2008年7月・福岡の韓国訪問など記録
*2008韓国・地域平生学習の動き■
1,スケジュール
(1)釜山訪問(福岡社会教育研究会)
7月18日(金)東京→博多へ (福岡泊)
7月19日(土) 午前・8:30 博多港出発、11:25 釜山港到着
午後 釜山市蓮堤区役所(学習都市)平生学習チーム
ロッテキャッスル(マンション)文化センター、老人福祉センター
夜 釜山平生教育実践協議会・カフェ交流会
7月20(日) 午前・自由時間−釜馬民主抗争(1779)記念館、民主公園
午後 海雲台パンソン(盤松)地域
-希望世界(団体)/ -ヌティナム(=ケヤキ)図書館
(地域住民が設立・運営している子ども図書館)
夜 学習カフエ・パンソンを愛する会との交流会
7月21日(月) 午前・釜山教育庁平生教育福祉課
- 学父母教育院(平生教育情報センター)- ナンムン初等学校 平生教育院
昼食(釜山教育庁)
午後・15:45 釜山港出発、18:40 博多港到着
小林・肥後は公州へ移動
○宿泊:釜山観光ホテル
(2)黄宗建先生追悼・清州、公州、ソウル(編集委員会)
7月21日(月)夜 釜山→大田・公州 編集委員会と合流 (公州泊)
公州大学ゲストハウス
7月22日(火) 午前・故黄宗建先生の追悼(清州)
午後・公州へ(慕徳祠・忠南教育研究所など) (公州泊)
7月23日(水) 午前・武寧王陵・公州博物館、
午後・忠南平生教育情報センター訪問
夜・→ソウル、希望製作所訪問、編集会議 (ソウル泊)
*ソウル女性プラザ
7月24日(木) ソウル・学志社訪問、
昼・平生教育振興院訪問
午後→帰国・東京へ
2,参加メンバー
(1)釜山訪問団(福岡社会教育研究会)
氏 名
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所 属
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所 属
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小林 文人
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東京学芸大学名誉教授
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肥後 耕生
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中央大学校大学院(韓国)
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石井山 竜平
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東北大学(訪問団団長)
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金子 満
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鹿児島大学
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牧 忠孝
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前福岡県立水産高校
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米山義盛
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全日本教職員共済連合会
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坂田 一九夫
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福岡市南市民センター
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阿志賀 一夫
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前福岡市高宮公民館
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長谷 裕之
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福岡市城南市民センター
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楠窪 マスミ
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福岡市花畑公民館
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添田 祥史
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九州大学大学院博士課程
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西 恵美子
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福岡市立野多目小学校
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横山 孝雄
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福岡市南区役所地域支援課
(事務局長)
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上原 裕介 |
東北大学大学院
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(2)公州、ソウル訪問団(黄宗建先生追悼・清州、ソウル編集会議等)
小林文人(TOAFAEC)
伊藤長和(川崎市教育委員会)
小田切督剛( 同 )
浅野かおり(福島大学)
李正連(名古屋大学)
肥後耕生(韓国・中央大学校・大学院)
*ご案内:・梁炳賛教授(公州大学校)、金済泰牧師(7月22日、清州)ほか
3,準備記録(南の風記事)
■<7月・黄宗建先生の命日に・・・> 南の風2018号(4月24日)
早いもので3月下旬・華東師範大学グループの訪日・訪沖から1ヶ月が経過しました。この日程に合わせて、韓国から魯在化さんとともに金済泰・申聖勲の両牧師が参加されたことは既報の通り。スケジュールに追われ、ゆっくりとお話しする余裕がありませんでしたが、金先生は故黄宗建先生の在りし日や墓碑の写真を持参されていました。伊藤長和さんとも一緒に、7月20日のご命日前後に追悼の機会をもつ相談をすることができました。
黄先生の晩年は中国の生活(烟台滞在中のぶんじんを訪ねて一夜の歓談あり)、2006年に体調をこわされ、帰国後わずか1ヶ月にして急逝されたのでした。思いのほか孤独だったようです。
黄・小林・伊藤の三者共編になる記念の本(『韓国の社会教育・生涯学習』エイデル研究所)は、先生が亡くなられて1ヶ月後に世に出ました。痛恨の極み、頭を垂れて、この本を霊前に捧げようと言い合ってすでに2年の歳月。今回ようやくその思いが実現するわけです。予定日として7月22日(月)。場所は忠清北道(ソウルから車で3時間)の山中だそうです。
7月の韓国訪問では、19日にまず釜山に上陸する予定。前号の横山孝雄さん(福岡)メールにあるように、かねて懸案の釜山−福岡(社会教育・平生学習関係者)の新しい交流を模索する旅。今回の韓国訪問の大きな目的です。釜山は21日までの予定。肥後耕生さん(韓国・中央大学大学院)に協力依頼のメールを出していたところ、早速の嬉しい返事(上掲)を頂きました。有り難う!
