうございました。「これまで見聞きしてきたものを、少しずつご報告させていただきたい」とのこと。楽しみです。論文調というより、お気軽にどうぞ。20号「この1年」に、これからの報告を重ねて、HPに新しいサイトをつくりましょうか。
3598号【2015年12月18日】
■≪名護の古い酒と新しい思いと−やんばる対談(ぶ)≫
横山文夫さん(日本語フォーラム全国ネット)から東北・石巻レポートをいただきました(上掲)。有り難うございました。東京社会教育史(仮)執筆のお願いから、「南の風」ネットに参加いただいていますが、今回初めて?のご寄稿。私たちTOAFAEC
創設(1995年)の頃、東京識字研究・マップ調査の余韻が残っていた時期。TOAFAEC
はその頃未発であったリテラシー研究を(沖縄研究と並んで)大事なテーマとして掲げていこうとしていました。
久しぶりのセイビンさん上京。お疲れさまでした。風の部屋の三つの古酒カメの点検をしていただこう、そのまわりの古酒のビンをどう整理するか、まったく開けていないカメの診断など、指南を仰ぐ機会をと考えていましたが、また次の機会に。やや乱雑にカメの蓋をあけていた時期もあり、「23年もの」に新しい古酒43度の、たとえば「3年もの」を仕次ぎ風に入れていいのか、入れない方がいいかなど。先日の一掬いがまずまずの風味でしたので、なによりひと安心しています。
さて、かんじんの「やんばる対談」。来年以降の展望を含めて、名護の若い社会教育主事の皆さんは、今年の「対談」をどう読んでいただいたか。自由な発言がほしい。そろそろ名護社会教育の、いわば「名護方式」を提示していく蓄積・課題が見えてきた?いやまだ見えないよ、など“ゆんたく”風に名護からのコメントを自由に寄せてもらえないか、とお伝えいただけませんか。
昔ならば正月明けに必ず!訪問していた一時期がありますが、今はそれがかなわず、残念です。これまでの「対談」7回をベースに、ひと跳びしてみる時期とも思われ、いやあと一呼吸ほしい感じもあり、名護若い衆の思いや如何?
3597号【2015年12月16日】
■≪TOAFAEC の師走≫
年末となると、なにか慌ただしい。「風」も心なしか師走の風の雰囲気になって、連日お騒がわせの配信です。ご容赦を。TOAFAEC
スケジュールは今年12月定例研究会が月前半に終わって、そこで忘年・望年の会も済ませたかたち。しかも久しぶりに副代表・島袋正敏さんを迎えての賑やかな会でした。定例会翌日の(ぶ)日誌欄(3595号)に貼り付けた当夜の写真では、セイビンとぶんじんは大きく口をあげて、なにか歌っている表情。「汗水節」か「二見情話」か。
TOAFAEC は、これまで副代表は3人でした。セイビンさんはまったくその自覚?がありませんでしたが、今年3人のうちの一人(佐賀・上野景三さん)が「代表」に昇格、次のお一人・伊藤長和さん急逝。その後任を6月総会では決められず、結果的に副代表はセイビンさん一人だけ。すべての重責?を担っていただくことになりました。その副代表をはるばる名護から迎えての忘年会となった次第。加えて年報「20号」お祝い会。そして当夜は、TOAFAEC「20年」の盛大な乾杯をかわす予定でしたが、これは1月の楽しみに。
江頭晃子さんから、新年会「ご案内」が届きました(1月9日予定、次号に掲載)。そして新年の定例研究会は(上野代表、内田編集長を迎え)1月22日(金)となる見込みだそうです。
昨年は、新年会の日程が合わない欠席メンバーが集まって、年末にささやかな忘年会を企画した思い出。今年はどうなりますかな?
3596号【2015年12月15日】
■≪台湾研究の足どり≫
… さて、3592号本欄「台湾・社会教育法の廃止」の続き。山口香苗さんの「台湾の生涯学習・この1年」(年報第20号)は、社会教育法をめぐる歴史的な検討も含まれ、興味深い内容でした。台湾研究の確かな足どり。
台湾は1987年まで戒厳令下にあり、1953年施行の社会教育法は当初から厳しい政治統制のもとにありました。日本社会教育法のように国民主体論や自治の発想に支えられるというより、守るべき規範や道徳が強調されていた。たとえば、社会教育の目的(第2条)としては「民族精神及び国民道徳を発揚」「国防知識を涵養」などの条項が冒頭に並んでいました。
戒厳令が解除され、国際的な生涯教育の潮流も背景にあり、1990年代になると、楊国賜氏(台湾師範大学教授、教育部次長)などが生涯教育あるいは成人教育の新しい法制化に向けて積極的な発言。私の台湾ファイルのなかには1990年「成人教育五ヶ年計画」、1992年「社会教育法修正草案」、1995年「成人教育法草案」など。1998年「邁向学習社会」(教育部発行)では「終身学習法制」完成へ向けての課題が明示されています。そして2002年「終身学習法」成立へ。それから15年を経て、今回の「社会教育法の廃止」へという経過ですね。政策・法制の動きがくっきりと読みとれます。
私たちが初めて台湾を訪問したのは1989年でした。戒厳令解除の直後。そのあと毎年のように台湾に行った一時期がありました。多分1996年に楊碧雲さん(台北市政府教育局専員)と出会いました。1997年1月、台北市政府・台湾師範大学主催「中日生涯教育学術シンポジウム」(日本より小林・末本誠・上野景三・内田純一参加)。このときの写真をホームページに掲げています。
→■ あわせて本欄に楊国賜さんとの歓談の1枚も。大学の専門研究者が政府・教育行政首脳として政策編成・立法にあたっている姿が印象的でした。
▼左・楊国賜さん(台湾師範大学教授、政府教育部次長)と。(1997年1月9日、台北)
3595号【2015年12月13日】
■≪23年、なお熟成中≫
南の風は、あと5号で3600号となります。3000号をゴール!と考えていた時期(2012年末)、故伊藤長和さんたちの継続コールに圧されて、その後も吹き続けてきました。あれからまる3年。各年200号平均、ほぼ隔日の発行リズムをなんとか維持。お付き合いに感謝しています。
恒例の100号おきアドレス帳整理・・・ですが、風の発行も終盤を迎えたいま、皆さんから「風・配信不要」の連絡をいただく以外は、特段の整理作業は控えることにします。現アドレス帳そのまま(約150人−ちょうど頃合いの規模)、あとしばらくは流れのままに吹いていきたい所存。しかしこの機会に(日頃は無音の方々の)近況などお寄せいただければ風も賑やか、まさに“望外の喜び”です。どうぞよろしく。また、まわりに風への参加ご希望あれば、どうぞご遠慮なくお申し出ください。
いま12日深更、223回(12月定例)研究会から帰ったところです。島袋正敏さんも元気に登場。ひととき“ゆんたく”風の研究会(東京版・やんばる対談)を楽しみました。新刊「東アジア社会教育研究」第20号も輝いて机上にあり。11月に李正連さんからお祝いに戴いた特製アルバム2冊もご披露。
風の部屋の琉球シマ酒・古酒カメ三つ。セイビンさんたち「やんばる島酒の会」指導による秘蔵の逸品、なお熟成中。今年で23年ものとなりました。お師匠に味をみていただきたく、少し汲み出して持参。この香りもただよい、また一段と幸せな夜でした。かなり酔いました。