中国・生涯学習・社区教育・上海調査
(2008年12月〜2009年3月〜)
*中国生涯学習研究フオーラム案内・記録→■
*上海・社区教育関連・研究論文等→■
<目次>
1,中国・社区教育研究への胎動(2008年12月)小林文人
2,上海・研究交流の歩み・メモ(1989〜2008)経過資料ー小林文人
3,中国生涯学習研究フォーラムの立ち上げ(2008年12月12日)上田孝典、黄丹青ほか
4,2008年11月・上海訪問−収集資料一覧(2008年11月)内田純一
(1)上海・社区教育館駅資料一覧(閘北区、楊浦区、徐匯区など)
(2)上海市教育委員会編『第6回長三角社区教育発展論壇文集』(2008、上海教育出版社)
5,中国生涯学習研究フォーラム・コーナー:上海調査 1〜5〜 (風・2143号〜2153号〜)
6,「東アジア社会教育研究」収録・「社区教育」関連論文等リスト一覧(2008) 小林文人
7,
「社区教育」を考える視点ー中国生涯学習研究フォーラム(第2回)レジメ 小林文人
8,
中国生涯学習研究フォーラム・第2回研究会記録−上海社区調査の視点と課題 呉迪
9,
2009年3月・上海「社区教育」調査報告(風2186〜87号、「東アジア」14→■)小林
10,中国・韓国・日本の相互交流に向けて (同 2191号) 小林文人
11,東アジア社会教育・生涯学習法制を考える視点 (同 2194号) 小林文人
12,
★<1,中国・社区教育研究への胎動>
南の風2135号(2008年12月5日) 小林文人
いま、韓国・生涯学習についての研究ネットが活発に動いているのはご存知の通り。『韓国の社会教育・生涯学習』刊行(2006年秋、エイデル研究所)が契機となって、研究会がスタート、そろそろ2年が経過します。ほぼ月1回の研究会(川崎)、そして韓国向け出版(『日本の社会教育・生涯学習』ソウル・学志社予定)の取り組みが大詰めを迎えています。翻訳グループは合宿等して、しんどい作業が続けられています。
他方で、中国の成人教育・社区教育・生涯学習についての研究ネットは未発の状態。しかし11月の上海訪問もあり、新本『現代生涯学習論』(上海教育出版社)刊行も成り、いま新しい機運が生まれつつあります。関心をもつもので、一度集まって、これからの進め方を相談してみようということになりました。たとえば、韓国研究の動きに伍して、仮称・中国(上海)社区教育研究フォーラムを立ち上げる構想など。はじめは数人でもいい、お互いあまり無理をしない範囲で、まずは歩みを始めてみる、「東アジア社会教育研究」第14号の企画・編集にも力になれるのではないか、などなど。
12月12日午後3時から予定されている第14号編集会議(風2132号に案内)の前、午後2時頃からまず最初の話し合いをすることになりました。どんな経過になるか分かりませんが、中国研究に関心ある方、この機会にぜひお出かけください。どなたも歓迎。会場は編集会議(その夜の定例研究会)と同じところ→杉並・高井戸地域区民センターです。新しい胎動、そのきっかけになれば幸い。
今日(12月4日)は全国夜間中学校研究大会(第54回、八王子)に出かけていました。その留守中、上海からの船便(上記『現代生涯学習論』)が届いたらしく、留守持ち帰りの伝票が入っていました。
★<2,上海・研究交流の歩み(メモ)>
2008/12/12(TOAFAEC 第146回研究会) 小林文人
<経過>(敬称略)
1983 (上海訪問、横山宏と) *韓民、羅李争(上海)−学大留学中
1989 ・閘北区業余大学との出会い(袁允偉・副校長) *袁−学大留学(1991)
(自治労・大都市研究会−海老原治善・川崎グループなど)
1994 ・上海第二教育学院より招聘 *郭伯農(市政府成人教育委員会副主任)
−1988・日本社会教育学会(九大)
・華東師範大学との研究交流協議
・閘北区業余大学との合作学院(「中日文人学院」)協議始まる
→■
1997 ・閘北区業余大学と合作学院構想(合作弁学意向書、2000同「定款」最終案)
*中日合作学院の構想実らず(小林「公民館の風」224〜234号、2001)
→ ■
1998 ・華東師範大学・葉忠海教授(同大学・成人継続教育研究所長、上海社区教育研究中心
主任)との協議−日本社会教育関係(学会・大学)との提携を
*呉遵民(神戸大学大学院生)通訳、閘北区「北国飯店」1998/2/28)
・TOAFAEC・華東師範大学との研究提携、意向書、2000協議書、相互訪問案
→■
・中国・成人教育法案作成(上海)顧問、郭伯農(上海電視大学党書記)からの要請
*呉遵民他「成人教育法(草案」『東アジア社会教育研究』2号(1997)
1999 ・
4月30日ソウルー上海: 協議「合作学院」文書確定 *袁允偉、羅李争
・5月、上海・湘潭・広州への旅→■
・華東師範大学・王建盤(学長)、羅国振(学長補佐)等を招聘
2001 ・日本側から上海訪問団(小林文人、末本誠、上野景三、松田武雄、内田純一、
小林平造、内田和浩、金子満、黄丹青など)
*「上海・無錫・蘇州『社区教育』調査報告書」(2002、佐賀大学・上野景三)
→■
2001 ・閘北区・行健職業学院(業余大学→社区大学)「小林国際交流閲覧室」
→■
*小林・同学院客座教授、同名誉図書館長
2002 ・上海(成人教育協会関係者)訪日団(葉忠海、呉遵民など8名)受け入れ
2003 ・烟台(山東省)日本語学校・開校(張林新校長)
→■
・小林文人・末本誠・呉遵民共編『現代社区教育の展望』(上海教育出版社)刊行
→■
2004 ・福建省及び中国成人教育協会年次大会(北京)に招聘され講演
→■
2005 ・烟台・上海・杭州へ
→■
2006 ・内モンゴル・上海訪問
→■
2007 ・北京・烟台・広州・上海へ
→■
2008 ・華東師範大学(教育学系)教授団の沖縄訪問
→■
・上海訪問、呉・末本・小林共編『現代生涯学習論』(上海教育出版社)刊行
<2008年11月・上海訪問>→■
1,上海市社区教育・成人教育協会(葉忠海教授ほか)と楊浦区・徐匯区の施設調査
2,閘北区・行健職業学院(旧業余大学→社区大学)「小林国際交流閲覧室」
3,上海市生涯教育条例制定(2009年8月予定)に向けて
4,華東師範大学・生涯学習研究室(呉ゼミ)との交流
5,新上海本『現代生涯学習論』(呉・末本・小林共編、上海教育出版社)刊行
▲上海行健職業学院・図書館「小林国際交流閲覧室」前にて (20081102) 後列左より鄭栄根(図書館長)、
韓民(教育部)、小林(名誉館長)、袁允偉(院長)、
羅李争、呉遵民(華東師範大学) 前列左より内田純一
(高知大学)、名城ふじ子(那覇市)、当間奈奈子(同済大学)、伊藤長和(川崎市教育委員会)
★<3,中国生涯学習研究フォーラムの立ち上げ>
2008/12/12(同フォーラム準備会・TOAFAEC第146回研究会) 南の風2139号、2140号に収録
○<「中国生涯学習研究フォーラム」の立ち上げ> 上田孝典(国際教養大学)
12月12日のTOAFAECの会合におきまして、「中国生涯学習研究フォーラム」を立ち上げることにしました。広く中国各地の成人教育、職業教育、社区教育、生涯教育、等々を視野に入れつつ、とりわけ近年の社区教育に焦点を当てて、まずは研究交流を進めていこうという会です。これまでの小林文人先生を中心とした中国との研究交流の長い蓄積を継承発展させ、また韓国、台湾、モンゴルなど東アジア地域との横のつながりも意識し、着実な歩みとなるように願っております。
代表は小林文人先生、副代表に黄丹青先生が渉外担当をしていただくことになりました。また上田が事務局長として当フォーラムの運営を担うことになりました。これを機に、中国の教育に関心を持つ多くの研究者が参加し、また中国留学生の皆さんが研究交流を通じてつながりあえる場として、会を盛り上げていきたいと考えています。上田孝典(国際教養大学)shangtian@aiu.ac.jp
○<TOAFAEC・中国研究の新しい鼓動> 内田純一(高知大学)
12日(金)に行われた「中国生涯学習フォーラム〈仮〉」の立ち上げは、…上海をはじめとするこれまでの中国研究・交流の形を一歩進めようという試みです。参加者は、孫冬梅(東北大学研究生)、馬麗華(東京大学大学院)、呉迪(筑波大学大学院)、上田孝典(国際教養大学)、黄丹青、小林文人、内田純一、江頭晃子でした〈敬称略〉。孫さんは、半年前に来日(石井山研究室)、東京は初めてということでしたがよくぞ一人で高井戸まで来られたと感心します。馬さんは、『日本公民館学会年報』第5号に中国の社区教育と日本の公民館に関する論文を載せています。呉さんも先日の公民館学会で、居民委員会の社区活動について報告しています。上田さんは、中国成人教育近代史を中心とする若手の中国研究者です。集まった面々はまったくフレッシュな顔ぶれ。すでに多くの成果を出している「韓国生涯学習研究フォーラム」と並んで、中国の生涯教育・学習に関する研究と交流を推進する集団になっていかれればと思います。…
