【日本公民館学会関連ノート




1,日本公民館学会創立の前史
  
(日本公民館学会発行「研究大会記録集」2007)→■





2,日本公民館学会創設にあたって−
2003年
    −学会通信(第1号、2004年4年1日)、学会ホームページへ転載「会長挨拶」−

  日本公民館学会の挑戦
   −公民館の未来のために
  会長 小林文人


 2003年5月に日本公民館学会が設立されました。戦後教育改革のなか日本の公民館制度が創立されてすでに半世紀余り、公民館研究に関わる専門学会として、関係者待望の、むしろやや遅すぎる誕生でした。
 学会の設立まで、約2年の助走期間がありました。公民館研究をこれまでカバーしてきた日本社会教育学会等に重ねて、いまなぜ公民館学会なのか、学会をつくる意義と必要性はなにか、など論議が繰り返されました。
 新しく公民館学会を設立する背景、そしてその理由は、大きく三点ほどあげられましょう。一つは、公民館五〇年の歳月のなかで生み出されてきた膨大な史料や記録そして数々の実践・研究が蓄積されていることです。それらの価値を再発見し、さらに発展させて「公民館学」の構築をめざしていこうという思いです。第二は、公民館に関する学際的な研究への拡がりです。教育学的研究だけでなく、建築工学、社会文化学あるいは自治体学やコミュニテイ研究などの諸分野と共同して公民館研究を深めていく必要があります。そして第三には、最近の公民館をめぐる厳しい状況への危機認識です。公民館が自治体の公的制度として確立してきた反面、制度自体の硬直化もあり、さらに行政「改革」や財政事情によって、これまでの制度的骨格が大きく揺るぎつつあります。この転換の時代に、公民館の未来へ向けて、どのような理論と展望をえがきだしうるか、新しい学会に問われている課題でしょう。
 学会の設立から1年余り、まだ小さな規模の研究団体ですが、大きな課題へ向けて、着実な歩みが始まっている実感があります。国際的な視野をもつと同時に、地域の市民運動や自治(集落)公民館・コミュニテイ施設など関連する動きにも関心を拡げ、図書館・博物館等に関する専門学会に互して、公民館学会の新たな歩みを刻んでいきたいと考えています。
 昨年の設立総会・臨時総会をはじめ毎月の理事会等では、いま学会活動のいろんなアイデアが出されています。理論的探究を深めることは当然のことですが、公民館に関する史料センター設置、学会賞の創設、IT関連資料の収集分析、実践的調査、モデル施設空間論の試み、法制整備への提言、「ハンドブック」等の出版活動などなど。学会が単なる研究発表の場に止まるのでなく、いい意味で学会らしくない、しかし公民館の発展につながる新しい学会としての地平を拓いていきたいという模索です。さて、どこまで出来るか。学会としての体力をつけつつ挑戦していきたいものです。
 その意味でも多くの関心ある方々の学会参加をお願いしなければなりません。大学研究者だけでなく、とくに公民館に関わる職員や実践家・技術者、あるいは地域の学習文化運動を担う活動的な市民の方々ともども・・・公民館の未来のために・・・。




3,日本公民館学会研究年報・創刊号 2004年

  公民館研究の新たな地平へ
   −日本公民館学会・研究年報創刊によせて−
  小林 文人


 戦後という時代と公民館
 戦後日本の公民館構想(1946年)が登場してすでに60年近くが経過している。昨年の日本公民館学会の創立は、公民館が自治体の公的社会教育機関として制度的に位置づいて(市町村教育委員会一斉発足、1952年)、50年を経過した年であった。それからの半世紀において、日本の公民館制度はどのように蓄積されてきたのであろうか。
 初期の公民館構想を熱情こめて推進した寺中作雄(文部省社会教育課長、当時)は「公民館の構想は文部省の創案にかかるものではない」と書いている。「…何とかせねばならねとして起ち上がろうとする人々の胸の中に期せずして湧き上る鬱勃たる建設の意欲が漠然と公民館を求める心となったのである」と言う(寺中『公民館の建設』自序、1946年)。もちろん公民館の設置は文部省の提唱によるものである(「公民館の設置運営について」文部次官通牒、1946年)。しかし、寺中はあえて戦後初期の社会的状況、当時の時代的な精神、人々の「心」に結びついて、公民館が誕生したことを強調したかったのであろう。公民館はその意味で戦後という時代が生みだしたものであった。
 半世紀余りが経過して、いま時代は明らかに変化している。そこに生きる人々の心も大きく変転し発展してきている。その歩みのなかで公民館はどのような役割を果たしてきたのか、またこれからどのような存在であり得るのか。これまでの蓄積をふまえつつ、新しい時代に向けて、公民館の理論と実践の展望をどう拓いていくかがいま問われている。

