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2023年1月定例(TOAFAEC 第299回)研究会・記録 
            李 正連(年報編集長、東京大学) : Sunday, January 8, 2023 1:02 AM
 皆様 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 
 コロナ感染が日本で本格化してから年。最近少しずつ国内外の旅行もできるようになり、対面による研究交流も増えています。しかし、最近周りに感染者が増えているのを見ると、まだ油断はできない状況かと思いますので、くれぐれもお気をつけください。 
 さて、本年初めての定例<第299回>研究会(兼 年報第1回編集委員会)を以下の通りに開催させていただきたく思います。今回は、秋に出版予定の年報28号に向けて、諸般の状況を語り合い、編集アイデアや意見を出し合って、年報編集をスタートさせる時間にしたく存じます。昨年は、沖縄復帰50年と日中国交正常化50年という大きな節目でもありましたが、今年はとくにそうしたテーマもありませんので、皆さんから多様なご意見・アイデアを出しあっていただき、特集テーマにも結びつけることができればと考えています。
 とくに若手の皆さんからのご提案、アイデアをお寄せいただければ幸いです。関心ある方々のご参加歓迎。多くの方のご来会をお待ちしております。 どうぞよろしくお願い致します。
  ●TOAFAEC第299回 定例研究会 (年報編集委員会と合同)、
  日時:2023127日(金)20:0022:00 
  〇内容:年報28編集特集構想等についての意見交換 
  〇実施方法:Zoomによるオンライン議(Zoom URL日午前中にお送りします。) 
  加申:下記のURLにアクセスし、126日(木)までに申しんでください。 
   https://forms.gle/svhukEgdC4w59XoV8 
記録(李 正連) January 28, 2023 1:12 AM
  ・第299回(1月)定例研究会、年報28号第1回編集会議
○参加者:小林文人、上野景三、山口真理子、内田純一、石井山竜平、江頭晃子、包群聯、山口香苗、
       キギョウコウ、呉世蓮、金亨善、松尾有美、李正連(敬称略)
〇内容: 新年が始まって早くも1ヶ月が過ぎようとしています。毎年この時期に年報づくりを始めており、今年もオンライン開催で第1回編集委員会を開催させていただきました。
 今回の編集委員会では、に特集のテーマについて話し合いました。まだ企画段階ではありますが、今年の東アジア生涯学習研究フォーラムを沖縄の名護で開催する案が検討されています。沖縄といえば、戦争や平和問題は欠かすことができないテーマであり、最近東アジア諸国・地域では戦争の脅威が増していることもあり、「戦争と平和教育」という案が出されましたが、実際各国・地域に特集原稿を依頼することを考えれば、もう少し幅を持たせた方がよいということから、「平和と共生」(仮)というテーマに決めました。
 そして、コロナ感染症で3年間中止していた沖縄「やんばる対談」を今年から再開することになり、28号には久しぶりに「やんばる対談」(第13回)が掲載されます。各国の「この1年の動向」、自由投稿等についても話し合い、大枠を決めました。投稿希望申込期限は421日(金)です。
 228日に石井山先生の科研で台北生涯学習の視察が計画されていますが、今回視察する台北の生涯学習施設や機関をはじめ、生涯学習研究者や実践家との面談、地域づくり等の取り組みについて、参加者による報告をまとめて年報に掲載することにしました。
 次回の編集委員会は、まだ決めていないのですが、決まり次第、ご連絡いたします。引き続き、年報28号へのご関心ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。




12月定例(TOAFAEC 第298回)研究会ご案内 
   ……
江頭晃子(市民活動サポートセンター・アンティ多摩) 2022/12/4
  ※時間がいつもと異なります!ご注意ください。

 今年最後の研究会は、東京学芸大学と名護こども食堂の両方の実践を展開している入江優子さんから、
現在の沖縄の地域社会や学校の状況などについてお話いただきます。どなたもどうぞご自由にご参加ください。