○<上海閘北区へ連絡> 黄丹青(目白大学講師・非常勤)
12日(金)「中国生涯学習研究フォーラム〈仮〉」は楽しい一日でした。どうなるのかまだ未知数ですが、新しい出発が人をわくわくさせます。とくに中国を研究されてきた上田孝典先生や社会教育を専攻する同胞諸姉妹の新たな参加には心強いものを感じます。「鉄は熱いうちに・」ということで、早速、上海閘北区の袁允偉校長(行健職業学院)と連絡を取り、3月の上海行きと、「走馬観花」ではなく、今までの歩みを含め、少しじっくりと調査をしたい旨を話しました。袁校長からは「没問題」(大丈夫)という心強い返事をいただきました。これからそれに向けて少し準備する必要があるでしょう。とりあえずわたしからは閘北区を中心に、社区教育の動きに関する資料を少し整理してみます。
ちなみに、行健職業学院はいま「コール・センター」を立ち上げようとしているそうです。それに関連する情報やノーハウがあれば、ご協力を、という軽い要請がちょっと出ました。職業教育や就職活動の一環でしょうか。近年中国の大卒(短大を含む)就職率が7割前後だそうです。まずはお礼とご報告まで
○<「中国生涯学習研究フォーラム」への期待> 馬麗華(東京大学・院)
昨日(12日)おいしい中華料理ご馳走さまでした、また『現代生涯学習論』(上海教育出版社)を頂きまして誠にありがとうございました。小林先生のお話はかねがね伺っておりますので、お会いできまして大変うれしく感じております。先生のおかげで、中国研究の方々と出会いまして、いろいろと勉強になりました。これから「中国生涯学習研究フォーラム」を通じて、中国情報交流が活発化できるようにお祈りいたします。
また、「南の風」を希望いたします、お手数をおかけするとおもいます。
○<仙台から参加> 孫冬梅(東北大学・研究生)
お世話になりました。石井山先生の学生の孫です。12日・金曜日にいろいろ教えていただいて、どうもありがどうございます。自分の勉強不足のところが気づいて、これからしっかり頑張りたいと思います。「南の風」を読みたいです.が、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○<これからもぜひ・・・> 呉迪(wudi 筑波大学大学院)
筑波大学大学院の呉迪でございます。お礼が遅くなり申し訳ございません。先日(12日)は大変お世話になりありがとうございました。中国研究とはいえ、自分が分からないところがたくさんありまして、恥ずかしく感じております。
これからもぜひ研究会に参加させていただいて、みなさまのご意見を聞かせていただきたいと考えております。今後ともご指導ご鞭撻くださるようお願い申し上げます。とり急ぎ、お礼まで。
○<新しい出発に声援を!> 南の風2140号(2008年12月15日) 小林文人
年末の慌ただしいなか、風・前号で「三つの会合」(内田メール)と報告されたように、12月12日はTOAFAEC
としても画期的?に忙しい1日となりました。編集会議と定例研究会の「二つの会合」はこれまでにもあった話。当日はそれに加えて、中国研究に関心あるもの、中国からの若い研究者があい集って、「中国生涯学習研究フォーラム」を立ち上げる歴史的な日となりました。歴史的・・・とは、すこし大仰な表現ですが、これから少しずつ活動が拡がり、確かな水脈となって流れていってほしい、その出発の日として、一つの歴史を創り出すことになれば、との思いからです。
当日、言い出しっぺとして、会の名称をどうするか、いくつか案を考えていました。上海研究、社区教育、成人教育など、これまでの上海を中心とする中国研究・交流の20年余。その歩みを想起しながら、迷いもあり・・・。また参考までに、TOAFAEC
ホームページに掲載してきた中国(やはり上海が中心)研究交流史を一覧にし、皆さんに簡潔に報告しました。
会の名称は、結果的に「韓国生涯学習研究フォーラム」とならぶ上記「中国・・・」の表現へ。急な呼びかけにもかかわらず、当日の参加者は8名。ぶんじんを除いてみな若い世代です。「風」に寄せられた参加者の声も収録して、ホームページに急ぎ「中国生涯学習研究」サイト(本ページ)を作ってみました。ご覧の上、いろいろご助言下さい。
ホームページへの収録を控えるべきところがあれば、ご一報を。これからの案内や、中国の動きや、日中研究交流に関わる情報などを随時掲載していくつもりです。このページを見て、参加してくる若いメンバーもきっといるに違いない、そんな期待をこめての作業です。中国生涯学習研究フォーラムのこれからの歩みにご声援を。
▲研究会を終わってー左より内田純一・上田孝典・小林文人(高井戸、081212)
★4,【2008年11月・上海訪問・社区教育関係収集資料目次一覧】 内田純一
(1)上海・社区教育関係資料(南の風2126号、11年15日) 台・中訪問記録(その2)
今回の上海訪問で頂戴した資料のリストを作成してみました。
まず何と言っても圧巻は(1)です。本年10月、閘北区を会場に開催された揚子江デルタを中心とする地域(上海市、浙江省、江蘇省)の社区教育発展研究集会の論文集。総頁760。上海市から121本、浙江省54、江蘇省72、計247本もの論文・実践報告が詰まっています。
→資料2(下掲)
詳細はまだ分かりませんが、社区教育をめぐってこれだけの論文集が作られていること自体に、社区教育の大きなうねりとともに、上海市教育委員会の社区教育に対する力の入れようを感じます。
資料(3)は、この集会に合わせて閘北区教育委員会が編集したのだろうと思いますが、ここにも31の論文と13実践報告が掲載されています。ちなみに、前言(はじめに)には、2008年段階で、閘北区には、1つの社区学院、9カ所の社区学校、76社区分校、そして248カ所の社区教学点(地域学習情報スペース)があると書かれています。
その簡単な紹介が(4)になされていますが、閘北区人民政府・教育委員会は、上海行健職業学院(袁允偉・校長)と閘北区社区学校そして上海テレビ大学閘北分校を一体的に管理する体制を取っているようです。このたび袁允偉さんがめでたく院長に就任された上海行健職業学院については、資料(5)があります。
訪問当日(11月2日)にも袁さん自らがパワーポイント使い、説明してくださいました。2001年にそれまでの閘北区「業余大学」を改編し、数理応用、経営管理、人文科学、就学前教育教員養成の4系22専攻の高等職業学院として、現在では4500人の全日制生徒が学んでいます。就職率は96%前後とのこと。成人に対する教育サービスもありますが、やはり以前の業余大学のように成人が働きながら夜間に学ぶという状況は見られなくなっているようでした。
小林先生は、ディスカッションの中で、特にこの点を強調され、中国のいわば蓄積でもある成人職業教育体系、公共的職業訓練機能の後退について、現代的課題(格差、ワーキングプアーなど)との関連で、その問題性を参加者(韓民さん、呉尊民さんも含めて)に提起されました。
文面があまり長くなってもいけませんが、資料(5)32頁の写真には、なんと小生が写っているではないか。2004年の上海社区教育国際フォーラムで当学院におじゃました時のもので、この冊子を編集された袁さんがこっそり載せてくれたのかもしれない。
《1,資料リスト》
(1)上海市教育委員会編『第6回長三角社区教育発展論壇文集』上海教育出版社 2008.9
(下掲)
(2)叶忠海、張徳明編著『2002〜2007上海社区教育 研究選集』上海教育音像出版社
2008.10
(3)閘北区社区教育委員会弁公室編『閘北社区教育 実践と探求 2005〜2008』2008.8
(4)閘北区市民学習指導センター編『閘北区社区居民学習指南 2008年秋季』2008.9
(5)『上海行健職業学院5周年記念誌 2001-2006』
(6)楊浦区委宣伝部編『楊浦区概要』
(7)楊浦区創建学習型城区推進指導委員会編『楊浦社区教育(季刊)』創刊号 2008.7
(8)『楊浦区社区学校系列教材 健康人生』同済大学出版社2007.7
(9)『楊浦区社区学校系列教材 ネットワークABC』同済大学出版社2007.7
(10)『楊浦区社区学校系列教材 法律常識』同済大学出版社2007.7
(11)『楊浦区社区学校系列教材 庶民英語』同済大学出版社2007.7
(12)『楊浦区社区学校系列教材 科学生活』同済大学出版社2007.7
(13)『楊浦区社区学校系列教材 市民礼儀』同済大学出版社2007.7
(14)『楊浦区社区学校系列教材 公共安全』同済大学出版社2007.7
(15)『楊浦区社区学校系列教材 家庭教育』同済大学出版社2007.7
(16)『楊浦区五角場社区文化センター』(施設概要)
(17)徐匯区業余大学編『徐匯区業余大学、徐匯区社区学院』(概要)
(18)徐匯区社区教育委員会弁公室、徐匯区社区学院編