あと一つの目的は、もちろん!いま鋭意編集中の韓国向け出版(『日本の社会教育・生涯学習』ソウル・学志社より刊行予定)の共編者・梁炳賛先生(公州大学校)とお会いして編集会議をもつこと。細かなスケジュール・内容はこれからです。
■<韓国との新しい交流の旅計画> 南の風2027号(5月12日)
この1年来「南の風」で数回取り上げてきましたので、少し重複するかと思いますが、7月の韓国訪問計画について、あらためてのお知らせ、お願いをいたします。
海を隔てて一衣帯水の位置にある福岡と釜山の両都市、相互の社会教育・平生学習の新しい交流の旅が懸案となってきました。両都市は歴史的に深い関係にあり、船でわずか数時間の距離なのに、また生活的にも同じ玄海灘(南海)の魚を食べているのに、社会教育・平生学習の面では、これまでまったく出会いがなかったのです。
日程は当初3月案でしたが、中国・上海からの来日・訪沖と重なりましたので、故黄宗建先生の命日に合わせて、7月19日〜21日の日程に変更となりました。釜山訪問の後、福岡一行と別れて、22日に(ソウル経由?)忠清北道へ。黄先生が眠る山に私たちの共編著『韓国の社会教育・生涯学習』を捧げる計画。先月に沖縄でお会いした金済泰牧師にも同道していただく予定です。
その後、23日〜24日は、今回の韓国向け出版『日本の社会教育・生涯学習』(ソウル・学志社)の編集会議や、共編者・梁炳賛さんのお誘いもあり、公州を訪問する予定を考えています。
幸いに釜山→忠清北道には留学中の肥後耕生さんが同道していただくことになり、大船に乗った気分。福岡からの参加は10名前後か。22日からは伊藤長和さんなど韓国生涯学習研究フォーラム・メンバーがソウルで合流する見込み。
釜山の受け入れやスケジュールは今から具体的にお願いすることになります。本号に紹介されている釜山「平生学習中長期発展計画」のこと、平生学習施設や実践現場、あるいは住民自治センター等関係の方々との交流が出来ればと楽しみです。釜山の朴仁求・金慶淑(別府大学)夫妻にもご協力をお願いしています。
福岡の皆さんによる韓国訪問の事前学習会等あれば、風にお知らせ下さい。また福岡以外の方で、参加ご希望の方があれば、ご一報下さい。
■<7月韓国訪問スケジュール> 南の風2035号(5月28日)
この数日で、7月後半の韓国訪問スケジュールがほぼ確定しました。関係の皆さまのご努力によるものです。今のところ、釜山を訪問してこれからの社会教育・平生学習の相互交流をめざす福岡グループは12名の参加。また後半は、準備中の韓国向け出版の編集委員会メンバーが川崎ほか6〜7名の皆さん、思わぬ大所帯となりました。どこかで日韓の国際シンポでも開きたいような顔ぶれ。
前にも触れましたが、今回の旅は2006年に亡くなられた故黄宗建先生のご命日(7月20日)に合わせてのスケジュールです。忠清北道の先生が眠る墳墓の地は、親友の金済泰さん(牧師)から見せていただいた写真では、いつも松風がさやかに吹き渡っているようなところ。そこに『韓国の社会教育・生涯学習』とともに、日本の銘酒一献を捧げたいと思っています。先生の酒の座はいつも楽しく、歌声と想い出がいっぱい残っています。
ぶんじんのスケジュールは、7月18日にまず博多へ移動。19日に福岡グループと一緒に博多港から釜山港へ。釜山に2泊して21日夜は忠清北道(清州)で編集委員会グループと合流。翌22日午前に黄宗建先生の追悼、この日は公州泊。23日にソウル、24日は「学志社」へご挨拶、この間に現地編集会議等、という予定。新しい出会いがまた楽しみです。