日時:20221223() 19:002030zoom開場1850
・テーマ:「東京学芸大学と名護こども食堂。そして名護市の学校-地域連携の今」
・お話: 入江優子さん(東京学芸大学准教授ーこどもの学び困難支援センター、
               名護市のコミュニティ・スクールアドバイザー)
・申込み:ringox@nifty.com <mailto:ringox@nifty.com> (江頭)
      ※前日までにお申し込みください。
<資料>
 東京学芸大学と沖縄・名護との新たな連携について-『南の風』№42502021.6.7)より再掲
          入江優子(2021/06/02 21:57)*東京学芸大学・こどもの学び困難支援センター
 大変ご無沙汰しております。東京学芸大学の入江です。4月より、学芸大学に新設されました「こどもの学び困難支援センター」(貧困虐待・不登校などの困難な状況下にある子どもの学習保障に関わる実践研究センター)の専任になりました。息子も早10か月となり、この4月からベビーシッターさんに協力いただき、少しずつリモートワークで復帰をさせていただいております。 この度は、一つご報告がありましてご連絡いたしました。
 かねてより個人研究で調査を進めてきました名護市において、この度、私の配属の新センターの研究フィールドの一つとして、名護こども食堂さんと東京学芸大学の連携をスタートさせる運びとなりました。
 具体的には、子どもの貧困対策の居場所として設置された名護こども食堂が、この4月より、城公民館に拠点を移すこととなりまして、子どもたちのつながりの入り口となる居場所と豊かな学びの創造を目指して、現地と連携してオンライン学習タイムも設け、学芸大関係者が遠隔で関わる実践です(コロナが落ち着きましたら実地も含め)。既に城公民館へのWifiの設置工事が完了し、6月11日にキックオフを行い、原則毎週金曜日の夕方、現地の子どもたち・スタッフとオンラインで東京学芸大学の学生・参画教員をつないで学習をスタートしていくこととなっております。(コロナの悪化で、少し予定変更もあり得る状況になってきましたが・・・)
 こども食堂に来ている子の中には不登校の子も多く、ここでの学びは教科学習中心ではなく、沖縄の地域文化を大学生が共に学び合う内容を想定しており、現地の関係者とその内容を今詰めているところです。(今のところ、サバニづくりの継承者の方との打ち合わせが実現し、ハーリーに関連する学習からスタートできそうです。)
  名護こども食堂は、名護の公設市場を会場にスタートしましたが、運営面や実施場所の確保などの困難が伴ってまいりました。対象の子どもが市域からのため一つの字公民館で開催することが難しく、地域との接点を持ちにくいという課題も抱えております。今回も、公民館事業としてではなく、城公民館をお借りする形ですが、子ども食堂関係者(地元の企業・団体、名桜大学をはじめとする学生(子供の貧困対策等のために沖縄11大学で組織している「大学コンソーシアム沖縄」の学生など)の新しいネットワークと、城の地域の皆さんとのコラボレーションが生まれるような形を一緒に模索しつつ、研究としても進めていければと考えております。
  学芸大の方では、ハイサイ・ウチナーラボという学習体を組織しまして、関心のある学生の参加を促し、諸先輩方の沖縄研究の蓄積の学習も含めて進めていくこととしております。また、「大学コンソーシアム沖縄」と東京学芸大学でも学生教育面、共同研究面、寄附などの資金獲得面等で今後連携していくことを念頭に、事務局の琉球大学の先生とも検討を進めております。
  沖縄のコロナが心配な情勢ではありますが、諸先輩方が築かれてきた東京学芸大学と沖縄の深いつながりに敬意を表しながら、少しでも継承の一つにつながるよう進めていければと思います。また具体的な動きがスタートしましたら、ご報告させていただきます。今後ともご指導のほど何卒どうぞよろしくお願いいたします。
  ★東京学芸大学・こどもの学び困難支援センター
    TEL:  0423297921 E-mail: yukoirie@u-gakugei.ac.jp
記録;
 ……内田純一(高知大学) December 28, 2022 10:56 AM
・日時:20221223日(金)19:0022:00 オンライン(Zoom)開催