『徐匯区 2008年春季終身教育課程手冊』2008.1
(19)徐匯区徐家匯街道社区教育委員会、徐匯区徐家匯街道社区学校編
『社区学校 徐匯区徐家匯街道社区学校指南』(リーフレット)
(20)徐家匯社区党工委、徐家匯街道弁事所、徐匯区社区教育委員会
『快楽学習 精彩人生』(徐匯区街道第一回学習祭)2006.10
(21)徐家匯社区党工委、徐家匯街道弁事所『徐家匯街道社区文化活動センター』(施設概要)
(22)徐匯区社区学院編、徐匯区社区教育委員会発行『徐匯・社区教育』第12号 2008.5
(23)徐匯区社区学院編、徐匯区社区教育委員会発行『徐匯・社区教育』第14号 2008.9
(24)徐匯区社区学院編『徐匯区社区教育優秀課程資料2006年度』2007.5
(2)上海市教育委員会編『第6回長三角社区教育発展論壇文集』上海教育出版社
2008.9
第146回(12月)TOAFAEC 定例研究会資料 内田純一
2008年10月、閘北区を会場に開催された揚子江デルタを中心とする地域(上海市、浙江省、江蘇省)の社区教育発展研究集会の論文集。総頁760。上海市から121本、浙江省54、江蘇省72、計247本の論文・実践報告が掲載されている。
【目次】
=上海篇=
2007年上海における生涯教育体系と学習型社会建設の実践と探求(上海市学習型社会建設推進指
導委員会、上海市教育委員会生涯教育室)・・3
社区教育の内発的な力を引き上げる・・7
社区教育の内実と機能に関する研究序説・・11
書院鎮塘北村農民による学習型社区事業の設立(事例)・・13
放送大学を利用して、社区教育のさらなる発展を推進する・・16
社区の民間組織を育て、社区教育の発展を推進する・・19
社区教育を推進する新たな力・・22
揚子江デルタ地域における社区教育発展の今日的課題・・25
地域ごとに社区教育を推進するための方策に関する研究(上海市閘北区天目西路街道)・28
社区教育力を活性化し、調和的な社会の建設を促す・・31
社区教育基本統計にみる認識と思考・・37
人を基本に、社区を発展させる・・42
市街区域の教育力を向上し、発展の原動力を強化する(上海市黄浦区精神文明建設委員会事務
室)・・45
重点を前面に積極的な実践を行い、学習型社会建設の発展に力を入れる(中共上海市黄色浦区
教育局工作委員会)・・48
学習型社区の建設条件と目的思考について・・52
学習型社区創造における区成人教育協会の役割・・57
学習型社区創造の実践と思考・・61
積極的に学習型社区を創設し、文明調和の新しい思考を営む・・65
街道における学習型社区創造の模索と実践・・67
社区教育の需要及び教育参与に関する調査研究報告・・71
デジタル化時代における社区教育の特徴及び発展の探求・・75
教育科学文化が進んでいる地区の社区教育管理体制と運営構造・・79
"康?工程"と社区教育の調和的発展戦略試論・・83
学習型都市建設連合会の役割と若干の考察(上海市静安区学習型都市建設連合会)・・86
リーダーの役割を果たし、生涯教育事業をリード(導き、指導し、管理)する(上海市静安区社区
学院)・・・88
教育理念を確立し、学習型都市建設を積極的に推進する・・91
サービス機能を強化し、社区教育を推進する(上海市長宇区学習型都市建設推進委員会事務
室)・・93
社区教育における民間組織の地位と役割に関する試論(上海市長寧区華?街道社発科)・96
社区教育において民間組織の役割を十分に発揮する(上海市浦東新区社区学院)・・98
模範的な社区民間組織を育成し、社区教育発展の促進する・・102
農村社区教育とNGOとの協力・・104
社区教育職員組織の資質向上に関する助言・・106
外国籍住民(外来人)居住地域の社区教育・・109
社区教育における就学促進手当て制度・・111
社区教育における教員の管理・・113
馬橋鎮における社区教育推進の三つの基本策略・・115
地域における社区教育発展の促進策略研究・・117
閔行区七宝鎮における社区教育の均衡的発展・・119
社区教育を表層から深く発展させる・・123
生涯教育体系を完備し、経済建設を支援する(上海市南匯区教育局)・・126
人間の全面発達から見た社区教育・・130
文化によって人を集め、街道の社区教育を推進する・・132
持続的な発展は、社区教育の発展目標である・・135
社区教育需要の研究報告・・138
社区教育の基礎建設を重視する・・142
特色ある文化によって、社区教育の調和的発展を促進する・・144
上海市社区教育実験項目管理の実践と探索・・147
"障害者学習チーム設立の実践と思考"レポート(上海市閘北区?江西路街道)・・151
貧困層の社区教育を強化し、調和社区を共につくる(上海市閘北区彭浦新村街道文教科)・・156
"'龍華魂'シリーズ教育"の実験項目における実践と探索・・160
社区教育の実験項目実践を論じる(上海市長寧区周家橋街道社区教育実験項目課題チーム)
・・164
社区教育の実験項目を実施する際に、よくある難点及びその解決方法・・167
社区教育の実験区から模範区へと発展するための若干の考察・・170
"伴行成長学校"の実践と思考(上海市閔行区江川社区学校)・・173
実験項目の管理進行を向上させ、社区教育事業の有効推進を図る・・176
まずは、社区教育実験項目の実施の質を向上させることである・・179
社区教育実験項目管理の実践及び探索に関する序説・・182
地域的特色をもった社区教育実験項目を育成する・・186
教育の情報化建設を重視し、学習型社区を促進する・・189
"村民学校建設の実践と探索"実験報告(上海市南匯区芦湖港鎮社区教育活動指導チーム)193
一人暮らしの老人を組織した余暇学習課程の研究(上海市閘北区宝山路街道社区学校項目課題
チーム)・・200
社区教育における社区学院のリーダ的役割を発揮する・・203
街道社区学校における学校管理制度の建設について・・207
社区学校の機能と発展について・・210
社区学院におけるクラス経営・・212
社区学校の役割を開拓する・・215
社区学校生徒の学習状況に関する調査と分析(上海市静安区社区学院分院)・・217
社区学校の本校と分校の関係に関する研究(上海市静安区江寧路街道社区学校)・・220
社区学院の発展と探索について・・222
静安寺街道愚谷村社区分校の調査報告・・224
区における社区学院の建設と発展(上海市普陀区社区学院)・・228
社区学校管理における"加、減、乘,除"・・231
社区学校の特徴と機能に関する考察・・234
地域における各資源を統合し、生涯学習のステージを作り上げる・・236
区における社区学校教師の現状に関する調査研究・・240
社区学院におけるインターネットの設計と利用・・243
社区教育における社区学校のリーダー的役割を十分に発揮させる・・246
社区学校は学習型社区の基礎である・・249
上海市街鎮社区学校建設に関する検討・・251
社区学校における役割の定義について・・253
農村社区学校実践における方策研究・・256
農村社区学校におけるシステムの探索と思考・・259
社区教育を発展させるための区・県政府の役割に関する試論(上海市閘北区社区教育委員会
事務室)・・262
公共サービス型政府の視点から見た社区教育・・266
社区教育文化の価値について・・269
老年教育文化の役割に関する探求(上海市静安区南京西路街道社区学校)・・281
教育資源の建設を強め、社区教育の発展を促進する・・283
社区教育資源建設の現状と特徴についての分析・・286
社区教育課程の体系に関する研究と思考・・289
区における社区教育課程建設の実践と思考(上海市徐匯区社区学院)・・293
広く資源を統合し、すべての人が参加できる仕組み・・296
社区教育の管理機能に関する研究・・299
機能を作り出し、ブランドを強化する(上海市静安区曹家渡社区街道党工委)・・302
地域の特色を掘り起こし、区の教材を開発する・・304
社区教育課程資源の開発 統合と使用・・308
キャリヤー建設を強め 多元的な学習需要を満足させる・・311
資源を統合し、特色を明らかに(上海市楊浦区学習型都市建設推進指導委員会事務室)・・314
高校は生涯学習の重要な"智"の源である(上海市楊浦区五角場社区街道党工委事務所)・316
社区教育資源の開発、統合と運用の基礎・・317
学校資源の開放に関する模索・・321
地区の特色ある資源を統合し、社区教育に新たな局面を創り出す・・325
社区教育資源の掘り起こし、統合と利用・・328
女性教育のブランド化を打ち出す・・331
社区教育資源を統合し、生態文明教育を推進する(上海市崇明具港沿鎮社区学校)・・334
生態アイランドの建設を元に、社区教育課程を開発する・・337
学習型企事業の創建に努め、職工員集団の資質を全面的に高める(上海市黄浦区総工会)・・341
