*ベトナムの地域学習センターについて→                
            
    ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
    国会 法律 第11/1998/QH10 号


    ベトナム教育法 (Bo luat giao duc)
 
                        翻訳:津久井純・坪井未来子
                        
             *末尾に「教育法」改正についてのコメントあり(小林)


 教育法 (Bo luat giao duc)
 教育と養成は国策の最重要課題であり、国家と全国民の事業である。
 教育事業の発展のため、国家の教育管理についての効果を増強し、人民の知的水準の向上、人材の育成、豊な人民、強い国家、平等で文化的な社会という目標のために国家の工業化、現代化に服務し、祖国の建設と防衛の要求に応える人材の育成を目指す。
 ベトナム社会主義共和国1992年憲法にのっとる。
 この法律は教育の組織とその活動について規定する。

第一章 一般規定

第1条 教育法の範囲
 教育法は国民教育システムについて規定する; 国民教育システム、国家行政機関、政治団体、人民武装組織下の学校、その他教育機関、および教育活動に参加する組織、個人。

第2条 教育の目標
 教育の目標は、全面的に発展し、道徳、知性、健康、審美、職業があり、民族独立と社会主義に忠実なベトナム国民を養成すること、および祖国の建設と防衛の要求にこたえられるよう公民の人格、品格、能力を形成し、育成することである。

第3条 教育の性質、原理
 ベトナムの教育は現代的・科学的人民・民族精神を持った社会主義教育であり、マルクス・レーニン主義とホーチミン思想をその基礎とする。
1.教育活動は、学は行とともに、という原則にしたがって実現されねばならず、教育は生産労働と結合させ、理論は実践と密接させ、学校教育は家族教育と社会教育と結合させる。

第4条 教育内容、方法に関する要求
1.教育内容は、基本的で、全面的で、実際的で、現代的で、系統だった性質を保証し、思想教育と公民意識教育を重視し、美しい伝統、特色ある民族文化を保存、発揮して人類の文化的精華を吸収し、学習者の年齢の生理的発展に適合するものでなければならない。
2.教育方法は、学習者の積極性、自主性、主体性、創造性を発揮するもの、また、自習能力、学習意欲、向上心を育成するものでなければならない。
3.学習方法内容は、教育カリキュラムに具現されなければならず、教育カリキュラムは教科書という形に具体化されなければならない。教育カリキュラム、教科書は、各段階、課程、養成レベルに適合し、安定性と統一性を持っていなければならない。

第5条 学校内使用言語
1.ベトナム語は学校内で使用される正式言語である。
2.国は、各少数民族が自らの民族の言語や文字を学習できるような条件を造る。少数民族の言語や文字の教授および学習は政府の規定に従い実現される。

第6条 国民教育システム
 国民教育システムは、以下を含む;
1.保育園、幼稚園の就学前教育。
2.二つの課程、小学校課程と中学校課程を持つ普通教育。中学校課程は二つの段階、基礎中学と普通中学に分かれる。
3.専業中学と職業訓練を持つ職業教育。
4.短大と大学の二つのレベルを教育する大学教育。大学院教育は修士と博士の二つのレベルを教育する。
 教育方式は正規教育と非正規教育を持つ。

第7条 証書について
1.国民教育システム下における証書は各課程、段階もしくは育成レベルを卒業したものに対し、この法律の規定にしたがって交付される。
2.国民教育システム下の証書には、小学校卒業証書、基礎中学校卒業証書、普通中学校卒業証書、専業中学卒業証書、職業訓練証書、短期大学卒業証書、大学卒業証書、修士、博士がある。
3.国民教育システム下における証書は訓練や養成を受け、学問や職業のレベルを向上させた後、学習の結果を確認するもとのして学習者に対して交付される。

第8条 教育の発展
 教育の発展は、経済・社会発展、科学・技術進歩、国防、安寧強化の需要と結びついていなければならない。また、レベル、分野部門、地域に関して、バランスを保持しなければならない。質と効果が保証されている基礎の下で規模の拡大を行わなければならない。育成と使用を結合させなければならない。

第9条 公民の学習の権利と義務
 学習は公民の権利であり義務である。
 すべての公民は、学習機会について、民族、宗教、信仰、性別、出自、社会的地位、もしくは経済的環境に関わりなく平等である。
 国は教育の社会的平等を実現し、誰もが教育を受けられるよう条件を造る。国と地域社会は、貧しい人々が教育を受けられるよう援助し、優秀な人材が才能を発展させることができるような条件を保証する。
 国は少数民族の子弟、経済・社会条件が特に厳しい地域に居住する家庭の子弟、優待政策対象者、身体障害者、およびその他の社会的優先政策対象者が自らの学習の権利と義務を実現するための優先的な条件を造る。

第10条 教育の普及
1.国は教育普及のための計画とレベルを決定し、全国で教育の普及を実現させるための条件を保証する政策を持つ。
2.規定内の年齢の全ての公民は、教育普及レベル達成のため、学習義務がある。
3.教育普及レベル達成のため、家族は、その家族の規定年齢内の構成員が教育を受けられるよう条件を造る責任がある。

第11条 教育の社会化
 全ての組織、家庭、公民は、教育事業に常に心を配り、学習運動や健全な学習環境を整え、学校と協力して教育目標を達成する責任がある。
 国は、教育事業発展、学校形態と教育形式の多様化、組織や個人が教育事業の発展に参加するよう奨励し、動員し、条件を造るための主導的役割を担う。

第12条 教育への投資
 教育への投資は、発展への投資である。
 国は国内の組織、個人、海外定住ベトナム人、海外の組織、個人の教育への投資を優先し、奨励する。
 国家予算が、教育への投資の主要な資金源であることを維持しなければならない。

第13条 教育に関する国家の管理
 国は国民教育システムの目標、カリキュラム、内容、教員の基準、試験制度、証書発行を統一して管理する。

第14条 教員の役割
 教員は、教育の質の保証に、決定的役割を担う。
 教員は絶え間なく学習、訓練に励み、学習者の良き鏡とならなくてはならない。
 国は教員を養成、訓練し、教員が自らの任務を遂行できるよう物質的精神的必須条件を保証する政策を作り、教員を尊び敬う伝統を守り、発揮する。

第15条 科学研究
1.国は、学校が科学技術の研究、応用、普及を行えるよう条件を造る。また国は、教育を科学と生産の研究に結合させ、教育の質と社会への奉仕を向上させることを目指し、地域社会もしくは国の文化、科学、技術の中心としての役割を徐々に担っていくことを目指す。
2.短大、大学、科学研究院、生産組織は、教育や科学研究に協力し、経済・社会発展に奉仕する技術を譲渡する責任がある。
3.国は教育科学の研究、応用、普及を優先して発展させるための政策を有する。教育に関する主張や政策は、科学教育研究の結果を基に作られ、ベトナムの実情に合うものでなければならない。

第16条 学校、その他教育施設内での宗教の布教を行わない
 国民教育システム、国家行政機関、社会・政治団体、人民武装組織の学校その他教育施設内で宗教の布教、宗教的儀式を行わない。

第17条 教育活動悪用の禁止
 国の主張、政策、法律を歪曲し、ベトナム社会主義共和国に反駁し、民族の団結を崩壊させ、暴力を扇動し、侵略戦争を宣伝し、淳風美俗を破壊し、迷信や古い習慣を宣伝し、学習者を社会弊害に導くために教育活動を利用することを禁ずる。