 学会創設の背景
 日本公民館学会の創設(2003年)もまた、公民館にかかわる今日の時代的状況を背景としている。学会も同じく時代によって生みだされたといえるだろう。学会の正式発足まで約2年の助走期間があったが、これまで公民館研究をカバーしてきた日本社会教育学会等に重ねて、なぜ新しく学会をつくろうとするのか、専門学会をつくる意義なり必要性はなにか、の論議が重ねられてきた。学会は公民館研究や実践・運動の関係者にとって、待望の、むしろやや遅きにすぎる誕生であった。
 新しく公民館学会を設立しようとする時代的な動因として、大きく次の三点があげられよう。一つは、いうまでもなく公民館50年余の歳月が創り出してきた膨大な蓄積である。約1万8千館に及ぶ義務教育学校に匹敵する全国的普及、それぞれの公民館がもつ固有の歴史、多様な施設空間と事業・実践の創出、さまざまの資料・記録・広報等の発行、自治体による施策や計画の策定、利用者・住民側の活動・運動などなど。しかし、それらを研究的に整理し解析し、理論的な価値と展望を明らかにしていく「公民館学」の構築は明らかに未発なのではないかという課題意識があった。
 第二は、公民館に関する学際的な研究の拡がりである。教育学的研究だけでなく、建築工学、社会文化学、地域社会学、行政法学や自治体学あるいはコミュニテイ研究の諸分野において、公民館やコミュニテイ施設に関連する研究・調査が取り組まれてきている。同じ社会教育施設として位置づけられる図書館や博物館についての体系的な理論構築の努力にも注目すべきものがある。公民館研究が、社会教育研究としての成果を活かしつつも、さらにその枠組みから跳躍して、これら関連領域の諸研究と協同し、多面的な視野をもって公民館の総合的研究をすすめていく必要が痛感されてきた。
 そして第三には、最近の公民館をめぐる厳しい政策動向への危機認識である。地方分権・規制緩和を建前とする一括法による社会教育法改正(1999年)、その後の法改正や公民館設置基準の改訂などの法制面の再編動向があり、連動するかたちで、いわゆる自治体「改革」によるさまざまな施策が具体的に公民館制度の骨格を大きく揺るがしつつある。教育行政から一般行政への移管問題、職員削減や嘱託化の流れ、市町村合併を契機とする制度改編、とりわけ地方自治法改正(2003年)にともなう指定管理者制度の導入による公民館の全面委託への動きは、「市町村が設置する」(社会教育法第21条)公的社会教育機関としての公民館の基本型を解体しかねない側面をもっている。このような状況下において、公民館研究がどのような理論なり展望を提示できるのか。学会創設の底流には、このような危機意識とそれに対応する研究への切実な期待があった。