"三位一体"の創建についての研究(共青団上海市黄浦区委員会)・・344
学習型家庭を創建する事業を進める(上海市黄浦区婦人連合会)・・348
体制を完備に努力し、学習型機関建設の不断の推進を図る(上海市黄浦区党機構委員会)・・352
生涯教育の日の制定とその実施体験について(上海市閘北区?江西路街道社区教育課題チーム)
・・354
人間の学習要求を満足させ、資質を全面的に高める・・357
"芸術星期六":青少年の校外教育実践についての検討・・360
老年教育の充実を図り、調和社会を構築する・・362
楽しませながら教える(上海市長寧区虹橋街道社区学校)・・365
農村家庭の先進的な文化建設を促進する・・367
農村社区における心理健康教育の実践・・369
社区老年教育の実践と思考・・371
老年教育のステージとその実際・・373
教育の社会的機能と人間の全面発達について・・377
林業訓練の実践と思考について・・・379
モジュール式職業訓練を実施し、社会主義新農村建設を促進する・・382
=浙江篇=
社区教育さらなる発展を推進する(浙江省杭州市下城社区学院)・・389
社区教育職員集団の設立・・392
区域内における社区教育推進の構想・・395
調和社会における社区教育の構築(浙江省杭州市下城社区学院)・・399
社区教育発展に関する策略研究の促進(浙江省杭州市下城社区学院)・・403
社区青少年教育創造に向けた探求・・408
社区教育と調和社会との間の架け橋を・・410
社区教育の旗印に"成人"を取り上げよう・・413
公共サービス型政府建設における社区教育の役割に関する試論・・416
社区教育を発展し、学習型社区を構築する・・418
生涯教育システムを築き、学習型社会を積極的に創建する・・421
学習型新社区の創建し、生涯教育ステージを打ち立てる・・426
新市民資質教育の新機軸を打ち出す・・429
社区青少年教育事業の実践と思考・・432
社区教育発展の道筋に関する研究と実践(浙江省寧波市江北区教育局)・・436
東清社区教育の発展を加速する諸問題・・439
海浜新地区に立脚し、社区教育のブランドを創る・・442
温州地区における社区教育の現状と発展策略に関する研究・・444
地域における社区教育発展の実践研究(浙江省嘉頭市南湖区社区学院)・・448
組織の連絡を健全化し、運行機能を革新する・・451
小康社会に応じた社区教育発展の努力・・454
社区教育における有効機能の実践と研究・・457
社区教育センターにおける有効機能の実践と研究・・459
サービス型政府の建設を強化し、社区教育公共サービス能力を高める・・462
社区教育発展における社会組織の地位と役割・・465
社区教育の発展に全力し、学習型社区建設を推進する(浙江省江山市虎山街道)・・469
海島社区教育発展の思考と実践(浙江省舟山市普陀区社区教育委員会)・・472
又鳥市学習型都市建設の経過と思考・・475
農村社区教育における民間協会組織の役割を積極的に発揮する(浙江省杭州市蕭山区)・・480
農村社区学校の建設を強め、地方の社会経済を促進する・・483
新農村の建設に社区教育はどれだけ積極的に応じるか・・486
成人教育を基礎に、農村社区教育を積極的に推進する(浙江省徳清県教育局)・・489
育成訓練を重点に、活動を手段に、新農村の建設を促進する・・491
富?市農村青年労働力移転に関する研究・・495
社区教育の生涯化 農村教育の社会化・・498
生態産業の発展における社区教育の重要な役割・・500
計画的な資源の統一 社区教育発展に関する理論的検討(浙江省杭州市上城区社区教育委員会
課題チーム)・・503
都市新区における社区教育促進のための組織資源統合に関する実践と思考・・507
社区教育資源を統合し、青少年校外教育を強化する・・510
成人社区教育課程の開発・・513
特色ある地方の学習型社区教育(浙江省?州市教育体育局)・・515
社区教育のデジタル化による学習舞台構築の体系的研究と実践・・518
下城区市民学校の現状、問題と対策・・521
特色ある区域における社区学院の運営方式・・525
外来人の楽園・・527
多様な社区における0〜3歳の早期教育について・・529
社区教育の生命と魅力・・532
社区教育の理論特性と社区学院の実践・・535
村、居民委員会、企業における社区教育センターの役割に関する考察・・538
社区民間組織の育成に関する実践と思考・・540
人を基本に、調和の取れた社区を建設(浙江省衝州市柯城区教体局)・・543
社区に深く根ざし、発展を求める・・546
企業の発展のために"水源活水"・・549
社区教育における県市レベルのテレビ大学の役割・・552
=江蘇篇=
城鎮化が進行する中での社区教育の対応方策・・559
生涯教育理念の下での社区教育・・562
社区教育における成人教育学校の機能をいかに高めるか・・566
生涯教育体系を設立し、調和的な社区の建設を促進する・・568
社区教育がもたらした特色 科学技術の普及による成果・・571
社区教育老年教育の発展とサービス型政府建設に関する分析・・574
社区文化の建設を強め、調和を取れた社区教育を作り上げよう・・577
社区教育は、調和な社会を達成するために不可欠・・578
社区教育センターの有効運用機能の実践と探求・・579
郷鎮社区教育センター建設の実践と探求・・582
問題行動を起こす青少年の育成訓練場としての社区・・584
有効な運行機能を設立し、着実に社区教育を推進する・・586
"三論"を背景に??社区教育実験項目を論じる・・589
教育行政部門が社区教育に果たす役割・・592
社区において青少年の校外教育環境をいかに営むか・・594
社区教育運営機能の検討と実践・・596
社区教育を発展させ、調和的な社区建設を(江蘇省蘇州市平江区観前街道党工委)・・599
社区教育と調和社会の責任に関する考察(江蘇省蘇州市平江区城北街道)・・602
仕事重視の転移を通して、社区教育を発展させる(江蘇省蘇州市滄浪区)・・604
学習型組織は社会の競争力を高める有効な手段(江蘇省宿遷市宿城区幸福成教センター)・608
社区教育の公共サービス能力の建設・・610
社区文化と学習型社区創造に関する研究・・612
学校と社区の調和を進める実践に関する研究・・616
社区教育を発展させ、調和社区を建設する・・625
教育戦略において、生涯教育の発展を優先させる628
21世紀における社区教育の戦略思考・・630
情報時代における社区教育の機能研究・・633
社区教育公共サービス機能の建設・・637
社区教育における有功的な運用に関する検討と思考・・639
社区教育下での惠?新市民・・642
郷鎮における成人教育校から社区学習校への移転に関する研究序説・・644
社区教育の内容を豊かに サービスの向上を・・647
社区の実情に合わせて社区教育を発展させる・・652
社区教育の建設に果たす社区組織の役割・・654
成人教育と社区教育の関連と違い・・656
社区教育センターをしっかり建てよう・・661
農村社区教育の実践と思考・・664
農村社区教育センターの現状分析 問題と対策・・666
農村社区の特徴に基づき、科学普通教育を行う・・668
文化建設は、農村社区教育の重点・・670
新しい農村建設は、農村社区教育を喚起する・・672
農村社区教育課程の開発と資源の利用に関する考察・・675
社区村民学校の設立について・・679
農村郷鎮における社区教育事業の実践と検討・・681
農村社区教育課程の開発及び資源の利用・・684
土地を失った農民のために、調和を取れた街道を建設する・・687
農村社区成人教育の発展と思考・・691
社区教育のステージを作り、新農村建設を促進する・・695
長江デルタ地区の農村社区教育の実践と思考・・699
成人教育の機能を十分に発揮し、積極的に新農村建設に努めよう・・702
社区の特色ある文化を築き 特色ある教育を進めよう・・704
社区の各資源を利用し、教育機能を十分に発揮させる・・705
社区教育資源を利用し、校外教育体系を築く・・708
社区教育課程資源の開発 統合と使用に関する研究・・709
全?の農民が教育を受けられるよう資源を統合させる・・711
青少年の社区心理教育に関する一考察(江蘇省蘇州市平江区観前街道)・・714
社区教育によって青少年が調和を享受できるよう資源を統合する(江蘇省蘇州市平江区城北街道)
・・717
社区教育課程の開発と教育資源の利用・・719
現実に即して、社区教育課程を開発する・・722
社区教育資源を十分に利用すること・・724
社区訓練学院における運営の実践と検討・・726
清廉な社区文化建設の特徴(江蘇省蘇州市平江区紀委)・・730
社区教育を活かすことで、末端の人防から民防への切り替えが実現・・732