第二章 国民教育システム

第一節 就学前教育

第18条 第18条就学前教育
 就学前教育は、3ヶ月から6歳までの幼児の養育、世話、教育を実現する。

第19条 第19条就学前教育の目標
 就学前教育の目標は、幼児の体力、感情、知恵、美的感覚の発展を助け、人格の最初の要素を形成し、幼児らが一年生に入学する準備をする。

第20条 第20条就学前教育の内容、方法についての要求。
1.就学前教育の内容は、養育、世話と教育を調和させることを保証し、幼児の生理的心理的成長に合うもの、幼児がバランスよく、健康で活発に身体を発達させることを助けるもの、祖父母、両親、先生や目上の人に対して尊敬、敬愛、礼儀を教えるもの、兄弟姉妹、友人を大切にし、正直で、勇敢で、無邪気で、美を愛するもの、向学心があり、勉強に行くことを好むものでなければならない。
2.就学前教育の方法は主に遊びを通して行われ、これは幼児の全面的発展を助ける。手本の提示、応援、激励を重視する。

第21条 就学前教育の組織
 就学前教育は
1.3ヶ月から3歳までの幼児を預かる保育園、保育グループ
2.3歳から6歳までの幼児を預かる幼稚園(学校、クラス)
3.就学前教育学校は保育園と幼稚園が結合したもので、3ヶ月から6歳までの幼児を預かる。

第二節 普通教育

第22条 普通教育
 普通教育は以下の課程を含む:
1.小学校教育は6歳から14歳の児童に対する義務教育であり、1年生から5年生まで5年間の学習期間である。1年生に入学する児童の年齢は6歳である。
2.基礎中学校教育は4年間で、6年生から9年生である。6年生に進学するものは、小学校の卒業証書を有し、11歳に達していなければならない。
3.普通中学校教育は3年間で、10年生から12年生である。10年生に進学するものは、基礎中学校の卒業証書を有し、15に達していなければならない。
 この条の第1項と2項で規定されている年齢よりも高い年齢からの学習開始を許可する場合については、教育訓練省がこれを規定する。

第23条 普通教育の目標
 普通教育の目標は、道徳、知恵、体力、美的感覚、そして社会主義的ベトナム人としての人格形成や公民としての資格と責任の形成のために必要な基本的技能について生徒が全面的に発展させるのを助け、生徒が継続して学習を行うため、もしくは労働生活に入り祖国の建設と防衛に参加するための準備を行うことである。
 小学校教育は、道徳、知恵、体力、美的感覚、そして基礎中学に進学するための基礎的な技能を正しく、継続的に発展させられるよう、生徒の初歩的基本の形成を助けることを目指す。
 基礎中学校教育は、生徒が小学校教育の結果を強化し、発展させる野を助けることを目指す。すなわち、以後普通中学校、専業中学校に進学したり、職業教育を受けたり、労働生活に入ったりするのに必要な基礎的学力レベルがあり、技術や職業に対する初歩的理解があること。
 普通中学校は、生徒が基礎中学教育の結果を強化し、発展させるのを助けることを目指す。すなわち、大学、短大、専業中学校に進学したり、職業教育を受けたり、労働生活に入ったりするための基礎的学力が完成しており、技術や職業に対する通常の理解があること。

第24条 普通教育の内容、方法に対する要求
1.普通教育の内容は、一般的で、基本的で、全面的で、職業指導を含み、系統的でなければならない。また、実際の生活と結びつき、生徒の年齢の心理生理に合い、教育の各段階、各課程の目標に合うものでなければならない。
小学校教育は、生徒に自然、社会、人間の必要性を簡単に理解させ、聞く、読む、話す、書く、計算する、ということに関して基本的な技能を身に着けさせ、体を鍛え、清潔さを保つ習慣をつけさせ、歌、踊り、音楽、美術の初歩を理解させる。
基礎中学校教育は、小学校教育で学習した内容を強化し、発展させなければならない。生徒に、ベトナム語、民族の歴史についての一般的基礎的理解をさせ、社会科学、自然科学、法律、コンピューター、外国語などについての理解をさせ、技術と職業に対する最小限の理解をさせる。
普通中学教育は、基礎中学教育で学習したことを強化、発展させ、普通教育の内容を完成させなければならない。全ての生徒に一般的で、基本的で、全面的で職業志向的な知識を保証することを目指す主要な内容のほかに、生徒の能力を発展させ、希望にこたえるよう、いくつかの科目でハイレベルな内容を必要とする。
2.普通教育の方法は生徒の積極性、自覚性、主体性、創造性を発揮しなければならない。また、各学年、各科目の特徴に合うものでなければならない。自習を補い、知識を実践に応用する力を鍛えるものでなければならない。感情に作用し、生徒に学習に対して喜びと興味を与えるものでなければならない。
3.普通教育の内容と方法は、教育訓練省が規定し、公布する教育カリキュラムとして具現される。

第25条 教科書
1.教科書は各段階、各課程、各学年の教育カリキュラムに規定されている教育目標、原理を体現し、教育内容、方法を具体化していなければならない。
2.教科書は、正式で、統一しており、安定的なものを学校その他教育機関で授業や学習に使用できるよう、国家教科書審定委員会の審定を基礎とした上で教育訓練省が編集、承認を行う。
3.教科書の出版、印刷、発行は国が管理する。

第26条 普通教育を行う機関
 普通教育を行う機関には
1.小学校
2.基礎中学校
3.普通中学校
4.総合技術、就職センター

第27条 普通教育の証書
1.小学校、基礎中学校、普通中学校のカリキュラム全てを学習した生徒で、教育訓練省の定める規定の条件を満たすものは受験資格を得、試験で要求を満たしたものは小学校、基礎中学校、普通中学校の卒業証書が交付される。
2.省に属する郡、町、村(以後まとめて「郡レベル」とする)の教育訓練課長が小学校の卒業証書を交付する。
3.中央直属の省、市(以後まとめて「省レベル」とする)の教育訓練局長が基礎中学、普通中学の卒業証書を交付する。

第三節 職業教育

第28条 職業教育
 職業教育は以下の通り。
1. 職業中学は、基礎中学卒業者に対し、て第3学年度から第4が九年度、中等普通学校卒業者に対して第1学年度から第2額年度にかけて行われる。
2. 職業訓練は、その職に就くにあたり必要な学力と健康を有するものに対して行われる。短期職業教育コースでは、1年未満、長期職業教育コースでは1年から3年行われる。

第29条 職業教育の目標
 職業教育の目標は、労働者が就職口を見つけ、経済・社会発展、国防治安維持の要求に応えられるようにするために、その職業に関するそれぞれのレベルにおける知識、技能を有し、職業道徳や良心、規律意識、工業に求められる労働方法、健康、を有する労働者を育成することである。
 中等専業学校は、その職業に関する知識と技能を備えた中級レベルの技術員、専門職員を育成することを目指す。
 職業訓練は、その職業に関する一般的知識を持った労働者、技術労働者、専門職員を育成することを目指す。