・参加者:李正連、入江優子、内田純一、江頭晃子、江利川法孝、大久保芽衣、神谷康弘、木住野正子、
 祁暁航、金亨善、見城慶和、小林文人、孫冬梅、田嶌大樹、渡口裕、仲村真太朗、中村津希子、
 山口真理子(敬称略)
・内容: 
 ことし最後の定例研究会は、内容が盛り沢山で「一回で二度美味しい」(真理子さん談)締めくくりとなりました。前半は、入江優子さん(東京学芸大学こどもの学び困難支援センター)による名護こども食堂の取り組みと名護市における学校と地域の連携の現状に関する報告。続いて後半は、名護こども食堂の会場ともなっている名護市城公民館で区の青年会活動に長く携わって来られた渡口裕さん(名護市教育委員会)から三線のライブ演奏を交えて、エイサーに関する話を小林先生との掛け合いでしていただきました。
 入江さんからは、沖縄の集落(シマ)社会が持ち続けてきた子どもの教育福祉機能への着目とともに、現代の地域社会の変化に伴う「貧困の周辺化・不可視化」という新たな問題に対して、最初に、東京学芸大学をはじめとした遠隔・広域からの地域文化・つながりの再構築を支援する仕組みをもつ名護こども食堂の実践紹介がありました。名護こども食堂は、毎週4回(火・水・金・土)3時間程度開催されており、生活困窮家庭の小学生から高校生まで60名を超える登録があり、1回の参加者が20を超える時もある。スタッフは平均8名程度で殆どが学生・ボランティア、年間の運営費はおよそ150万円で、主に募金や企業協賛、自治体補助等とのことでした。具体的な活動は、子どもたちの希望による個別支援としてのアドバイスタイムと、地域文化・資源を生かして「楽しい」からつながる社会関係支援としてのプロジェクトタイムがあり、学芸大学の学生たちはオンラインで関わりながら、例えば後者については、勝山シークヮーサーを使ったスィーツづくり(その一部は「沖縄カラフルパフェ」として東京で商品化)や、オリオンビールとのコラボレーションによる麦芽粕の転用学習、糸満市サバニ職人との協働による沖縄文化体験学習の支援などを行っているとのことでした。
 こうした沖縄の地域資源と人的資源(企業・学校・大学等)を巧みにコーディネートとし、ネットワーク化しているのが、神谷康弘さん(名護こども食堂運営者・学芸大学学同センター客員准教授)です。神谷さんからは、名護こども食堂が2016年に名護市公設市場を会場にスタートしたこと、当初のボランティアから現在は運営者を引き継いでいること、その後、会場の確保に苦労し、福祉的アプローチだけでなく、教育的なアプローチを入れられないかと考えていた折に入江さんとの出会いがあったことなどが話されました。子どもたちの大半が何らかの不登校経験を持ちながらも、全体として「誰かを幸せにしようという雰囲気が出てきている。子どもの成長を感じる」ということでした。また仲村真太朗さん(東京学芸大学スクールソーシャルワーカーコース・宜野湾市出身)からは、主として福祉について勉強してきた中で、入江先生と出会い教育的な視点をさらに加えて学ぶことができているということでした。入江さんの同僚の田嶌大樹さん(東京学芸大学こどもの学び困難支援センター)は、この沖縄協働実践には、多様なルーツを持つ人々が関わっており、また一個人でも多面的で面白い人々も多く、ローカルでもフォーマルでも、外と内をつなぐ可能性があるように思うとおっしゃっていました。
 入江報告の二つめは、今年度から市内全校でコミュニティ・スクールをスタートさせた名護市の現状と、学校統廃合に伴い小中一貫校として設置された「緑風学園20124月、久志10区+校区外)」と「屋我地ひるぎ学園(20164月、5区+校区外」の取組みを中心に紹介がありました。両校とも地域の豊かな自然や文化を取り入れたふるさと学習や、豊年祭をはじめとする地域行事等への積極的参加を進め、学校を核とした地域再生(教育協働体づくり)を目指しているものの、校区外からの児童生徒が半数に及ぶ実態や地域力推進課(旧社会教育課)や社会教育主事との関りが見えにくいこと、委員や活動の担い手と地域(字)との距離感があることなどの課題が提起されました。江利川法孝さん(久志地域校区・緑風学園地域コーディネーター)からは、学校内の都会化が進み、子どもたちの多様化、教師の多忙化といった課題の深刻さなどから、どうしても学校では地域連携は二の次となりがちで、教員の働き方改革とも矛盾しているように見えてしまうが、学校は地域の灯であり、地域の思いはとても強いものがあるということでした。