成人教育の促進と"小康社会"の全面的建設(江蘇省宿遷市宿城区幸福成教センター)・・734
社区訓練学院の機能及びその能力を高める研究・・736
人々の資質を優れたものにする機能、総合資質を高めることに力を入れる・・739
教育の社会機能と人間の全面発達・・744
民間組織の機能を発揮し、社区の精神文化建設を推進する・・747
新たな情勢下でいかに成人教育の学生募集を工夫するか・・750
社区教育と人間の全面的発達・・752
サービス型政府の建設と調和社会の建設・・754
"三新"課題を基に、全民の資質を高めるよう努力する・・757
▲上海市楊浦区五角場社区文化センター(20081101)
★5,【中国生涯学習研究フォーラム・コーナー】(南の風2143号・2008年12月20日〜)
(1)<3月・上海調査の提案など−黄丹青(Fri, 19 Dec 2008 08:10)>
南の風2143号・2008年12月20日
小林先生;先日は「中国生涯学習研究フォーラム」の立ち上げを呼びかけていただき、ありがとうございました。「風」の便りからメンバーの意気込みが見て取れ、勇気と力をいただきました。
さて、3月の上海調査まであまり余裕がなく、中国側との調整のうえでも、具体的な事項について、参加者の統一した意見が必要になります。
ここでまずは私の思いついたことをあげて見ますが、ほかに必要なことや実際の進め方に関しては、先生や事務局側にご意見を伺いたいと思います。年末のお忙しい時期ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
@日程。春休み中で、航空券確保の必要性。
A調査に関する事項。テーマ、対象、見学する施設、質問事項などに関する話し合い。
B学習会開催。今までの情報の共有や調査対象をめぐる学習、その分担。
○何人参加できるか。それぞれの事情もありますし、お互いに無理をしない範囲で活動を始めていく、ゆっくりと計画を進めていきましょう。
先日の話し合いで上海調査は3月中旬、というのが第1案だったように記憶しています。黄丹青さんの方から、4日〜1週間前後の日程で、具体的なスケジュール・調査活動案を(大胆に!)提案していただいてはどうでしょうか。それをめぐって意見を出しあい、少し具体化したところで、こちらの希望を上海側(閘北区など)に伝えて協力をお願いする・・・など。
また、学習会をどのようにスタートできるか、これもあまり無理をしないで考えていく。事務局長・上田孝典さんからも意見をいただけると有り難い。そのうちに研究会メンバーのMLが必要かと思いますが、まずは「南の風」に「中国生涯学習研究フォーラム」コーナー(本欄)を設けて、お互いの意見交換の「ひろば」にしましょう。(小林ぶんじん)
(2)<上海調査準備、研究の進め方−上田孝典(Sun, 21 Dec 2008 21:22)>
南の風2144号
黄丹青さんの問題提起(風・2143号)、ありがとうございます。
3月の上海調査については、黄さんに大変ご面倒をおかけしています。まずは参加希望者が各自の都合を黄さんにお伝えし、それらを勘案しつつも最終的には小林先生と黄先生、上海の袁先生、呉先生などとの協議で決定していただければと思います。
フォーラムの進め方についてですが、当面は3月の調査に合わせて月1回ほど、閘北区の社区教育について、また袁先生の行健職業学院での実践について事前学習会をする方向で検討してはいかがでしょうか。
秋田の私は参加できるか分かりませんが、関東近郊の院生が中心になって『閘北区社区教育・実践与探索』の中から関心のあるテーマについて報告し合うなど。
なお遠距離でのフォーラムの勉強会を組織する方法について、ブログの活用など考えていけたらと思っています。皆様のご参加とご意見を上田までお願いします。shangtian@aiu.ac.jp
(3)<上海調査計画、学習会など−黄丹青(Thu, 25 Dec 2008 16:31)>
南の風2147号
上田先生の枠組みづくりへの提案をいただき(風2144号)、ありがとうございました。賛成です。今回は3月調査へ向けてのすこし具体的な進め方について、皆様からのご意見、ご提案をお待ちしております。
1,調査地、対象
@上海閘北区。調査対象はまず上海ということになりますが、いくつかの地点を同じような形でめぐるよりも、一つの区にしぼり、少し丁寧な研究を目指したほうがよいのではないでしょうか。閘北区にしたのは、
A.小林先生との長年のかかわり(旧業余大学、現「行健職業学院」、袁允偉校長との交流など)
B.2001年の訪問(TOAFAEC「上海・無錫・蘇州『社区教育』調査報告書」2002年、佐賀大学)
C.2004年に開催された同区での「社区教育国際フォーラム」への参加(黄丹青、内田純一ほか)
D.教育部社区教育のモデル地区としての閘北区
等の理由から、すでにある程度の蓄積、人脈があります。無論ほかに他区の見学の機会があれば、見聞を広げていきたいし、上海全体の動向を把握する必要もありましょう。
A成人教育から社区教育へ。社区教育は90年代の末から登場し、それまでの成人教育・職業教育とは違った新しい性格をもっていると思われます。しかし、成人の教育・学習形態という点において、また旧業余大学から社区学院への同じ施設で展開してきている経過からみても、社区教育の成人教育との連続性も無視することができないような気がします。
国の改革開放政策、市場経済化と労働力問題、大都市開発等の歴史的な激動も視野に入れ、現代の成人の学習・労働・文化の問題を、総合的かつ地域実証的に捉えていきたいと考えております。
2.最初の学習会
@上海と閘北区のこれまでの展開について、すこしかかわってきた私や高知の内田教授がそれぞれ手持ちの資料を整理・紹介する。関連する諸問題も含め、1月に学習会を開いてはいかがでしょうか。内田さんは1月28日に(TOAFAEC編集会議・定例研究会のため)上京すると聞いていますが、当夜あるいはその前後の日程について、ご検討をお願いできれば幸いですが・・・。
A全国的な動向、上海以外の都市、の社区教育・生涯学習の展開についても、馬麗華さん、呉迪さんほか皆さんのご協力をお願いしていく。
3.3月調査の参加意向と日程
参加者の都合や関心テーマを整理したうえ、閘北区行健学院の袁校長や華東師範大学の呉老師などと相談したいので、3月調査への参加意向について、どうぞご意見をお寄せください。日程は3月15日前後の5日間程度(第1案)を考えてみてはどうでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
黄丹青→ hzh_csy_dq632001@ybb.ne.jp
(4)<中国生涯学習研究フオーラム(第2回、1月28日) 上田孝典 Wed,
7 Jan 2009>
南の風2151号 1月9日
皆様、あけましておめでとうございます。
今月28日に予定されているTOAFAEC会合およびフォーラム研究会ですが、残念ながら授業のため参加できません。通常の大学とは異なり、国際教養大学では2月末までは通常通りの校務および授業がいっぱいでなかなか時間が取れそうもありません。申し訳ありません。
風2147号にて黄丹青さんから提起していただいた点についてですが、まずは「上海閘北区」を研究対象地区に限定する見解に賛成です。点から線、そして面へと拡げていくためにも、まずは「上海閘北区」という点からスタートすることは有意義だと思います。『閘北社区教育実践與探索』で概要が把握できると思いますので、読み合わせてみてはいかがでしょうか。私自身も、社区教育の先行研究をいくつかあたって調査にあわせて論点を挙げておきたいと思います。また研究会でのレジュメ等がありましたら、メールにてお送りいただけるとうれしく思います。
また上海調査の日程ですが、3月15日〜5日間程度という日程でしたら参加できると思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
○第2回「中国生涯学習研究フォーラム」日程
日時:2009年1月28日(水)16:10〜18:10
内容:研究フォーラムの進め方、上海研究の視点や方法について
報告:黄丹青、小林文人(予備)
会場:東京(杉並)高井戸地域区民センター・第2集会室
*関心ある方の参加歓迎、新しいメンバーへの呼びかけを!(ぶ)
(5)3月・上海(社区教育)調査計画・呼びかけ
南の風2153号 2009年1月13日
<3月・上海社区教育調査の呼びかけ>黄丹青(副代表、Mon, 12 Jan 2009)
現在のところ、5〜6人から参加の意向が寄せられています。これから事前学習を重ね、上海側(呉遵民老師・華東師範大学、袁允偉校長・閘北区行健職業学院など)とご相談しながら、スケジュールを具体化していきますが、いま準備中の大まかな日程・内容案について、ご紹介いたします。もし興味ある方があれば、ぜひご参加ください。熱烈歓迎!