■<韓国・梁炳賛さま−御礼> 南の風2048号(6月19日)
小林文人、Tue, 17 Jun 2008
16:09
昨日(16日)、李正連さんを通して、今回の福岡グループ・釜山訪問の日程表(上掲)を拝受しました。私たちの無遠慮なお願いを受け止めていただき、感謝のほかありません。
福岡側の日程案は、私たちの都合から週末の日程となり、ご無理をお願いすることになりました。お許し下さい。この機会を活用して、今後の福岡−釜山の新たな交流が始まるよう、大事なステップとなるよう、努力したいと考えています。すこし心配していましたが、お陰様で、期待がふくらんできました。有り難うございました。
夏の札幌・全国集会には今年も韓国から多数ご参加とのこと、いろいろご配慮・調整等、ご苦労さまです。こんごともどうぞよろしくお願いします。7月21日夜・公州でお目にかかることを楽しみにしています。御礼まで。
■<いかに違うか−韓国と日本> 南の風2049号(6月21日)
風・前号に掲載したように、福岡から釜山への訪問スケジュールがほぼ決まって、本号には事前学習会のレポートが届きました。ちょうど1ヶ月後の日程、準備も本格的に始まって、楽しみですね。言い出しっぺとして、一時ちょっと心配しましたが、梁炳賛さん(公州大学校)のご尽力があり、ホッと一安心しています。ありがとうございました。
この15日、福岡で行われた釜山訪問の事前学習会については、なんと東北大学・石井山竜平さんからのレポート(上掲)、しかも講師は鹿児島大学・金子満さんとのこと。全国的な展開?の感あり。いま(川崎だけでなく)福岡でも、韓国「平生学習」研究が始まった印象。まことにご同慶の至りです。
石井山さんのレポートのなかで、韓国の平生教育について、その「システムはあまりにも日本と似ている」という一文がありました。日本と韓国、その異同をどうみるか。相互の理解にとって日韓比較は今後とも重要な課題となりましょう。
日本と韓国は、歴史的な経緯から言っても、類似性はある意味で当然のこと。たとえば旧(韓国)社会教育法(1982年)の構成は日本社会教育法とよく似ていました。しかし、10年ほど前から韓国「平生教育」は、旧来の「社会教育」から脱皮して、独自の地平を積極的に歩み始めたように思われます。法制も、「社会教育法」を棄てて「平生教育法」(1999年)へ全面改正。しかもさらに今回の新・平生教育法の成立(昨年11月可決、今年2月施行)、注目すべき躍動です。地方教育行政機構も日本と大きく異なりますし、むしろその「違い」に注目する視点がいま必要ではないかと思われます。
新「平生教育法」については、「注目点・10点」を「南の風」に連載しました(→■)。日本社会教育・生涯学習法制との異同も視野に入れたつもり。もちろん不充分なもの、皆さんにご批正頂ければ幸いです。
■<良き友つどい韓国への旅> 南の風2064号(2008年7月18日)
今回の韓国訪問の日程について、<第1部>福岡−釜山の交流スケジュールは、すでに風2048号にご紹介しました。そして<第2部>公州・ソウルのスケジュールも詳細に決まりました(本号・李正連さんメール)。今日にいたるまで、細心の段取りをしていただいたのは、韓国・公州大学校の梁炳賛(ヤンビョンチャン)先生です。この場をかりて(ヤン先生にも「風」が届いている)、訪問団の一員として、厚く御礼を申しあげます。有り難うございました。