 質疑の論点としては、沖縄の集落(シマ)社会が持ち続けてきた内在的・共同的な力に学びながら、それこそ「本土と沖縄」の関係をどう考えるのか。こども食堂にしても、コミュニティ・スクールにしても本土とは異なる沖縄型、名護型の可能性を追求すると共に、その姿を通してあらためて制度のあり様や自分たちのものの見方・考え方を振り返ることを大事する。入江さんの報告にもあった集落公民館での「字幼稚園」「字幼児園」の経験や学事奨励会・育英会の活動に代表される教育福祉機能の分厚いシマ社会の蓄積と、コミュニティ・スクール制度や東京学芸大学をはじめとした遠隔・広域からの地域文化・つながりの再構築を支援する仕組みをもつ名護こども食堂の実践との、どのような出会いを創るのか。新たな課題がより深刻さを増しているからこそ、沖縄・名護の取り組みから多くを学びたい。最後に手前みそですが、「子どもたちが主人公」を合言葉に進められた『土佐の教育改革』では、子どもたちも構成員として参加した「開かれた学校づくり推進委員会」が各校ごとに設置され、実践を積み重ねてきました。コミュニティ・スクール制度の導入は、参加と共同による学校・地域づくりの主旨をかえって矮小化しているように感じます。地域の歴史や文化を尊重しながら制度をどう我がものとしていくか。多くを考えさせられた時間でした
 <名護エイサーのサンシンとお話>
 入江優子さんたちによる「東京学芸大学と名護こども食堂。そして名護市の学校-域連携の今」の報告に続いて、休憩後、残った時間は、渡口裕さん(城区青年会OB)の三線による ♪島人ぬ宝♪からはじまりました。渡口さんは、名護市城区の生まれで、1996年から区青年会長を10年、名護市青年エイサー祭り事務局長などを務めてきました。ひとしきり皆が最初の演奏に酔いしれたところで、名護城から名護湾へ降りてきた城区の民の話や現在の区の状況(戸数315、人口550?)、小林先生のトーカチ(米寿の祝い)の会場ともなった城公民館の様子、そして城公民館で青年会が中心となって行われているエイサーについての紹介がなされました。
 エイサーの原型は、お盆の時期に現世に戻ってくる祖先の御霊を送迎するために、若者たちが歌と囃子に合わせ踊りながら地区の狭い路地を道ジュネ(練り歩く)する伝統芸能で、各地の青年会がそれぞれに型や旗をもっていますが、渡口さんによれば、城の場合には、太鼓を使わずに三線(地方)と手踊りによるエイサーが特色で、旗頭は「瑞気満城南」ということ。続いて2曲目は、エイサーでもおなじみの仲順節(ちゅんじゅん)、♪えいさーえいさー ひやるがえいさー すりさーさー すり。すりとは、みんな揃ってせーのといった意味で、さあやろう!という感じ。合わせて、三線の楽譜「工工四(くんくんしー)」の画像もみせてくださいました。城公民館では、エイサー(7月)と豊年祭・村踊り(9月)に合わせて各40日前後、計80日以上は、ほぼ毎日、公民館で青年会による練習が行われています。そうしたシマ社会の中で子どもたちも育ち合っていきます。
 最後の曲は、国頭(クンジャン)サバクイでした。首里城の改築に使う材木を国頭から運び出す労働歌で、城区のエイサーの締めとして歌い継がれているとのことでした。小林先生からは、今回の研究会全体をふまえて、地域に文化があり、それが誇りであること。そうした暮らの共同や独自な意味を見出したいとの発言がありましたが、その時、渡口さんから「先生、次はカジマヤーですね」との声。カジマヤー(風車)とは、数え年97歳の長寿をお祝いする親戚・集落の集いですが、その祝う会をトーカチ(米寿)に続いて再び城公民館で実施したい。すでにそこで謳う予定の曲も集めて稽古をはじめているとのこと。この部分をなんとしても記録しておかなければ。嬉しいこととなりました。
 城(ぐすく)エイサーの道ジュネ(20190813) 手踊りエイサーは区の繁華街を練り歩く





11月定例(TOAFAEC 第297回)研究会
   ー(前回につづき)東京社会教育史研究フォーラム第49回と合同ー
   ……
江頭晃子(市民活動サポートセンター・アンティ多摩) 2022/11/12
 先月に続きまして11月も東京社会教育研究フォーラムとTOAFAEC定例研究会と合同の研究会を開催いたします。