日程:3月14日(土)または15日(日)〜1週間程度(先発の調査活動、また中途からの参加も可)
内容:上海市閘北区を中心に−「社区教育」について研究調査
@街道(区の行政単位)、社区学校などの活動調査
A居民委員会(地域住民組織)、地域学習活動の訪問
B行健職業学院(閘北区)。学校の歴史(業余大学)に関する資料収集
C行健職業学院附設の社区活動センター、職業訓練センターの見学
D閘北区教育委員会の行政施策・計画等の資料・聞き取り
E上海市及び他区の社区教育、成人教育の状況調査
今回は(いま激動中の上海市の社区教育について)とくに典型的な事例として閘北区にしぼり、より長く(1978年から30年間の歴史)、より広く(地域・文化・生活・職業を含めて)、より深く(活動の実際、住民との対話)調査をすすめていく計画です。参加の皆さんから多面的なアクセスが期待できそうで、楽しみにしております。
呉遵民老師をはじめ、上海の諸先生方(別便で小林代表よりご依頼がある予定)、どうぞよろしくお願いいたします。
<上海調査について> 上田孝典(事務局長、Mon, 12 Jan 2009)
1.日程
概ね参加する方の日程は15日〜20日頃あたりで調整できるようですね。黄丹青先生には、袁先生ほか上海との連絡、日程調整など、大変ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いします。私も、個人的な資料収集等を兼ねたいと思いますので、早めに中国入りするつもりです。現地で合流したいと思います。
2.事前学習
1月28日の研究会には参加できず申し訳ありません。情報提供をしていただきたく思います。なお、閘北区に関する基礎的統計データや歴史的文化的特徴、また行健職業学院受講生の属性など、とくに上海の中
でも「閘北区」がどのような特徴を持つ地域なのかについて、もし情報がありましたらご教示ください。
…(中略)…
3.「東アジア社会教育研究」第14号について
内田純一先生(編集長)からのご提案では、第14号構成案は、中国の生涯学習に関して5〜6本とありました。そこで、上海調査に参加するメンバーで(私も含め院生を中心に)単著・共著問わず2本ほど書くつもりで予定してはどうでしょうか。そのためにも各自が課題を持ちより、論文化する方向でテーマや構成などの見通しを共有していけば、調査も的確に実のある内容にできるのではないかと思います。(以下・略)
4,中国生涯学習研究フォーラムについて(追伸)
手打明敏先生(筑波大学)、石井山竜平先生(東北大学)からも早速上海調査およびフォーラムへの参加に前向きな連絡をいただきました。ありがとうございます。
上海調査については、黄丹青先生にご面倒をおかけしていますが、参加者各自の日程に合わせて無理の無い範囲で合流していただければと思います。
未だ蓄積の少ない中国教育研究において、研究方法論の検討や分析枠組みの構築など、今後フォーラムを進めていく上で諸先生からご助言をいただけることに大変心強い思いです。
石井山先生がご指摘のように、中国の「紹介」ではなく「比較」研究として深められるように、日本の社会教育(もちろん韓国やその他各国も含め)から多くを学びつつ、多角的に展望できるような研究フォーラムになればとの思いを強くしています。
今後も少しずつ、着実に研究の輪を拡げながら進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
<1月28 日の研究会と上海調査について>呉迪(筑波大学・院、Mon, 12 Jan 2009)
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。新年早々研究室の仕事が入っており一週間近くバタバタしてました。連絡が遅くなりまして申し訳ございません。
1月28日の研究会に参加いたします。
上海、特に閘北区の社区教育に関する検討が中心になるかと思いますが、関連する資料を持っていないため、今回はみなさんのご報告を聞かせていただき、勉強したいと思います。黄先生、上田先生のご提案のように、3月の調査に向かって事前勉強会を開くことが重要だと思います。『閘北社区教育実践与探索』、あるいは、ほかの検討文献を読み合わせる形で行くとすれば、ぜひ私にも発表させていただきたいと思います。
また、3月の上海調査ですが、ぜひ参加させていただきたいと思っております。ただ自分の調査も3月に予定しておりまして、現地集合、途中参加等の形になるかもしれません。日程についてはまだ調整中ですが、決まり次第ご連絡いたします。よろしくお願いいたします。
<上海・社区教育に関する共同研究> 小林文人(中国生涯学習研究フオーラム・代表)
南の風・本号(2153号)は、中国(とくに上海)研究の特集号みたいな構成になりました。昨年12月に立ち上がった「中国生涯学習研究フォーラム」がいよいよ活発な活動を開始したかたち。ご同慶のいたりです。
同フォーラムは、今年3月に上海・社区教育に関する調査研究を企画しています(上掲)。研究経費がとくに用意されているわけではありません。それぞれの自己負担でのスタート。あるのはお互いの課題意識と心意気だけ。研究費が確保できたから研究・調査を開始しようという大学・研究機関の一般常識ではなく、在野の研究者が仕事に取り組む、ある原風景をみる思い。
それだけに、お互いの励まし合いと知見の相互共有が大事になってきます。競いあう相手としてでなく、文字通り共同研究の仲間としての付き合いが始まっています。これからどういう展開になるか、大きな期待は禁物ですが、楽しみでもあります。
また中国の政治・社会の状況のなか、実証的なフイールド・サーベイがどの程度に可能か、という課題もあります。この点も一つの挑戦。
これまでの上海との人的交流の経過から、閘北区をフイールドとすることになりました。閘北区については、TOAFAEC
ホームページに10年ほど前からの交流記録を収録していますし、私たちの「東アジア社会教育研究」は、第2号(1997年刊)から、閘北区を取り上げてきました。これまで5,6本の報告・資料が掲載されているのではないでしょうか。最近のものでは、同第12号(2007年刊)「上海閘北区社区教育の過去と今」(王鋼・江蕾)が注目されています。
1月28日「中国生涯学習研究フォーラム」研究会(事前学習会)では、まずこの論文を共通テキストに論議しあったらどうでしょうか。
■中国生涯学習研究フオーラム・ご案内など。以下別ページに収録→こちら■
▲2001年秋・TOAFAEC中国(江南・上海)訪問団 ー新装の閘北区社区大学・図書館前、20011010ー
前列左より黄丹青、小林平造、呉遵民(華東師範大学)、末本誠、袁允偉(副校長)、中列2人目・松田武雄、
二人おいて葉忠海(華東師範大学)、小林文人、王鴻業校長(当時)、鄭栄根(図書館長)、後列に呉遵民、
羅李争、上野景三、内田和浩の各氏
★6,「東アジア社会教育研究」(第1号1996〜第13号2008→■)収録
社区教育・社区大学関連記事リスト一覧 小林文人
1,社区活動、社区教育
袁允偉(訳:羅李争): 生涯教育の思想と社区教育、街道教育委員会 第2号(1997)
−上海市の動向を中心に−
黄丹青:中国における社会教育の新たな動向−社区教育・天津市− 第2号(1997)
葉忠海(訳 呉鳳光 ):上海市社区教育の歩みと発展の方向 第3号(1998)
葉忠海:中国における社区教育の現状と課題 第7号(2002)
呉遵民:中国における社区教育に関する新しい歩みと摸索 第7号(2002)
−中国社区教育実験工作経験交流会議の開催記録について−
李偉成:広州市社区教育の現状及び対策検討 第7号(2002)
韓 民:生涯学習社会に向かう成人教育の再構築 第8号(2003)
−中国成人教育の変化と課題−
候全宝・楊少鳴(訳・解説:陳蓉等):上海桃浦鎮の社区教育 第9号(2004)
韓 民:北京市社区教育の実践と施策―西城区の社区教育実験を中心に 第10号(2005)
白メイ:福建省厦門(アモイ)市思明区における社区教育の取り組み 第10号(2005)
秦ナー:上海と大阪二大都市における地域社会教育に関する比較研究 第11号(2006)
呉 迪:中国黒龍江省における社区教育の現状と課題 第12号(2007)
―チャムス市前進区・ハルビン市南崗区を事例にして―
王鋼・江蕾(訳:楊凡・陶涛): 学習の生活習慣化に向けて 第12号(2007)
−上海閘北区社区教育の過去と今−
葉忠海(訳:呉迪):21世紀初期における中国社区教育発展の目標、重点及び特色
第13号(2008)
顧錫培・趙信?・符湘林(訳:・萍):2007年上海市徐匯区徐家匯街道 第13号(2008)
社区教育における実践報告
2,社区大学、大学改革(閘北区)
王鴻業(訳:羅李争):上海・業余大学の社区学院への転換 第4号(1999)
袁允偉(訳:羅李争):中国の地域成人高等教育学校の新しい動向 第6号(2001)
−上海市閘北区業余大学から社区学院、社区高等職業学院へ−
3,文献・資料・新聞等
羅李争訳・蘇鶴鳴訳 :上海「社区教育」の動向−新聞記事より− 第1号(1996)
羅李争:上海の社区教育の発想と動向−文献『社区教育への探求』紹介− 第2号(1997)
黄丹青:華東師範大学継続教育学院編『社区教育理論』叢書(訳と解説) 第6号(2001)
黄丹青:中国都市の街道弁事処と居民委員会について 第7号(2002)
―「転換期の都市社区組織」(2001年)の紹介に基づいて―
小林文人・末本誠・呉遵民共編『現代社区教育の展望 第8号(2003)
−日中の社会教育・社区教育の理論と実践』出版をめぐって
郭伯農・呉遵民等『現代社区教育の展望』(上海教育出版社)紹介 第9号(2004)
葉瀾、千野陽一等「書評」(訳:黄丹青、千野陽一等)
白メイ:中国福建省・生涯学習をめぐる動き−資料紹介− 第9号(2004)
上野景三、岩本陽児、内田純一、黄丹青: 第10号(2005)
上海・社区教育国際フォーラム(創建学習型社区教育国際論壇)報告
呉遵民・末本誠・小林文人共編:『現代生涯学習論 第12号(2007)
―学習社会構築への架橋』(上海教育出版社)紹介
4,台湾関連
楊碧雲:台北市における社区大学の運営及びその管理について 第5号(2000)
楊武勳:台湾における社区大学の位置づけと課題 第6号(2001)
−生涯学習と大学開放の新しい試み−
楊武勲:台湾「開放大学法」草案(2003〜2004)−翻訳と解題− 第9号(2004)
洪徳仁(訳:鄭任智):台湾の社区総体営造 2001〜2005年 第10号(2005)
楊 碧雲:台北市社区大学の設立とその発展・評価 第11号(2006)
内田純一:台湾における「社区大学」をめぐる動向 第12号(2007)
−「社区成人高等教育学院設置条例(案)」・解題と翻訳
楊碧雲:台湾社区大学の発展と市民社会の建設―10年の道程と将来― 第13号(2008)
★7,「社区教育」を考える視点
ー中国生涯学習研究フォーラム(第2回)レジメ 小林文人−2009/01/28−高井戸
資料(1)TOAFAEC「東アジア社会教育研究」収録・関連論文等一覧
(2)日本公民館学会「公民館・コミュニテイ施設ハンドブック」(2006)−中国(牧野篤)
(3)中国国家標準「社区服務指南」第3部:文化・教育・体育(2007)
(4)TOAFAEC:中国上海・無錫・蘇州「社区教育」調査報告書(2001)
1,
歴史的にみる視点 ・文革後の教育復興(例「業余大学」1978〜)
・国家教育部「成人教育」(1980〜)
・改革開放政策−市場経済化(計画「単位」変貌、労働市場流動化)
2,
概念「成人教育」(職業訓練)、そして「社区教育」「生涯教育」
「教育」と「文化」の地域的統合 *中国国家標準「社区服務指南」(2007)
*韓民「コミュニテイ・エデュケイションの進展」(「東アジア社会教育研究」G2003)
「…中国の伝統的成人教育と比べて、次の特徴をもつ。@参加者における開放性、
A学習内容の多様性、B時間と空間上の柔軟性、C地域教育資源の総合的利用、
D市民の主体的参加と自己組織、自己教育。…」
3,「非権力組織としての社区教育・・」(牧野、p394)
市民社会におけるコミュニテイと住民、ボランティアと自治組織の視点
行政組織としての「社区」、官許の「社区」活動
4,
施設(上海全市街道230に文化活動センター設置、地域下部拠点、居民点施設の整備)
*徐家匯街道「四大資源」=学校、区域、人的、広場の統合)「東アジア社会教育研究」」13号
職員体制(学校教師派遣)、専門職制度は未発?