第30条 職業教育の内容、方法に対する要求
1. 職業教育の内容は、その職業に必要な能力を身につけることに集中し、道徳教育を重視し、身体を鍛え、必要に応じて学力を向上させなければならない。
2. 職業教育の方法は、理論抗議と実際的技能訓練を結びつけ、卒業後にその職に就く能力を有することを保障しなければならない。
3. 職業教育の内容、方法は、教育カリキュラムとして確立されなければならない。
 教育訓練省は、中等専業学校教育に関して、関連各省と協力し、内容、科目数、各科目の時間数、理論と実践の割合、実習などについて、その骨子となるカリキュラムを定める。骨子となるカリキュラムを基にし、竜等専業学校は自校のカリキュラムを確定する。
 職業訓練にかかわる国家管理機関が職業教育カリキュラムの開発と実施について定める。

第31条 竜等専業学校、長期職業教育の教程
1. 中等専業学校、長期職業教育の教科書は、教育目標、原理に則り、竜等専業学校および長期職業教育のカリキュラムに規定されている教育内容、方法が具体化されていなければならない。
2. 中号専業学校、長期職業教育の教科書は、講義の資料や、学校での正式な学習に使用するために、校長によって成立される教科書審査委員会の審査を基に、各学校の校長が編集、承認を行う。

第32条 職業教育を行う機関
1. 職業教育を行う機関は次の通り。
a)中等専業学校
b)職業訓練学校、職業訓練センター、職業訓練クラス(以下「職業教育機関」とする)
2. 職業教育機関は独立で、もしくは生産、経営、サービス産業組織やその他の組織とともに組織される。

第33条 職業教育の証書
1. 中等専業学校、長期職業教育のすべてのカリキュラムを学習したもので、教育訓練省の定める規定の条件を満たしたものは受験資格を得、試験で要求に達したものに卒業証書が付与される。
 短期職業教育のすべてのカリキュラム、中等専業学校の職能向上コースのカリキュラムを学習したものは、証明書の交付を受けるために試験を受ける資格を有する。
2. 中等専業学校校長は、中等専業学校卒業証書、職能養成卒業証書、職能証明の交付を行う。職業教育学校校長は職能教育卒業証書、職能証明の発行を行う。

第四節 大学・大学院教育

第34条 大学および大学院教育
 大学および大学院教育は以下の通り。
1. 短期大学レベルおよび大学レベルを養成する大学教育
a)短期大学レベルの養成は、中等普通学校もしくは中等専業学校の卒業証書を有するものに対して3学年度以内行われる。
b)大学レベルの養成は、中等普通学校もしくは中等専業学校の卒業証書を有するものに対して養成分野によって4学年度から6学年度、また、同一分野の短期大学卒業証書を有するものに対して1学年度から2学年度行われる。
2. 大学院教育は修士レベルと博士レベルを養成する教育である。
a)修士レベルの養成は、大学卒業証書を有するものに対して、2年以内の期間行われる。
b)博士レベルの養成は、大学卒業証書を有するものに対しては4年以内、修士を有するものに対しては2年から3年行われる。博士課程の養成期間は教育訓練省の規定に従い、延長される場合がある。
c)大学院教育のいくつかの特別な専門分野においては、政府がこれを具体的に定める。

第35条 大学教育および大学院教育の目標
 大学教育と大学院教育の目標は、政治的、道徳的資質を持ち、人民に奉仕する意識を有し、教育レベルに相当する職業遂行能力を有し、健康で、祖国の建設と防衛の要求に応える人材を養成することである。
 短期大学レベル教育では、学生がある部門について専門知識と実行能力を身につけ、養成された専門分野においては通常の問題を解決できる能力を身につけるのを助ける。
 修士レベル教育では、学習者が、養成された専門分野の理論に習熟し、高い実行能力を持ち、問題発見、解決の能力を身につけるのを助ける。
 博士レベル教育では、研究生高度の理論と実践力、独立して研究を行う能力、創造力、科学技術に関する問題を解決する能力、専門分野を指導して行く能力を身につけるのを助ける。

第36条 大学・大学院教育の内容、方法についての要求
 大学・大学院教育の内容、方法についての要求は以下の通り。
1. 大学教育
a) 大学教育の内容は、現代性と発展性を有していなければならない。また、基礎的な科学的知識と専門知識、マルクス・レーニン主義、ホーチミン思想の間の合理的な整合性を保障しなければならない。美しい伝統、民族文化の特色を継承していなければならない。(東南アジア)地域と世界の一般的な水準に相応するものでなければならない。
 短期大学レベルの養成では、学生が基礎的な科学的知識や必要な専門分野の知識を身につけることを保障する。基本的技能と専門分野における職務遂行能力の訓練を重視する。
大学レベルの養成では、学生が基礎的な科学的知識やある程度完成された専門分野の知識、科学的に業務を行う方法を身につける。理論を専門分野の仕事に適用できる能力を身につけることを保障する。
b) 大学教育の方法は、自習、自主研究能力を養うことを重視し、学習者が創造的に思考する力を伸ばし、実践的な力を磨き、研究、実験、応用に参加できる条件を与えなければならない。
c)大学教育の内容と方法は、教育カリキュラムの形式に確立されなければならず、教育訓練ショウガ各科目の内容、養成期間、基礎科目と専門科目の割合、理論と実践の割合を含む、教育カリキュラムの骨子を定める。骨子のカリキュラムに従い、各短期大学、大学は自校の教育カリキュラムを定める。
2. 大学院教育
a) 大学院教育の内容は、学習者が基礎的な科学的知識、専門知識、マルクス・レーニン主義、ホーチミン思想の各科目を発展、完成させ、創造力を発揮し、専門分野の問題発見および解決する力を発揮できるようになるのを助けるものでなければならない。また、国家の科学、技術、経済・社会の発展に貢献する力を身につけるのを助けるものでなければならない。
 修士レベルの養成は、学習者が大学レベルの知識を向上させ、学際的知識を増強させ、専門分野での実践力と科学研究能力を身につけることを保障するものでなければならない。
 博士レベルの養成は、研究生が基礎的な科学的知識を向上、完成し、専門分野について深い理解を持ち、独立して科学研究や専門分野で創造的に仕事を行うことができる能力を身につけることを保障しなければならない。
b)修士レベルの養成方法は、教室内での学習と自習、自主研究を組み合わせて行われる。専門的な問題についての実践力、発見・解決する力を発揮することを重視する。
 博士レベルの養成方法は、指導者、研究者の指導の元手の自習、自主研究が中心となる。科学研究の習慣を身につけることを重視し、専門的な問題を発見、解決していく中で、創造的な思考能力を発展させることを重視する。

第37条 短期大学・大学の教程
1. 短期大学・大学の教科書は短期大学・大学の教育カリキュラムに規定されている教育目標、原理に則り、教育内容、教育方法を具体化したものでなければならない。
2. 国家は、各短期大学、大学が、必要な教程骨子を保持することを保障するような政策をもつ。
3. 教育訓練省は、各短期大学、大学が、共通で使用する教科書の編集と承認に責任を持つ。各短期大学・大学の専門分野ごとの教科書は、校長によって設置される教科書審査委員会の審査の下、各大学・短期大学の校長が編集、承認を行う。

第38条 大学教育・大学院教育を行う機関
1. 大学・大学院教育を行う期間は以下の通り。
a) 短期大学レベルの養成をする短期大学
b)短期大学・大学レベルを養成する大学。政府首相の委任を受けた場合は、修士、博士を養成する。
c)各種大学の具体的なモデルは政府が定める。