 今回は、東京・北区で文化センターなどの指定管理を受けている㈱旺栄に勤める工藤千佳良さんからお話を伺います。工藤さんご自身のご紹介と経歴、②北区・文化センター・指定管理者の概要、③16年間で築かれてきた指定管理者と所管課・地域住民(文化センターでの学習グループ)とのつながり、④コロナ下での経過・現状などを伺います。
 東京23区では社会教育施設の指定管理は多く、受託内容や運営企業により異なります。工藤さんが勤める「旺栄」は、北区文化センターや他自治体の自然の家などの委託を受けており、施設運営だけでなく多様な事業を企画・運営し続けてこられました。16年間の蓄積により見えてきたこと、新たなつながりづくりや可能性と課題などを伺いながら、東京23区でどのような社会教育が展開されているのかを伺います。また、工藤さんは『東京23区の社会教育白書2021』(20222月刊行)のとりまとめのお一人でもあり、現在の多様な立場の職員のつながりや白書づくりのご苦労なども伺えたらと思っています。みなさま、どうぞお気軽にご参加ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・日時:20221125日(金)20:0022:30Zoom開催)
・テーマ:指定管理期間16年目の北区立文化センターとコロナ下での施設運営
・報告者:工藤千佳良さん(㈱旺栄、社全協23区支部)
・申し込み:1124日(木)までにお名前とメールアドレスを申し込み先にお送りください。前日までに(もしくは当日の午前中までに)ZoomURLをお知らせいたします。
・終了後(21402230)質疑応答・懇親会
・連絡先:Zoomお申込み先:石川 takashii@jumonji-u.ac.jp
★『東京23区の社会教育白書2021』の購入方法は以下をご覧ください。
 https://japse.main.jp/wp-content/uploads/2022/02/23-hakusyo2021.pdf
記録;江頭晃子
参加者:飯沢美紀、井口啓太郎、石川敬史、江頭晃子、遠藤輝喜、岡本正子(川崎の文化と図書館を発展させる会)、祁暁航、工藤千佳良、栗山究、小林文人、斎藤真哉、武田紘明、山口真理子、吉見江利(横浜市社会教育コーナー)
内容; 先月に続き11月も東京社会教育研究フォーラムとの合同研究会として開催、北区のお話を伺いました。工藤さんから大変丁寧な資料をつくってくださっての発表でした。
 最初にご自身のこと(大学時代のボランティア活動、和光大学から沖縄大学へ、エイサー等芸能との出会い、知的障がい者のグループホームでの勤務、中国・煙台本州日本語学校教員、北区指導員、㈱旺栄入社)をご紹介いただきました。

 北区(人口35万)の概要、3つの文化センターとそれぞれの地域の特色の紹介に続き、㈱旺栄の指定管理者としての取組みについて具体的に話していただきました。㈱旺栄はビル管理、給食受託、寮運営、事務機器や教材販売などが合併してできた会社で、学校施設との関連が深い。初めて指定管理を受託したのが北区の文化センターで、他区の少年自然の家などの指定管理を受けたこともある。文化センターは2022年度末で4回目の指定管理期間が終わるところで、次期受託に向け準備をしている。利益のためと言うより、会社としては地域貢献としての位置づけが強く、一方で更新時に他社との競争のため金額を落とさないと受託できない恐れもあるが、「これ以上は下げられない」というラインも死守してくれている。
 職員体制は、中央公園と滝野川文化センターが各8人(常勤6=施設長1、副施設長1、事業学習担当2、受付業務2/パート2)。赤羽文化センター(常勤7/パート9で、事業・学習担当を束ねる役割の工藤さんは赤羽に所属。事業・学習担当(合計6は、社会教育主事有資格者が中心である。直営から指定管理者に移行する時、「有資格者を入れること」を条件に入れるように区職員が頑張ったと聞いている。
 最初は区民からも区職員からも「敵がやってきた」と見られ、区の意向を聞くことが多かったが、16年の継続により、()旺栄職員の方が事業や地域のことが分かるようになり、反対に説明したり職員研修を担当するなど、対等な意見交換ができる機会が多くなった。