5,社区教育のセーフティネット機能(牧野)
社会的マイノリティ、都市流入「民工」問題
「掃盲」(識字教育)の課題
6,
日常生活圏としての地域、とくに集落・小地域・近隣の生活相扶組織(生活「共同体」)
地域の文化・行事・祭り(集落共同としての社区活動)
7,上海「
生涯教育条例」策定の動き
閘北区「条例・規則」、社区学校「規約」など
★8,中国生涯学習研究フォーラム・第2回研究会の記録 呉迪
−3月上海社区調査の視点と課題など (南の風2161号、2009年2月1日)
1月28日の研究会はお疲れ様でした。そして鋭いご指摘をありがとうございました。参加してよかったと思います。小林先生からの依頼を受け、私の方で研究会記録を書いてみました。至っていない点があるかと思いますが、お目通しいただければ幸いです。
○第2回「中国生涯学習研究フォーラム」
日時:2009年1月28日(水)16:10〜18:10
内容:(1)「社区教育」を考える視点 小林文人先生
(2)閘北区社区教育の歩み及び3月上海閘北調査項目(案) 黄丹青先生
参加者(敬称略):小林文人、内田純一、黄丹青、山口真理子、呉迪
会場:東京・杉並区立高井戸地域区民センター・第2集会室
小林先生からは、以下の4点の資料が用意されました。
(1)TOAFAEC『東アジア社会教育研究』収録・関連論文等一覧
(2)日本公民館学会『公民館・コミュニティ施設ハンドブック』(2006年版)−「中国」牧野篤
(3)中国国家標準「社区服務指南」第3部:文化・教育・体育(2007)
(4)TOAFAEC『中国上海・無錫・蘇州「社区教育」調査報告書』(佐賀大学、2001)。
これらの資料を通して、1989年以来の上海との研究交流の歴史も見えてくると思います。そしてこの20年間の研究交流の蓄積があるからこそ、今回の3月上海閘北区調査があり、それだけでなく、これからの中国・社区教育研究があると思います。社区教育研究を進めていく上での7つの視点が小林先生によって提起されました。すなわち、
(1)文化大革命、改革開放政策などの社会背景の解明を重視し、歴史の流れのなかで社区教育を見る視点, (2)「成人教育」、「社区教育」、「生涯教育」などの概念の変遷を整理し、行政の定義に比べながら、現実の展開を究明していく視点, (3)行政組織との関係におけるボランティアと自治の視点, (4)職員体制、専門職制度に関する研究的視点、(5)中国社会における「民工」、非識字者などのマイノリティに対して社区教育の役割を考える視点, (6)集落・小地域、生活共同体としての「連帯性」と「政治性」(地域統治)という二面性から社区・社区教育を分析する視点、(7)街道・区そして市における社区教育関連条例、規則、
規約などの法制策定の動き、そして国の法制・基準に着目する視点。
小林先生が用意してくださったレジュメ及び資料(1),(3)は先生のHP(本ページ)にアップしてあります。ご覧下さい。
そのなかで、たとえば「行政組織としての社区」,「官許の社区活動」など重要なご指摘がありまして、たいへん知的刺激を受けました。私は中国の居民組織に関心を持って勉強してきましたが、たしかに社会主義国家である中国において、共産党の位置づけ、居民組織と行政組織との関係などは複雑であり、その解明は非常に難しいと思います。だが、これらの問題はこれからの中国社区教育研究を進めていく上で避けて通れない問題だと考えておりますので、3月上海調査の機会に、そして先生方のお力をお借りして、少しぶつかってみたいと思います。
黄丹青先生は、年表の形で閘北区社区教育の歩みを整理してくださいました。中国社区教育の先鋒として1988年の社区教育委員会の設立から、すでに20年の歴史を経ました。いろいろな動きを丁寧な整理により分かりやすくて、一目瞭然でした。全体の把握にすごく役立つと思います。そして、先生からは上海調査の大枠も出されまして、この案を中心にして、何を見たいのか、どういう意図で調査するのか、できるだけ具体的な課題を上海の先生方に伝え、日程を組んでいただくという方向性が出されました。これから少しずつ課題をつめていくことになると思います。メンバーそれぞれの関心もあり調整は大変だと思いますが、私ができることがあればやらせてください。長くなってしまって申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
★9,2009年3月・上海「社区教育」調査記録・報告 小林文人
○3月15〜16日 南の風2184号、2009年3月17日
今回の上海訪問は4ヶ月ぶり。東京よりも暖かく、花粉の気配もなく、まずまず症状は落ちつきました。しかし街を覆う大気の状況はまさに大都市の様相。街は活気にあふれながら、空も水もどんよりの模様。
初日(3月15日)夜に予定したメンバーが順調に合流。スケジュールを調整・変更しつつ、活動が始まっています。まず行健職業学院の袁允偉さん(校長)の招聘夕食会。羅李争さんや朱榴芳さんも駆けつけていただき、有り難うございました。
訪問団メンバーは、発足したばかりの「中国生涯学習研究セミナー」。副代表・黄丹青、事務局長・上田孝典(国際教養大学・秋田)、内田純一(高知大学)、呉迪(筑波大学大学院)、孫冬梅(東北大学・研究生)の皆さんと代表・小林ぶんじん。まだ未着の石井山竜平(東北大学)さんを加えて、合計7人。さきほど6人が揃いました。
巨象・中国はいまどのように動いているのか。ギシギシと音をたてながら変転の真っ最中。そのなかで、市民、社区(コミュニテイ)、ボランティア等の動きをどうみるか。政治・行政の積極的なリーダーシップあり、それは同時に圧倒的な管理の側面も伴っている。その中で市民の自治や運動、社区づくり、はいまどのように展開しているか、などと考えながら、上海第一日の夜は更けていきました。
2日目(16日)、午前は閘北区大寧路街道(行政単位)の「社区学校」、午後は同区鎮の知的障害者施設「太陽の家」を訪問。案内や車の手配など行健職業学院の全面的な協力に感謝。
○3月17〜19日 南の風2185号、2009年3月19日
上海の第3日(17日)、午前は閘北区「澎浦新村」街道の社区文化活動センター、午後は袁允偉さんが校長をつとめる「行健職業学院」を訪問しました。ともに閘北区を代表する地域文化センター(小学校を改装し、図書館・博物館を併置する大型施設)と社区大学(コミュニティ・カレッジ)です。書きたいこといろいろ。いずれ詳細なレポートとなる予定です。
学院の図書館1階「小林国際交流閲覧室」に立ち寄った後、袁允偉さんは、学院前に新しく出来た文化茶館に私たちを案内してくれました。個人蒐集ながら、目の保養になるような文物・骨董類を展示した空間で、特級の中国茶を楽しむ趣向。かっては何もなかったところが文教地区に生まれ変わり、そこに閘北区とも思えぬ(失礼!)高級な文化サロンが誕生したのです。ひとしきりの歓談が続いたところに、思いもかけない懐かしい人が登場。いずれも黄丹青さんの連絡によるものです。
一人は、かって同区教育局の生涯学習担当課長だった江蕾さん。現在は文化局の副局長として活躍中。私たちの「東アジア社会教育研究」第12号(2007年)所収・閘北区レポートの執筆者です。しかしご本人に届いていない恐れあり、確かめたところ予感的中。1年半も遅れた非礼をお詫びし、持参の1冊を直接に手渡すことができました。
あと一人は、1989年前後に東京学芸大学社会教育研究室に在籍した李一群さん(当時、中国政府教育部)。現在は電通(上海)の副総経理として上海在住。やっと連絡がとれました。久しぶりの対面! こういう再会は教師冥利に尽きるというもの。東京の新年会等も憶えていてくれて、互いに手を握り合いました。
行健職業学院校長(袁さん)、党書記(徐さん)、図書館長(鄭さん)や羅李争さんも揃って、懐かしい顔ぶれで記念写真を1枚(下掲、前列・左端が李一群さん)。
4日目(3月18日)は、葉忠海・呉遵民の両先生(お世話になりました)と出会って、午前に上海遠程教育集団・上海テレビ大学、午後は普陀区長寿路街道、同・長三居民委員会等を訪問。この夜、ようやく石井山竜平さんが加わって訪問団全員で乾杯してお開き。
▼(上海閘北区、20090317) 「社区教育」調査団。後列左から呉迪、孫冬梅、黄丹青、内田純一、羅李争、