 公民館をめぐる現実の冷徹な把握を
 公民館そして類似のコミュニテイ施設の状況は、多様かつ複雑、しかもつねに変転のなかにある。それらの膨大な事実にふりまわされるのでなく、基本的な問題の所在と現実の正確な把握、そして展望を切り拓いていく視点を探し求めていかねばならぬ。現実の海に溺れることなく、その海を泳ぎ続けて、次なる現実を創り出す地点を発見していく必要がある。そのためには現実そのものの冷徹な認識が不可欠の作業であろう。
 いま公民館の「公設公営」の原則が大きく揺らぎ、公的社会教育機関の制度的崩壊が危惧される状況にあるだけに、その政策動向を批判的に検討し、公的社会教育機関としての位置づけを確保していく努力は重要である。そのことを前提とした上で、「公的社会教育機関」としての公民館がどのような実相にあるかを(理念としてだけでなく)正確に認識しておく必要があろう。その現実は残念ながら、たとえば貧弱な施設空間、行政主導の事業運営、空洞化した市民参加、職員の非専門職的実態、激しい職員異動、驚くべき地域格差などの実態を少なからず含んでいる。公民館の公共性が求められながら、いわば行政的公共性のみが主張され、市民的公共性とは大きく遊離した実態もまた否定しがたい。いかなる意味において「公的社会教育機関」としての位置づけが重要であるのか。公民館を守り発展させるとはどういうことか。単に公的社会教育機関の現状を維持することが課題ではないはずである。

 市民的公共性を創出する公民館実践
 この半世紀余の歳月のなかで、公民館の「公設公営」原則が他方で制度自体の硬直化を生み、主権者たる市民から遊離した公民館運営を矛盾的に定着させてきた側面がある。そこから脱皮する視点にたち、新たな公共性を創り出す方向性をもって「公的社会教育機関」としての公民館を再生していく課題を追求していく必要があろう。
 同時にまた、この半世紀余の公民館の歳月は、さまざまの実践を蓄積してきた歩みでもあった。自治体・公民館関係者(行政、職員、住民)の努力と挑戦によって、これからの公民館の歩むべき方向を示唆する公民館実践が少なからず生み出されてきている。冷徹に分析すれば、未来に向けて光を放つ実践・運動が胎動し拡大してきているという、あと一つの現実を発見することが出来るのではないか。そこに目を向けると何が見えてくるのだろう。仮説的に「市民的公共性」を創出し拡大していく公民館実践、と言っておこう。
 ここで詳細を例示する余裕はないが、公民館が市民個別の要求に応える事業にとどまらず、たとえば市民協同の活動、市民ネットワーク形成、たまり場・広場づくり、サークル・集会活動、学習グループ連絡会、地域教育会議、地域づくりの諸活動、自治的な集落公民館などに関わる公民館実践のさまざまな展開をあげることができる。いくつもの先駆的実践がみられるが、とくに1990年代以降に市民協同への視点をもった公民館実践の取り組みが一つの潮流となって動いてきた。そこではNPO法(1998年)成立を契機とする非営利市民団体と公民館との出会いも始まった。公民館の外側で機能する市民団体への支援というだけではなく、公民館の事業運営に内在する取り組みとして、市民協同・市民ネットワークの形成につながる事業論・学習論が新しい展開をみせつつあり、その視点から職員の専門性も新たな問い直しが求められてきているのではないか。その過程を通して、従来の公民館も小さな脱皮のジャンプを重ねてきているとみることができるだろう。
 公民館を拠点に、市民にとっての新しい公共空間の形成が模索され、多彩な市民活動・文化運動とも連動して、地域の民主主義と文化の創造につながる方向が期待される。

 公民館への国際的な注目
 公民館の未来的展望をえがく上で挑戦すべき研究課題は多い。公民館として公共性の概念をどのようにとらえるか、公的条件整備論の理論化、公民館職員の専門性論の追求、マイノリティの権利保障、集落(自治)公民館の可能性をどうとらえるか、など興味ある課題が山積している。これらを検討していく上で必須の実践的事例や研究資料は、決して貧弱なものではない。公民館半世紀余の歳月は、この点でも多くの蓄積をもたらしている。問題はそれらにどのような理論分析の光をあてるかであろう。
 公民館研究を進めていく上で興味深いのは、最近の「公民館」に対する国際的な注目である。たとえば筆者のせまい知見でも、ベトナム北部山岳地帯における地域学習センター(実際にKominkanという用語が使われているという)の設置、激動する大都市上海における生涯教育と社区(地域)活動センターの建設、韓国の平生教育法制定(1999年)と自治体(光明市、富川市など)生涯学習院の設立に関連して、いずれも日本・公民館に対する大きな関心が寄せられている。ベトナムの場合は地域開発論とのかかわりで、上海では都市型施設論の展開として、韓国の自治体では生涯学習施設の設置形態(公的設置か委託か)の問題として、日本の公民館の歴史と経験が検証されようとしている。海外から逆照射的に重要な研究課題が投げかけられている感がある。
 これらの熱い視線に対して、日本の公民館が理論的にどのように応えていくことができるか。そこからまた自らの研究課題を内発的にどう発展させていくか。日本公民館学会が果たすべき役割も、グローバルな拡がりをもちはじめている。