第39条 大学・大学院の修了証書
1. 短期大学のすべてのカリキュラムを修了し、教育訓練賞が定める規定を満たすものは、試験の受験資格を得、試験で要求を満たしたものに対し、短期大学卒業証書を交付する。大学のすべてのカリキュラムを修了し、教育訓練省が定める規定を満たすしたものは、試験の受験資格もしくは論文審査資格を得、要求を満たしたものに対し、大学卒業証書を交付する。
 技術分野の卒業資格は、技師と予備、建築は建築士とする。医学分野は医師、薬剤師。基礎科学、師範学、法学、経済学は学士とする。その他の分野は大学卒業証書とする。
2. 修士課程のカリキュラムをすべて修了し、きょういく訓練省が定める規定を満たすものは、論文審査資格を得、要求を満たしたものに対し、修士号を付与する。
博士課程のカリキュラムをすべて修了し、教育訓練省が定める規定を満たすものは論文審査資格を得、要求を満たしたものに対し、博士号を付与する。
3. 教育訓練大臣が博士号を付与する。修士号、大学卒業証書、短期大学卒業証書については、そのレベルの教育を許可された学校の校長がこれを交付する。
4. いくつかの特別な分野の大学院修了証書に関しては、政府がこれを定める。

第五節 ノンフォーマル教育

第40条 ノンフォーマル教育
 ノンフォーマル教育は、人々の生活の質の向上、就職、社会生活への適応に資することを目的とし、人格を高め、知識を広げ、学習到達度および職業技術をを向上させることを目指し、あらゆる人が働きながら学ぶこと、学び続けること、生涯にわたって学ぶことを支援する。

第41条 ノンフォーマル教育の内容、方法に関する要求
1. ノンフォーマル教育は以下のカリキュラムにおいて提供される。
a) 識字と識字後教育プログラム
b) 補足的な訓練、定期的な訓練、技能向上訓練、知識の提供プログラム
c) 学習者の要求に応える教育プログラム
d) 在職教育、通信教育、指導に基づく自習形式による学校教育のイクイバレンシープログラム
2. 本条第1項のa)、b)、c)に定められる各プログラムの教育内容は、学習者の労働、生産活動、生活改善の力を実際に向上させるものでなければならない。本条第1項d)に定められるプログラムは、教育訓練省の規定に正しくしたがって実施されなければならない。
3. ノンフォーマル教育の方式は学習者の主体性を活性化させ、経験を広げるものでなければならない。自習能力を養うことを重視しなければならない。

第42条 ノンフォーマル教育を行う機関
1. ノンフォーマル教育を行う機関は次の通り。
a)継続教育センター
b)ノンフォーマル教育はさらに、普通学校、中等専業学校、職業教育機関、短期大学、大学、またマスメディアを通して行われる。
 ノンフォーマル教育を行う正規教育機関は、本業の教育任務を遂行しなければならない。

第43条 ノンフォーマル教育の修了証明、資格
1. この法律の第41条第1項d)に規定した教育カリキュラムを学ぶ学習者で以下の条件を満たしているものは卒業証書を得るための試験を受けることができる。
a) 同等レベルの学校教育段階、教育課程の審査権を持っている教育機関に登録していること。
b) カリキュラムをすべて修了し、学習到達試験で要求を十分満たしており、教育訓練省の定める受験資格を満たしていることを、登録教育機関が認めていること。
2. この法律の第41条第1項a)、b)、c)に定める教育プログラムすべて修了した学習者で、教育訓練省が規定する条件を満たしていれば学習到達試験を受けることができる。要求を満たせば、ノンフォーマル教育証明書が交付される。
3. この法律の第41条第1項d)に定める教育プログラムをすべて修了した学習者で、教育訓練省の定める条件を満たしていれば、試験を受けることができる。要求を満たせば、ノンフォーマル教育方式卒業証書が交付される。この証書には「学習形式による」という但し書きが加えられる。正規教育卒業試験に規定を満たしていれば、この試験を受けることができ、この要求を満たせば、正規教育の卒業証書が交付される。
4. ノンフォーマル教育の証明書の交付審査権は、正規教育の卒業証書交付審査権と同様である。
5. 継続教育センター所長は、ノンフォーマル教育の卒業証明を交付する。


第三章 学校とその他の教育機関

第一節 学校の組織、活動

第44条 国民教育システム内の学校
1. 国民教育システム内の学校は教育事業開発のために国家の企画、計画に基づいて設置され、また、公立、半公立、民立、私立の形式に基づいて組織される。
 公立、半公立、民立、私立各類型に属す学校はどれも、政府による分配、委譲に基づいて、教育管理機関による国家管理を受ける。
 国家は、公立学校が国民教育システム内の主要な役割を果たすように条件をつくる。組織、個人が社会の学習要求にこたえて民立、私立学校を開校することを奨励する。
2. この法律の規定に準拠し、政府は学校の各類型における組織、活動について具体的に定める。

第45条 国家行政機関の学校、政治組織の学校、政治社会組織の学校、人民武装勢力の学校
1. 国家行政機関の学校、政治組織の学校、政治社会組織の学校は、幹部と公務員の養成の任務を担う。人民武装勢力の学校は、士官、下士官、職業軍人、国防労働者を養成、再教育し、国防と治安の知識と任務について、国家管理幹部と指導者を養成、再教育する。
2. 政府は、本条の1に規定された学校に対し、この法律を実現するために具体的に定める。

第46条
1. 学校は、政府の規定に基づいた管理幹部、教師、校舎、設備、財政の各条件を満たしたとき、この法律の第47条に定められたことを審査する国家機関によって学校の設置が決定される。
2. 政府は短期大学、大学の設置手続きを定める。教育訓練省は、国民教育システム内のその他の学校についての設置手続きを定める。

第47条 設置審査権、活動停止、学校の統合、分校、廃校
1.学校設置審査は次のように定められる
a) 郡レベル人民委員会主席は幼児教育学校、幼稚園、小学校、中等基礎学校、半寮制民族普通学校の設置を決定する
b) 省レベル人民委員会主席は、中等普通学校、全寮制民族普通学校、省立中等専業学校、省立職業訓練学校の設置を決定する。
c) 大臣、部門省に同等の機関と政府直属機関の長は直属の中等専業学校と職業訓練学校の設置を決定する
d) 教育訓練省大臣は、短期大学、大学予備学校の設置を決定する
d) 政府首相は大学の設置を決定する
2. 設置決定の審査権を持つ機関は、その機関が、活動の停止、学校の統合、分校、廃校の決定権を持つ。
 政府は活動の停止、学校の統合、分校、廃校の手続きについて具体的に定める

第48条 学校条例
1. 学校はこの法律と学校条例の規定に基づいて組織され、活動する
2.学校条例は次の主要な内容で構成されなければならない
a) 学校の任務と権限
b) 学校内の教育活動組織
c) 教師の任務と権利
d) 学習者の任務と権利
d) 学校の組織と管理
e) 学校の施設、設備
g) 学校、家庭、社会の関係
3.政府首相は、大学条例の公布を決定する。教育訓練大臣はその他の学校条例の公布を決定する。

第49条 校長
1. 校長とは学校活動の管理責任を負う人であり、国家機関によって選任、公認される。
2. 国民教育システム内の学校長は学校管理について専門的に養成、再教育を受けなければならない
3. 校長の基準、任務、権限および、短期大学・大学の校長の選任と公認手続きは政府首相によって決定される。他の学校に対しては教育訓練大臣が定める