前列は李一群、小林、徐熾強(学院・党書記)、袁允偉(院長)、鄭栄根(図書館長)、上田孝典の各氏
○上海の地域文化センター・四階建て構想 南の風2186号、2009年3月21日
40年ほど前、東京・三多摩の徳永功さん(当時、国立市公民館)などを中心に「公民館三階建論」が提起されましたが、その構想は上海市「文化宮」にヒントを得たものでした。
いま上海では、市全域230の「街道」(行政単位)すべてに「社区文化活動中心」(地域文化センター)が設置されています。この5年来の躍動。規模・施設内容はそれぞれ異なりますが、四〜五階建ての大型施設が多く、その中に「社区学校」も設置されています。日本の大型公民館に地域成人学校を併置したような都市施設、それが市全域に配置されていると言えましょう。
今回の上海社区教育訪問団の第5日は、高層ビルが並ぶ浦東新区・陸家嘴街道(午前)と市中心部の徐匯区・漕河潭?街道(午後)の、二つの地域文化センターを訪問しました。とくに午後の文化センターは、一階の劇場で「瀘劇」(上海の伝統芝居)が地元劇団により公演中。かなり広い客席は満員の盛況でした。2階から上にあがると、雲南の瓢箪笛の教室あり、舞踊の練習場、琴房、書画教室なとど賑やか。書道の部屋では毛筆筆による揮毫を求められ、「文人」としては逃げるわけにはいかず、“ひらがな”混じりで「心はひとつ」と書きました。横に書法家の字が添えられ、恥ずかしい限り。
午前・午後の両施設を混ぜ合わせて考えてみると、かっての三階建論の流れから、いま四階建て構想ともいうべき施設が出現したのではないか・・・、と思をいめぐらしつつ、夜の歓迎会で紹興酒を楽しみました。一階の劇場とトランプなどに興じている娯楽室や展示室、二階の「東方信息苑」(情報室)、三階「社区学校」、四階には図書館と「陽光の家」(知的障害者施設)といったイメージ。
▲上海浦東新区・陸家嘴街道・地域文化センター1階の娯楽室(20090319)
○上海への御礼 南の風2187号、2009年3月23日
1週間にわたった上海「社区教育」調査の一行は、21日までに上海を離れ、三々五々、無事帰国いたしました。参加メンバーからそれぞれ感謝・感想のメールが寄せられています(上掲)。皆さん、お疲れさまでした。「風」の皆様からのご声援も有り難うございました。
今回の上海訪問には、これまでにない取り組みがいくつかありました。ぶんじんは別にして、若い世代による調査団の編成、単なる訪問ではない研究・資料収集の努力、今後に向けての討論や報告作成の打ち合わせなど。しかも上海側には、社区教育・地域文化センターの新しい躍動があり(日本・社会教育の停滞と対照的)、刺激的な毎日となりました。これからの展開が楽しみです。
上海の皆様には、また格別のご配慮をいただきました。濃密なスケジュールと連絡・案内・歓迎そして車の手配にいたるまで、心のこもった受け入れ、あつく御礼申しあげます。とくに呉遵民さん、羅李争さんには準備段階からご心労をおかけました。加えて、私たちの感謝の気持を、呉さんから葉忠海さんへ、羅さんから袁允偉さんへ、(別途お礼状を差し上げる予定ですが)どうぞよろしくお伝えください。
風2183号(3月15日)本欄に「紹興訪問の楽しみ」を書いたことをご記憶でしょうか。当初、上海からの日帰りを考えていましたが、これは無理ということが分かり、今回は取り止めました。紹興で紹興酒を楽しむ日程は次回に、できれば2泊の余裕をもって・・・。おそらく秋?でしょうか。それまでに、魯迅を読み直すことにいたしましょう。
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○調査報告 上海社区教育の研究ーこれまでの経過と調査視点
(TOAFAEC「東アジア社会教育研究」bP4、2009年)→■
★10,中・韓・日の研究交流に向けて 南の風2191号、2009年4月1日
上海から帰ってすでに10日近く。自分の上海記録の整理も充分できないまま、同行の皆さんたちでは、お礼状送りや資料共有の努力が始まっています。ご苦労さまです。
上海調査について、ここに書いておきたいことがいろいろありますが、まずは、中・韓・日の相互研究交流のこれからについて。
上海滞在の4日目(18日)夜、豪勢な歓迎晩餐会のあと、葉忠海・呉遵民(華東師範大学)の両先生は、わざわざ当方のホテルに立ち寄って、中国と日本そして韓国との研究交流の進めについて、重要な提案をされました。
一つは、今年いい機会を把えて、上海成人教育協会として日本を訪問したい、上海の地域文化センター(公民館)の動きとも関連し、とくに日本の主要な公民館を訪問し交流したいとのこと。実はこの提案は、昨年にも寄せられたのですが、四川大地震とオリンピック開催の事情が重なり、1年延期されているプロジェクトです。
その席では、8月の社会教育研究全国集会(第49回、信州集会)に合わせて訪日されてはどうか、この集会には韓国(平生教育総連合会)からの参加が予想され、中国と韓国の関係者の出会いと交流の機会にもなりましょう、合わせて松本や川崎等の自治体訪問を企画してみる、といった案を申しあげておきました。
あと一つは、今年度中(冬?)に、中国成人教育協会(全国組織)として、日本と韓国を招いて社区教育・生涯学習の国際的な研究フォーラムを開催したい、時期や規模、内容について具体化していきたいという提案。先般の中国成人教育協会の会合で、国際的な研究交流について積極的な協議がされた模様です。
当夜は、私たち上海訪問団(石井山竜平、内田純一、上田孝典、黄丹青などの皆さん)各位にも同席していただきました。この提案をどう受けとめていくか、関心ある方々とご相談しながら、検討をすすめていきたいと考えています。中国生涯学習研究フォーラムだけでなく、韓国生涯学習研究フォーラムの皆さんを含めて、どうぞよろしくお願いします。
★11,東アジア社会教育・生涯学習法制を考える視点
南の風2193号・南の風2194号 2009年4月5日〜6日
TOAFAEC第150回記念の定例会(2009年5月8日予定)は、「東アジア」第14号編集とも関連させて、「日本社会教育法60年と東アジアの成人教育・生涯学習(平生学習)法制」をテーマにとりあげようということになりました(3月の編集会議等)。ぶんじんが進行役をかって出て、中国は韓民(来日は無理、誌上メール参加か)、日本は上野景三、韓国は李正連、台湾は内田純一等の皆さんに登場していただこうという企画。それぞれにご了解をいただきました。
この第150回記念研究会のテーマをどのように面白く展開させるか。進行役として、法制などあまり関心ないような人たちにも、少し興味をもってもらうような話しの構成を工夫してみたい、と考えています。何よりも事実としての「東アジア」法制の動きが(日本をのぞき)躍動的ですし、またこのテーマに取り組むTOAFAEC
としての力量が試される機会でもあり、ぜひ成功させたいのです。
いくつか考えていること。まず「法制」という固いテーマだけで敬遠しがちな人にも読んでもらえるような語り合いにしたい、また、それぞれの個別的な国・地域のことだけでなく、東アジアが横に連なっている側面に焦点をあてる、相互に共通する課題を語りあい展望を模索しあってていくような、対話的な機会にしたい。やさしく、しかも面白く…。
話しの流れは、最初にテーマをめぐる全体的な状況とこれまでの研究経過について、1970年代の日本社会教育法制研究と1990年代の東アジアへの取り組み、その中で公刊されてきた法制資料や論文など概括的に紹介する。たとえば東京学芸大学社会教育研究室「東アジアの社会教育・成人教育法制」(1993)や、TOAFAEC「東アジア社会教育研究」所収の諸報告など。この機会にリストと年表をつくる。
その上で、中国・韓国・台湾・日本(あるいはベトナムを含めて)の法制化の流れと現状の把握、それぞれの特徴と争点となっていること、これから取り組むべき課題、などを検討していく。最後に、東アジアとして共通する視点を5点ほど提起してみる。せまく限定しないで関連法制を含め、広く課題・展望を共有し、対話を深めていきたい、など。
さきほど(5日夜)深夜の散歩、夜桜を楽しみながら、考えたことを(忘れないうちに)メモしてみました。ご意見いただければ幸い。
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