4,【学会通信】−松本集会へ向けて (2005年8月)

 第4回研究大会・信州(松本)大会への期待  会長 小林 文人

 学会創設(2003年5月)から、すでに2年あまり。設立総会時の大会から数えると今年の研究大会は第4回となります。これまで東京・埼玉で開かれてきた大会は、初めて首都圏を離れて、本年は信州・松本の地で開催されることになりました。
 この間の理事会では、学会・研究大会のあり方についてさまざま論議してきました。伝統や蓄積がない若い学会特有の苦しみがあり、しかし新しい大会を創造していくという喜びもあります。伝統的な学会にありがちの権威主義や硬直性に陥ることなく、
清新かつ柔軟な運営をどうすすめていくか、同時にまた学会として研究課題を追求し、理論蓄積と発展をどうはかっていくか。もちろん曲折を含みますが、新しい学会・大会づくりに向けて、一歩づつの挑戦が重ねられてきました。
 昨年の第3回大会では、会場地・埼玉の、とくに入間地区の公民館の実態をふまえての公開シンポジウムが企画されました。公民館研究を地域の現実と実践から遊離させることなく、理論追求のなかでその“未来を問う”試みでした。今年は、信州(松本)の公民館の蓄積と展開、そしてさまざまの地域実践と諸課題を結んでの大会プログラムが準備されています。信州の公民館関係者(住民・職員)の参加も見込まれ、賑やかな研究大会となることが期待されます。
 大会会場を快諾された松本大学は、2004年開学の若々しい大学。開学当初より「地域社会で存在感のある大学」「多チャンネルの地域社会との連携」が志向され、地元の公民館とも深いつながりをもったユニークな大学です。地域行事が大学キャンパスで開かれる一方で、学生たちが地区公民館活動に参加するなど、大学と公民館の双方向性の関係が多彩に動いているようです。また、大会開催にあたって松本市公民館関係者の積極的なご協力をお願いできることになりました。公民館学会として願ってもない大会開催のかたち、大会プログラムに面白く反映されることでしょう。
 プログラムの大きな柱は、いうまでもなく第1日および第2日の課題研究、そして公開シンポジウム。これに加えて、昨年度大会において「ポスターセッション」「ビデオ上映」プログラムがスタートし、本年度も継続することになりました。とくに「ポスターセッション」はいわゆる自由研究発表にかわるものです。会員の皆様の積極的なご参加をお願いいたします。レジメと口頭による一方向の発表だけでなく、画像・映像(ポスター・ビデオ)を通しての多面的な討議と交流の輪が拡がり、年次的にも蓄積されていくことになれば幸いです。
 この間、大会準備にあたってご尽力いただいている白戸洋(松本大学)、矢久保学(松本市南部公民館)の両会員はじめ、松本市の関係各位に厚く御礼を申しあげます。





5,日本公民館学会編『公民館・コミュニテイ施設ハンドブック』 2006年

   まえがき  −公民館の未来のために
  

 日本の公民館制度が創設されて満60年を迎えようとしている。人間にとっては還暦にあたる歳月、公民館はいま日本各地に普及し、地域の中心的な社会教育機関として広く定着してきた。統計的には義務教育機関と肩を並べる規模の施設数である。社会教育・生涯学習機関のこのような公的制度化は、国際的にみても注目に値する展開というべきであろう。半世紀余の歩みのなかで、公民館に関わって実に数多くの行政事業、職員実践、住民活動、市民ネットワークが蓄積されてきた。
 しかし同時に、いま公民館制度は大きな転換点に立たされていることも事実だ。曲折を含む歳月のなかで自治体によっては制度硬直化もみられる一方で、いわゆる自治体経営「改革」や指定管理者制度の導入あるいは市町村合併に伴う再編等の激動のなか、公民館の制度的骨格は大きく揺らぎつつある。財政削減、職員縮少、受益者負担、一般行政移管等の厳しい状況が各地に現れている。
 この転換の時代に、公民館の未来へ向けて、どのような理論と展望を創出しうるか。厳しい状況への危機意識をもちつつ、これまでの蓄積に新しい光をあててどのように発展の方向を見い出しうるか。日本公民館学会の設立(2003年5月)にあたっては、このような状況認識と現実課題が深く意識されていた。