 事業展開の中で特徴的だと感じたのは、北区からの委託事業は各館年間110回の他に、①自主事業が70回(3館合わせて)と多い。②所管課(生涯学習・学校地域連携課)との連携が密。当初は連絡・調整だけだったが、事業に特化した連絡会議も1回開催するようになり、共同で通信を発行したり、教育委員会事業も共同で開催することもある。③利用団体との連携による事業展開(利用団体学習会、体験会、発表、連絡協議会等)が多く、④高齢福祉課など他部所との連携などで、多忙さが心配にもなりました。
 参加者からは、具体的内容への質問や感想とともに、他自治体の指定管理者の経験、導入が阻止できない状況での条件提示内容、指定管理の選定委員として見える自治体側の状況などの情報交換も行われました。
 小林先生からは、工藤さんが苦労しながら良い仕事をしていること、北区と前月報告の国立市の違いの根本はどこにあるのかと考えながら聞いていたという感想。そして、「地域のことをしっかり考えてつくっていこう」という視点が公民館活動のスタートだが、大都市では地域が見えにくく、成人の公共教育空間は位置づいてこなかった。しかし、地域の共同は年寄りや子育て、災害救難などにも関係しており、地域のことを考える市民は公民館の有無に関わらず、どこにでも存在する。それを継続的につなぎ・広げていく役割を行政が担うかどうか。市民の権利と行政の役割をどう結んでいくか。松本や沖縄のあゆみを振り返ると、地域の結びつきがあり、公民館が重要な役割を果たしてきた、という話がありました。個人的には、地域に関わりつづける職員集団の事業展開が、区民や職員と信頼関係をつむいできたのだろうなと感銘を受けつつ、そのご苦労は大変だったろうなと想像していました。

10月定例(TOAFAEC 第296回)研究会
   ー東京社会教育史研究フォーラム第48回と合同ー
  ……石川敬史(十文字学園女子大学)  2022.10.15 7:02   
 久々の東京社会教育史研究フォーラムの開催です。今回は江頭晃子さん(アンティ多摩)より、国立市公民館の紹介,公民館運営審議会の歴史・蓄積、そして答申「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての公民館事業について」策定の経緯についてお話をいただく予定です。
 詳細につきまして、江頭さんより以下のメッセージをいただきました。
 東京社会教育史研究フォーラム、10月は多摩地域(国立市)、11月は23区(北区・工藤千佳良さん)のお話を伺い、皆様とともに、東京社会教育史を再びしっかりと見つめていく契機にできればと考えております。皆様のご参加をお待ちしています。
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 2020年4~5月、国立市公民館は休館し、公運審も3~5月は開かれませんでした。
公民館でほっと一息ついたり、つながり、学び続けていた市民に「公民館とは何か」「生存権の中に学習権は含まれないのか」という問いをつきつけました。また、休館について何ら相談されることのなかった公運審も自分たちが公民館の「民主的運営」を担保する役割を果たせなかったのではという思いが募りました。
 2022年10月11日、第33期国立市公運審は、標題の答申を館長に提出しました。2021年5月に諮問が出されてから1年半、国・都・市行政や教育委員会の政策決定を追い、市民とともに学習会を開き、利用団体・市民個人アンケートを実施し、館長や職員へのヒアリングを行い、2020年のコロナ禍を記録化することで見えてきた課題から、10の提言を答申としてまとめました。
 国立市公民館や公運審の簡単な歴史、答申策定の経過と内容について報告させていただき、忌憚ないご意見をいただきながら、「公民館とは何か」「公運審の役割」について議論しあえたら嬉しいです。
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・日時:2022年10月28日(金)20:00~21:30(第二部 21:40~22:30質疑・交流)
・テーマ:国立市公民館運営審議会答申「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関と
 しての公民館事業について」策定経過と10の提言
・報告者:江頭晃子さん(第33期国立市公民館運営審議会委員)
・申し込み:10月27日(木)までにお名前とメールアドレスを申し込み先にお送りください。
 前日までに(もしくは当日の午前中までに)ZoomのURLをお知らせいたします。