第50条 学校内の諮問評議会
1. 学校内の諮問評議会は校長によって設置され、学校長がこの法律の規定に基づく学校の任務、権限を実施するための諮問を行う。幼児教育学校、幼稚園、小学校、中等基礎学校、中等普通学校の諮問評議会は、教育評議会と呼ぶ。中等専業学校、職業訓練学校においては、養成評議会と呼ぶ。短期大学、大学においては、科学・養成評議会と呼ぶ
2. 本条の1に言及した各諮問評議会の組織と活動は学校条例に定められる

第51条 学校内共産党組織
 学校内ベトナム共産党組織は、憲法と法律の範囲内で学校と活動を指導する

第52条 学校内団体、社会組織
 学校内団体、社会組織は法律の規定に基づいて活動する。また、この法律の規定に基づいて教育目標の実現に貢献する責任を負う

第二節 学校の任務と権限

第53条 学校の任務と権限
 学校は次の任務と権限を持つ
1. 教育目標、カリキュラムにしたがって、授業、学習、教育活動を組織する
2. 教師、幹部、職員の管理
3. 入学者選抜と学習者の管理
4. 法律の規定に基づいた土地、校舎、設備、財源の使用と管理
5. 教育活動における学習者の家族、組織、個人との連携
6. 教師、幹部、職員、学習者が社会活動に参加するよう組織
7. 法律の規定に基づいたその他の任務と権限

第54条 科学研究、社会奉仕における中等専業学校、短期大学、大学の任務と権限
1. この法律の第53条に定めた任務の他、中等専業学校、短期大学、大学は次の任務を担う
a) 科学研究、科学技術の応用、開発を行い、地方と国家の社会経済問題の解決に参加する
b) 法律の規定に基づき、養成している部門にしたがって、科学研究、技術移転、生産、経営サービスを行う
2. 本条の1に定めた任務を実行するとき、中等専業学校、短期大学、大学は次の権限を持つ
a) 国家から土地を渡される。法律の規定に基づき、土地を借り、税を減免され、信用から借りる
b) 経済、教育、文化、体育、スポーツ、医療、科学研究組織と提携して教育の質を高め、要請と雇用をつなぎ、社会経済開発事業に従事し、学校の財源を補充する
c) 法律の規定に基づいて、学校の設備建設に投資し、生産・経営を拡大し、教育活動に支出するために収益活動からの利益を使用する

第55条 短期大学、大学の自主権と自己責任
 短期大学、大学は次の活動において法律の規定と学校条例に基づき自主権を与えられ、自己責任を負う
1. 養成が許可されている分野についてのカリキュラム、教程、教授・学習計画の作成
2. 教育訓練省の指標に基づいた入学者選抜の実施、審査権に基づいた養成コースの組織、卒業の公認と証書の交付
3. 学校機構の組織
4. 教育目標実現のための人材の動員、管理、使用
5. 政府の規定に基づく国国内外の経済、教育、文化、体育、スポーツ、医療、科学研究組織との協力

第三節 特別学校の種類

第56条 全寮制民族普通学校、半寮制民族普通学校、大学予備学校
1. 国家は、少数民族の子弟、社会経済条件の特別に困難な地域に長く住む子弟のために、全寮制民族普通学校、半寮制民族普通学校、大学予備学校を設置し、その地域のための幹部養成に貢献する
2. 全寮制民族普通学校、半寮制民族普通学校、大学予備学校は教員、設備、施設、予算を優先して配分される

第57条 専門学校、選抜学校
1.重点学校は、中等普通学校レベル学習の結果が優秀な生徒のために設置され、普通教育の、全面的教育の基礎の上に特定の教科について生徒の才能を開発する
2. 芸術、体育、スポーツ選抜学校はこの領域における生徒の才能を開発するために設置される
3. 国家は、専門学校、選抜学校のために教員、設備、予算を優先して配分する。教育訓練省は他省、関連分野と連携し、この学校について教育カリキュラム、規制を公布する

第58条 障害者のための学校、クラス
 国家は障害者のための学校、クラスを設置し、組織、個人がこれらを設置するのを奨励し、対象者が機能を回復し、文化、職業を学び、地域社会に和合することを促す

第59条 教養学校
1. 教養学校は、法律に違反した未成年が訓練し健全に成長し、善良な人間になり、社会生活に参加できるように教育する任務を担う
2. 公安省は、教育訓練省、労働傷兵社会省と連携してこの学校の教育カリキュラムを決定する責任を負う

第四節 他の教育機関の組織、活動

第60条 他の教育機関
 この法律に準拠し、政府は他の教育機関の組織活動、設置について具体的に定める


第四章 教師

第一節 教師の任務と権利

第61条 教師
1. 教師とは、学校・その他の教育組織において、教授、教育の任務を担うものである。
2. 教師は、以下の基準を満たさなければならない
a) 品格、道徳、思想がよい
b) 専門に関する養成を受け基準に達している
c) 職業に必要な健康を有する
d) 本人の履歴が明確である
3. 幼稚園教育、普通教育、職業教育の組織で教える教師を教員giao vienと呼ぶ。大学教育と大学後教育で教える教師を講員giang vienと呼ぶ

第62条 教授、副教授
 教授、副教授は、大学と大学院教育で教授し養成する教師の職名である。
 政府は教授と副教授職の選任と免職の基準、手続きを定める。

第63条 教師の任務
 教師は次の任務を担う
1. 教育の目標、原理、カリキュラムにしたがって教育、授業する
2. 公民の義務、法律と学校条例の規定義務を実行する模範となる
3. 教師の品格、威信、名誉を保つ。学習者の人格を尊重し、学習者には公平に対処し、学習者の正当な権利と利益を保護する。
4. 学習、訓練をやめず、品格、専門レベルを高め、学習者の模範となる
5. 法律の規定に基づいた他の任務

第64条 教師の権利
 教師は次の権利を持つ
1. 養成する専門分野について授業できる
2. 専門についてレベルを高める養成、再教育することができる
3. 学校で指導を受けたり科学研究する契約を結べる。学校が任せたプログラムや計画を十分に実施するために研究できる
4. 教育訓練省が定める夏休み、旧正月休み、学期末休みを休める
5. 他の権利は、法律の規定に従う

第65条 指導要請
1. 学校とその他の教育組織は、この法律の、第61条の2の規定を満たす人を講義のために招聘することができる。
2. 招聘される者は、この法律の第63条に定めた任務を行わなければならない
3. 招聘される者が幹部、公務員であるときは、自分の職場の任務を終わらせる保証がなければならない

第66条 ベトナム教師の日
 11月20日はベトナムの教師の日である。

第二節 教師の養成と再教育

第67条 教師養成の基準レベル
1. 教師養成の基準レベルは次のように定められる
a) 幼稚園教員、小学校教員に対しては、中等師範学校の卒業資格
b) 中等基礎学校教員については師範短期大学ca卒業資格
c) 中等普通学校教員については、師範大学卒業資格
d) 文科系、技術、職業教科については、師範短期大学またはその他の短期大学卒業資格。職業訓練校における実習指導教員については、職業訓練学校卒業資格、芸士、技術員、熟練した技術労働者
e) 中等専業学校教員については、師範大学または他の大学の卒業資格
f) 短期大学または大学の講師については、大学卒業以上の資格。修士コースの養成者については修士以上の証明。博士養成者については、博士証明
2. 教育訓練省はレベルを満たしていない教師を、選抜、再教育、雇用について定める。