 本書は、日本公民館学会が世に問う最初の出版物である。本書の企画は、学会設立の準備段階から始まったといってよい。学会発足後の理事会でいち早く「学会としての出版構想」が論議された。書名や構成素案の検討が始まり、2003年11月の臨時総会において、『ハンドブック』刊行方針が決定された。学会理事(当時)総参加による編集委員会が組織され、中核となる作業委員会の論議がほぼ毎月1回開催されてきた。
 この間に話し合われてきた本書の「ねらい」は次のようなことであった。    
(1) 理論的かつ実務的に水準の高い内容とし公民館関係者にとって必携の本とする
(2) 公民館だけに限定せず「コミュニティ施設」等関連施設を含む
(3) 建築工学、社会文化学、行政法学、地域学等の学際的な研究を反映する
(4) 国際的な視点をもつ
(5) 自治体の動向、地域の実践や運動の事例を重視する
(6) 図版、写真、関連資料、年表等を豊富に盛り込む
(7) 数年おきに版を重ね評価を定着させていく
 時間や紙数の制約等により「ねらい」がそのまま実現できたわけではないが、100名余の執筆者のご参加を得て、ここに待望の本書が誕生することとなった。ご協力頂いた関係各位とともに喜びあいたい。

 2年半にわたる編集作業では、振り返ってみて苦しい論議も続いたが、そこには公民館研究を進めていく上での重要な論点が多く含まれていたように思われる。上記「ねらい」とも関連して、幾つかのことを書き留めておくことにする。
 一つは、本書にコミュニティ施設の問題を取りあげた点である。これまでともすると公民館とコミュニティ施設の異同が論じられがちであったが、公民館は機能的に地域的な施設であり、その意味ではコミュニティ施設である。多種多様な地域諸施設と多彩多重な地域市民活動にも視野を拡大し、関連して公民館研究の裾野を広くしていく課題が意識されたのである。
 二つには、公民館が当面する厳しい現状認識とともに、公民館の半世紀余の蓄積を再吟味・再発見し、新しい時代に向けてその可能性と展望を明らかにしていく視点を忘れてはならないこと。現今の公民館をめぐる政策批判の厳しい論調が、公民館の未来をいたずらに悲しませることになってはならないだろう。ともに公民館の未来を語りあう姿勢を共有しつつ、そのためにこそ『ハンドブック』を編み出すという認識であった。
 三つには、公民館の現代的な可能性を探求していくためにも、住民の学びと主体形成に関わる公民館の固有の役割と独自性をさらに明確にしていく必要がある。その視点から公民館研究としてどのような課題と方法があり、領域や内容があるのか。本書の編集構成案を確定していく過程は、公民館研究の骨格と体系を構築し、いわば「公民館学」のシラバスをつくる作業に通じるものがあったといえる。

 もちろん本書は多くの課題を残している。いまようやく一つのステップを刻むことができたが、今後、多くの読者諸賢の叱正・教示を頂きながら、次のステップに向けて版を重ね、さらに価値ある『ハンドブック』に練り上げていきたいと考えている。
 私たち日本公民館学会の出版構想を快く受け止め、本書刊行のため尽力を惜しまれなかったエイデル研究所とくに新開英二氏および編集実務にあたられた山添路子氏に心からの感謝をささげたい。
          2005年12月      日本公民館学会・会長  小林 文人







*公民館学会関係アルバム→■



学会長退任・慰労会(神田・放心亭、20070127)   *後列中央に小池源吾(第2代)新会長






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