・連絡先:Zoomお申込み先:石川 takashii@jumonji-u.ac.jp
※答申全文は当日配布、また、10月末に国立市公民館HPにもアップ予定

記録;石川敬史 10月定例(第296回)研究会:第48回東京社会教育史研究フォーラム
・日時:20221028日(金)20:00-22:45 ・方法:オンライン(Zoom)開催
・出席者(敬称略):内田純一,江頭晃子,祁暁航,栗山究,隈井裕之,幸島裕子,小林文人,
 中村津希子,山口真理子,山根浩子,石川敬史
・内容
 第48回東京社会教育史研究フォーラム(10月定例研究会)は,第33期国立市公民館運営審議会の江頭晃子さんより,国立市公民館運営審議会答申「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての公民館事業について」の策定の経緯と10の提言についてのお話です。答申は国立市公民館のWebページに掲載されています。
https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/kouminkan/kouminkan5/1666765685335.html
 今回の研究会には,江頭さんと同じく第33期公運審委員である隈井さん,幸島さん,山根さんにもご参加いただきました。
 江頭さんより,まずこの答申の内容に入る前に,国立市の歴史と国立市公民館の歴史を確認しました。国立市公民館の歴史的経緯からみる特徴として,市民がつくった公民館,公民館運営審議会の存在,図書室の存在,専任職員配置努力,多様な事業・講座の展開,『公民館だより』等の情報発信,都市型公民館のあるべき姿の模索,無料原則の追究,行政改革の動きの食い止め,条例・規則化の10点について,1950年代後半から2000年代までお話いただきました。
 このうち,公民館運営審議会については,職員配置前に公運審が設置されたこと(1955年),職員体制充実の要望書・意見書を継続的に市長や教育庁へ提出していること,館長任命の際に公運審の意見を聞いていること(社会教育法第282項遵守),数々の答申・提言の存在,職員と公運審委員による合同研修,多数の意見書や文書の提出といった歴史と特徴をまとめていただきました。
 こうした公運審の活動と歴史に触れると,寺中構想から続く公民館運営に対する理念の連続性,そして国立市の公運審の歴史の重みを痛感します。出席者の皆様からは,とりわけ市民大学・講座編成,わいがやの喫茶,公民館保育室が全国的に注目されたこと,さらには国立市の特徴として,世代をこえた個性的な市民同士のつながりがあることなどの話題が出ました。
 続けて,「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての公民館事業について」の答申についてです。答申には,市民団体や個人利用アンケート,職員へのアンケート・ヒアリング,さらには社会教育学習会の記録も含まれ,印刷すると144ページにも及びます。江頭さんより,答申に基づきながら,コロナ禍における国立市公民館の問題,そして公運審委員の報告から明らかになってきたこと,そして最後に答申における10の提言の意図と思いをお話いただきました。
 参加者からは,こうした答申(さらには各班)が策定されている具体的なプロセス,職員へのアンケートや聞き取りの方法,1館のみではなく分館設置の可能性,国立公民館の独自性などの活発な質問・発言がありました。
 小林先生からは,学習権のみの視点ではなく,集会・結社の自由の視点などから重層的に捉えていく必要性,公民館は市民のものとなっているのかどうか,などの問題提起がありました。公運審の隈井さん,幸島さん,山根さんからも活発にご発言をいただきました。
 私自身は,いくつかの市の図書館協議会の委員をつとめていますが,「行動する」図書館協議会になるために,国立市の公運審の活動から学ぶべきことが多いと痛感しました。とりわけ,第1回目の緊急事態宣言下・公民館の閉館によって,「人とのつながりが生きる意味」を公民館が実践する意義,そして,公民館の開館が原動力である, という江頭さんのご指摘が印象に残っています。
 
国立市公民館・市民交流ロビー「わいがや喫茶」、右側に青年室(2003年11月16日)




2022・9月定例(TOAFAEC 第295回)研究会