第68条 師範学校
1. 師範学校は、国家によって教員、教育幹部の養成、再教育するために設置される
2. 師範学校は、教師の選抜、管理幹部の配置、設備投資、養成経費給付において優先される
3. 師範学校は、寮と校舎または実習施設を持つ

第69条 短期大学、大学教師の養成
 短期大学と大学教師の養成は次の学生の選抜を優先する形式で行う。「良kha」「優gioi」で卒業し、品格に優れ、大学、大学後教育のレベルを持ち、実践活動の経験を持ち、専門や、師範職について教師になり養成を続ける希望を持つ学生

第三節 教師に対する政策

第70条 専門、業務の再教育
 国家は、教師のレベルの向上と標準化のために専門を再教育する政策をとる。
 レベルをあげ、専門の再教育をうける学習のために選抜された教師は政府の規定に基づいて給与、補助金を受ける。

第71条 給与
1. 教師の給与体系レベルは国家の行政事業体系の内もっとも高いもののうちの一つである。
2. 教師は政府の規定に基づいて職業補助金とその他の補助金を受ける

第72条 特別な学校、特別に困難な社会経済条件の地域にある学校の教師、教育管理幹部に対する政策
1. 重点学校、優秀学校、全寮制民族普通学校、半寮制民族普通学校、大学予備学校、障害児のための学校、教養学校、その他特別な学校の教師と教育管理幹部は、政府の規定に基づいて補助金とその他の優遇政策を受ける。
2. 社会経済条件の特別に困難な地域の教師と教育管理幹部は、各レベル人民委員会から住居を得、政府の規定に基づいて補助金とその他の優遇政策を受ける
3. 国家は、社会経済状況が特別に困難な地域の教師を交代させる政策を持つ。国家は、有利な地域の教師が、社会経済状況の特別に困難な地域へ赴くことを奨励し、優遇する。また、これらの教師が安心して仕事ができるような条件をつくる。


第五章 学習者

第一節 学習者の任務と権利

第73条 学習者
1. 学習者とは、国民教育システムの学校またはその他の教育機関で学習を行っているものである。学習者は以下の通り
a) 幼児教育学校の子ども
b) 普通教育、実業教育、職業訓練の学校の生徒
c) 短期大学、大学教育の学校の学生
d) 修士養成機関の院生
e) 博士養成機関の研究生
f) 非正規教育課程で学ぶ学員
2. この章内の規定はただ、本条の1のb、c、d、e、fに言及される学習者においてのみ適用される
3. この法律の規定に準拠し、政府は、幼児教育学校の子どもに対して、その権利と政策を定める。

第74条 学習者の任務
 学習者は次の任務をもつ
1. 学校、他の教育機関のカリキュラム、教育計画にしたがって学習、訓練任務を実現する
2. 教師、管理幹部、労働者、学校または他の教育機関内の職員を尊敬する。国家の法律を遵守する。学校の校則、規約を守る。
3. 労働、年齢・健康・能力に応じた社会活動に参加する
4. 学校、その他の教育機関の財産を維持する
5. 学校、その他の教育機関の伝統を築き、保持し、発揮する

第75条 学習者の権利
 学習者は次の権利を持つ
1. 学校、他の教育機関から尊重され、平等に扱われ、自らの学習についての十分な情報を提供される
2. 教育訓練省の規定に基づき、就学年齢前からの学習、飛び級、カリキュラム時限を短縮した学習、留年しての学習をすることができる
3. 法律の規定に基づき、学校、他の教育機関内の社会団体・組織の活動に参加する
4. 学校、他の教育機関内の設備や手段を学習・文化・体育スポーツ活動のために使用する
5. 直接または自らの合法的な代表者を通して、学習者の正当な権利と利益を守り、学校建設に貢献する方法を、学校・その他の教育機関に対して建議することができる
6. 「優」の成績で卒業し、道徳に優れるものは、国家機関への選抜・雇用において国家の優先政策を受ける
第76条 短期大学、公立大学の学習者の任務
1. 短期大学、公立大学を卒業したもの、外国の大学課程、大学院課程で学んだもので、国家の奨学金を受けるか、国家の協定に基づいた外国援助を受けた者は、国家の期限付き労働割り当てにしたがわなければならない。これにしたがわない場合は、奨学金、養成費用を返還する。
2. 政府は、国家が審査権を持つ国家機関での労働割り当ての期間、国家分業割り当ての待機時間、本条の1に定めた奨学金と養成費用の返済について具体的に定める。

第二節 学習者に対する政策

第77条 奨学金、社会補助金
1. 国家は、職業訓練学校、大学、大学院において「良」以上の成績を修めた学習者に対して、学習奨励奨学金を給付する制度をつくる。また、指名選抜された学生、大学予備学校の生徒、全寮制民族普通学校、傷痍兵と障害者のための職業訓練校の生徒に対して、社会保障奨学金を給付する
2. 国家は、社会保障対象者、特別に社会経済条件の困難な地域の少数民族、身寄りのない孤児、経済的に困難な障害者、経済的に学習環境が特別に困難なものに対して補助金給付、学費の減免の政策を持つ。
3. 師範部門と師範職養成課程の生徒、学生は学費を納める必要がなく、本条の1と2で定めた奨学金、社会補助金を受けるにあたって優先される。
4. 国家は、法律の規定に基づいて学習者に対して奨学金を給付または補助する組織、個人を奨励する

第78条 指名選抜制度
1. 国家は、社会経済状況の特別に困難な地域の子弟に対し、その地域の幹部と選抜公務員を養成するために指名選抜制度を大学と中等専業学校入学選抜において実施する
2. 指名選抜制度によって学習したものは卒業後、指名を審査した国家機関の労働割り当てにしたがわなければならない。最低労働期間は、通った学校がある省レベル人民委員会が定める。この労働割り当てと労働配置にしたがわない場合は、学習者は奨学金と養成費用を政府の規定に基づいて返還する
3. 指名選抜制度に基づいて指名をする機関とその直接の受け入れ機関は、規定の基準に正しく、氏名選抜と受け入れを行わなければならない。指名をする機関が、その指名選抜者の卒業後の配置と受け入れについて責任を負う。

第79条 教育信用
 職業教育学校、大学、大学院の学習者で経済的に困難なものは銀行による教育信用基金から学習のための費用を貸与される。
第80条 生徒、学生のための公共サービスの減免
 生徒、学生は、公共の医療、交通を使用するとき、娯楽、博物館・歴史史跡・文化遺跡の見学時に政府の規定に基づいた減免制度を受ける。


第六章 学校、家族および社会

第81条 学校の責任
 学校は、教育の目標と原理を実現するために課程と社会との連携を主導的に行う責任を負う

第82条 家庭の責任
1. 父母または保護者は、子どもまたはその保護を受ける者が学習、訓練し学校の活動に参加できるよう、養育し、条件をつくり、常に気を配る責任を負う
2. 家庭内のすべてのものは、文化的な家庭の建設に責任を負い、子どもたちの道徳、知恵、身体、美的感覚の全面発達に有利な環境をつくる責任を負う。大人は学校とともに、教育の質と効果を高めるよう、教育責任を負い、子どもの模範となる。

第83条 生徒の父母または保護者の権利
 生徒の父母または保護者は次の権利を持つ
1. 子どもまたは保護を受ける者の学習、訓練結果を知らせるよう学校に要求する
2. 学校の計画に基づいた教育活動に参加する。学校が組織した父母または保護者活動に参加する
3. 子どもまたは保護を受ける者の教育に関連する問題について合法的に解決するよう学校、教育管理機関に要求する

第84条 社会の責任
1. 国家機関、政治組織、政治社会組織、社会組織、社会職業組織、経済組織、人民武装組織およびすべての公民は次の責任を負う
a) 学校が教育および研究活動を組織するよう助ける。教師と学習者が参観、実習、科学研究するための条件をつくる
b) 学習運と整った教育教科環境の建設に貢献し、青年、少年、児童に悪影響のある活動を阻止する
c) 学習者が楽しく遊び、文化活動を行い、体育、スポーツを行う条件整備をする
d) 自分の可能性に応じて教育事業のために、人的資源、資金、物的資源を提供する
2. ベトナム祖国戦線、祖国戦線の構成組織はすべての人民を教育事業に常に気を配るよう動員する責任を負う
3. ホーチミン共産青年団は青年、少年、児童の学校と連携する責任を負う。学習、訓練における模範としての青年団員、青年の運動を行い、教育事業の開発に参加する。

第85条 奨学基金、教育補助基金
 国家は法律の規定に基づいて組織、個人が奨学基金、教育活動補助基金を設立することを奨励する


第七章 教育についての国家管理

第一節 教育についての国家管理内容と国家管理機関

第86条 教育についての国家管理内容
 教育についての国家管理内容は以下の通り
1. 教育の戦略、企画、計画、開発政策を立案し実施を指導する
2. 教育についての法律規範文書を公布し、実現させる。学校条例を公布する。他の教育機関の組織と活動についての規定を公布する
3. 教育の目標、カリキュラム、教育内容を定める。教師の標準化を行う。学校設備の規格化を行う。教科書、教程の編集、出版、印刷を行う。選抜試験と資格授与を定める
4. 教育管理機構を組織する
5. 教師、教育管理幹部の養成、再教育について組織、指導する
6. 教育事業開発のための人的資源を動員、管理、使用する
7. 教育部門内の科学研究の組織、管理
8. 教育についての国際協力の組織、管理
9. 教育事業に対して多くの功績を挙げた者に対し栄誉称号を授与する規定を設ける
10. 教育についての法律執行に関する監査、点検を行う。教育についての上申された件、訴訟を解決し、違法行為について処分する。

第87条 教育に関する国家の管理機関
1. 政府は教育に関する国家管理を統一する
 政府は、全国規模の公民の学習権と義務に影響のある大きな主張や、学校段階と教育課程のカリキュラムについて変更する主張を決定する前に国会に説明する。毎年教育活動と教育予算編成について国会に報告する
2. 教育訓練省は政府に対して、教育に関する国家管理の実施責任を負う
3. 各部門省、部門省に同等の機関、政府直属機関は政府の規定に基づく教育に関する国家管理の責任を負う
 政府は、各部門省、部門省を横断する機関、政府直属機関が、教育に関する国家管理を統一するために、教育訓練省との連携についての具体的な責任を定める
4. 各レベル人民委員会は、政府の規定に基づいて地方の教育に関する国家管理を実施する

第二節 教育への投資

第88条 教育への投資の財源
 教育への投資の財源は以下の通り
1. 国家予算
2. 学費、学校建設費、学校におけるコンサルティング活動、技術提供、生産、経営、サービスからの収益、法律の規定に基づく国内外の組織、個人からの補助金

第89条 国家予算からの教育支出
1. 国家は、教育予算への分配を最優先し、教育事業の発展要求に従って教育への国家予算の支出割合を徐々に上がるよう保障する
2. 教育への国家予算からの支出は、公開、民主集中の原則、教育規模に準拠し、地域の経済社会状況に基づいて、経済社会状況の特別に困難な地域に対しての国家の優遇政策を反映させて、分配される。
3. 財政機関は、教育経費について、充分で、期限を守り、学年の進度に応じて支給する責任を負う。教育管理機関は法律の規定に基づき、支給された教育予算と他の収益を効果的に管理、使用する責任を負う。

第90条 学校建設投資の優先
 各部門省、部門省に同等の機関、政府直属機関、各レベル人民議会と人民委員会は、地域の社会経済開発計画において、学校建設を委託し、教育のための体育・スポーツ・文化・芸術施設建設を土地使用企画・計画と建設計画に盛り込み、学校・寮建設に対して優先的に予算を配分する責任を負う。

第91条 教育への投資の奨励
1. 国家は、組織、個人が教育へ寄付、援助することを奨励し、その条件をつくる。企業の教育への寄付、援助金は、企業の経費として計上できる。企業、個人の寄付金は政府の規定に基づいて課税対象額に計上されない
2. 経済組織における、私設の学校・養成クラス開設、学校・科学研究院と連携した養成、養成を受けるための研修派遣、自組織の需要に基づく新技術導入、の支出は生産、経営、サービス支出として計上できる
3. 学校・その他の教育機関は政府の規定によって、土地使用権、信用貸し、減税の優先をうける
4. 教育に奉仕するための施設建設投資あるいは教育事業の発展のために資金援助または現物援助をした組織ないし個人は、それに相応しい形式で記録される

第92条 学費、受験料、学校建設費
1. 学費、受験料は、教育活動を保障するために、学習者の家族または本人が納めるものである。公立小学校の学費は納める必要がない
 政府は学費体系を設け、貧しい人と社会政策対象者への減免を行う非平均原則に基づいて、すべての類型の学校、教育機関に対して学費の集金と使用の規制を設ける
 省レベル人民評議会は、政府が定めた学費と受験料体系に準拠し、同レベルの人民委員会の提案を参考にして、省内の学校と他の教育機関へ具体化する。
 教育訓練省、財務省は学費についての政府の規定の準拠し、中央直属の学校と教育機関の学費、受験費の集金と使用の指導を行う。
2. 各レベル人民委員会は、教育開発の需要、地域の経済状況、人民の拠出能力に準拠し、人民の意見をくみ、同レベルの人民委員会の意見を参考にして、学校建設費の額を定める。
第93条 教科書の出版、教材、遊具の生産に対する優遇税制
 国家は、教科書、教程、教材出版、設備、教材、子どものための遊具の生産供給、著書、新聞、資料、教材、学校・他の教育機関内で使う研究設備、の輸入について、税の優遇税制を持つ

第三節 教育に関する国際関係

第94条 教育についての国際関係
 国家は独立尊重、国家主権、各国間の平等かつ相互利益の原則に基づいて教育に関する国際関係を拡大、発展させる。

第95条 外国との教育に関する協力の奨励
1. 国家はベトナムの学校やその他の教育組織が、外国の組織、個人、在外ベトナム人と、授業、学習、科学研究において協力することを奨励し、条件をつくる。
2. 国家はベトナム公民が、自費または国内の組織や個人の資金と外国の組織・個人の援助によって、外国へ赴き学習、授業、研究、学術交流をすることを奨励する。
3. 国家は、祖国建設と防衛事業に従事する主要な領域において、資質、道徳、研究水準の基準を満たしたものを選抜して留学させるための経費を用意する。

第96条 ベトナムとの教育に関する協力の奨励
1. 外国の組織・個人、国際機関、在外ベトナム人はベトナム国家によって、ベトナムにおける教育について、授業、学習、投資、援助、協力、科学技術の導入、技術移転を奨励され、条件をつくられる。また、ベトナムの法律とベトナム社会主義共和国が署名または参加している国際条約に合法的権利と利益を保護される。
2. 在外ベトナム人、海外の組織・個人、国際機関によるベトナム領土内の学校と他の教育組織の開設、養成は、政府が定める。

第97条 海外の資格の公認
1. 外国が認めたベトナム人の資格の公認に関しては、教育訓練省とベトナム社会主義共和国が署名または参加している国際条約に基づいて行われる。
2. 教育訓練大臣は、各国・各国際機関のものに同等な資格の協定を結び、また同等な資格を公認する責任を負う。

第四節 教育監査

第98条 教育監査
 教育監査とは、教育に関する専門部門監査である。教育監査の組織と活動は政府によって定められる。

第99条 教育監査の任務
 教育監査は次の任務をもつ
1. 教育についての法律の執行を監査
2. 目標、計画、カリキュラム、内容、教育方法、専門規制の実施を監査。選抜、資格・証明授与規制を監査。教育組織における教育の質を保障する条件についての規定の実施を監査
3. 教育活動について上申、告発された事項の解決のため、確定、結論付け、建議する。審査権を持つ国家機関に、教育についての法律違反の処分を建議する。
4. 教育についての法律施行を保証する方法を建議する。教育についての国家の政策と規定の修正、補足について提案する。

第100条 教育監査の権限
 監査を実行するとき、教育監査は次の権限を持つ。
1. 当事者と関係者に資料を提供すること、監査に直接関係し、必要な問題について証拠や質問に答えることを要求する
2. 監査記録を作成し、違反に対する解決法を建議する
3. 阻止するための方法を適用し、法律に従って違反を処分する

第101条 教育監査の責任
 監査を実行するとき、教育監査は次の責任を持つ
1. 監査決定状と監査員証を提示する
2. 監査の手順と手続きに従って行う。通常の教育活動を邪魔せず干渉しない。教師と学習者の合法的利益を侵害しない。
3. 監査結果について審査権のある期間に報告し、解決法を建議する。
4. 法律を遵守し自らの行為と決定のすべてにおいて、審査権を持つ国家機関に対して責任を負う。

第102条 監査対象の権利
 教育監査が監査を行うとき、監査の対象は次の権利を持つ
1. 監査員に対し、監査決定状と監査員証の提示と、監査についての法律に則って監査を要求する
2. 監査決定について審査権を持つ国家機関に対し、監査員の行為と、自らが同意できない監査結果について上申、告訴、立件する
3. 監査団または監査員によって、処分が非合法的に行われたことの損害賠償を要求する

第103条 監査対象の責任
 教育監査が監査を行うとき、監査対象は次の責任を負う
1. 監査団、監査員の要求を実行する
2. 監査が任務を行えるよう協力する
3. 法律の規定に基づく監査団、監査員の処分決定を執行する


第八章 褒賞と違反処分

第104条 「人民教師」、「優秀教師」称号の付与
 教師、教育管理幹部、教育研究幹部のうち法律の規定に基づく基準を満たすものには、国家が人民の教師、優秀教師の称号を付与する。

第105条 教育に関する業績を上げた組織、個人に対する褒賞
 教育事業に貢献する業績を多く修めた組織、個人は、法律の規定に基づく褒賞を受ける。

第106条 学習者に対する褒賞
 学習、訓練において業績を修めた学習者は、学校、他の教育組織、教育管理機関から褒賞を受ける。特別に優秀な業績を上げた学校は法律の規定に基づき褒賞を受ける。

第107条 名誉進士称号の付与
 国際的に名声のある政治・社会活動家;ベトナムの教育・科学事業に多くの貢献をした外国に住むベトナム人教師、科学者、または外国人は、政府の規定により大学から名誉進士の称号を与えられる。

第108条 違反対処
 次の行為を行ったものは、その違反の性質と程度にしたがって、行政処分、罰則または刑事責任を追及される。重大な違反の場合は法律の規定に従って賠償される。
1. 法律に反する教育組織を設置
2. 学校または教育組織の組織、活動について規定に違反
3. 故意に規定された教育カリキュラムの内容を増やしたり減らしたりする。教育内容を歪曲する。
4. 法律に反する教科書を出版、印刷、発行する
5. 書類の偽造、選抜・入試・資格と証明の授与についての規制の違反
6. 教師の品性を冒す;学習者を虐待、いじめる
7. 学校または他の教育組織内の安全と秩序を乱す
8. 誤った目的に教育の経費を使い、経費を縮小させる。規定に反して教育活動を利用して集金する。
9. 学校または他の教育組織の設備を損害する
10. 他の教育についての法律違反行為


第九章 施行条項

第109条 施行効力
 この法律は、19996月1日より効力を持つ。この法律に反するこれまでの規定はすべて無効である。
第110条 施行指導
 政府はこの法律の施行細目の指導を行う。

 この法律はベトナム社会主義共和国国会第10期、1998年12月2日木曜日会議で可決された。

 国会主席 Nong Duc Manh 署名







 <参考・追記> 南の風第1508号(2005年8月3日)

★<ベトナムの改正教育法>
 7月29日の定例研究会に合わせて、報告者の津久井純さん(日本ユネスコ協会連盟ベトナムプロジェクト担当)から、1998年・ベトナム教育法の全訳決定版を送稿いただいたことは既報の通り(風1505号、HPにアップ)。貴重な資料です。全109条は学校教育中心の法制となっていますが、そのなかで第2章・国民教育制度のうち、第5節が「ノンフォーマル(非正規)教育」の規定。社会教育の観点から重要な意味をもちます。しかし、わずかに4条のみ。法には「継続教育センター」の用語はみえますが、“コミュニテイ学習センター”の規定はありません。
 本年5月、この教育法が改正されました。そこにはじめて、日本の公民館にあたる施設(コミュニテイ学習センター、CLC、ベトナム語ではチュンタム・ホックタップ・コンドン−漢字ではそれぞれ中心・学習・共同、にあたる)の規定が登場しています。
 「第46条 継続教育の施設
1,継続教育の教育施設は以下のものからなる。
 a) 省及び郡に設置される継続教育センター
 b) 町村に設置されるコミュニテイ学習センター
   …(以下、略)… 」
 a)は大型施設、b)が地域学習施設。これは画期的です。ところが規定はこれだけ、わずか1行。施設の基準や職員などについての具体的な条項はまったく用意されていません。戦後日本の教育基本法及び社会教育法に公民館制度が法制化され、全23条の条文が用意されたことの意味をあらためて考えさせられました。
 それにしても、ベトナム戦の大きな傷を癒しつつ、いま国家規模で公民館にあたる制度が法制的に出発したことになります。それを支えていく「学習振興会」(ベトナム全土にネットワークをもつ大衆組織、1996年創設)も機能しているとのこと。全国約1万の町村のうち、5千前後にコミュニテイ学習センターが設置されつつある、施設などの条件はきわめて貧弱、ようやく日本の援助(JICA・国際協力事業団)によって施設(地域の公民館的施設)づくりが動き始めている、という流れのようです。
 津久井さん、興味深い報告、ご苦労さまでした。そのうち(2005年)改正教育法の全訳が送られてくることを期待しています。    (小林文人)



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