短い日程ながら、おかげさまで充実した毎日が楽しみ。行きつけの漢方薬局に「良き友つどい中国への旅」という色紙がありますが、今回の韓国への旅もまさに「良き友」の一行。自治体職員、市民、研究者、院生など、加えて後期高齢者もいて、多彩な集まり。第1部(釜山)は福岡・仙台から15人前後、第2部は新本の編集委員会メンバー7〜8人。飛び込み参加の申し出もあり、うまく合流できるかどうかも楽しみ。伊江島からの参加は残念ながら断念だそうです。(上掲)
ぶんじんと韓国との出会いは、すべて故黄宗建先生から始まります。あれから25年余が経過して、共編者として一冊の本づくりに取り組み、完成の日ともに乾杯する喜びを夢見てきました。しかし、刊行目前にして急逝されたのでした。まことに残念無念! お会いすればよく飲み、歌い、論じあったものでした。いまも黄先生のあの歌声が聞こえてくるような・・・。在りし日を偲び、先生の眠る丘に、日本の銘酒一樽を注ぎ、大好きだった沖縄のヤチムン杯で献杯する予定。本の出版から2年遅れ、ご命日の7月20日から2日遅れで、ようやく霊前に私たちの共同労作『韓国の社会教育・生涯学習』を捧げることができます。
いま韓国々内は竹島(独島)問題で沸騰、南方には台風が北上の兆し。内外騒然たる韓国への訪問、思い出に残る旅となりましょう。
4,訪問記録
(1)釜山訪問団(福岡・社会教育研究会)
・横山孝雄(Fri, 25 Jul 2008 17:37)福岡市南区役所地域支援課、福岡社会教育研究会
<ありがとうございました!>
初めての韓国・釜山平生教育関係者の皆様との交流がこんなに充実したものになるとは思いもしませんでした。同時に福岡・社会教育研究会がこれまで果たしてきた役割や今後の使命の重さをも感じずにはいられません。私たちを結びつないで下さいましたヤンビョンチャン先生をはじめ、小林先生、李正連さん、肥後耕生さんに心からお礼申し上げます。
今、「東アジア社会教育研究」13号へのレポートもあり、釜山訪問の準備に交わしたメールを整理しています。私たち福岡・社教研と韓国・釜山の間に社会教育・平生教育の新しい虹の架け橋を創り出すための、数々のメールのやりとりに感動しています。初めは3月の予定でしたが7月となり、日程は決まったもののどのようなスケジュールになるものか、福岡・社教研ではどうすることもできず、不安な毎日でした。多忙な中、李さんを介してヤンビョンチャン先生と小林先生とのメールで訪問内容が具体化していく様を見るたび、少しずつ道が切り開かれていく喜びを実感していきました。その後、肥後さんが加わり金子満さんも加わるようになり、最終スケジュールを見たときに、これまで準備をして下さった皆様のご苦労に感謝するとともに、この訪問を必ず成功させねばと決意したものでした。
7月19日の朝、博多港国際ターミナルで、私が「先生、やっと今日の日を迎えることができました。心からお礼申し上げます」「そうだね、やっとここまで来たよ、でもこれからだよ」との小林先生の言葉に、先生の今回の訪問に対する思いや私たちに対する期待を感じました。
最初の訪問先、釜山市蓮堤区の区長さんをはじめとする職員の皆様の熱っぽい説明に、福岡の社会教育の現状を重ねながら、圧倒されました。行く先々での皆様の熱心な取り組みに、この元気はなんなのだ、かつて私たちにもあったはずだ、釜山の皆様の交流一つひとつに今回訪問の意義を感じ取っていくことができました。
釜山の皆様の晩餐会、おもてなし文化に、もっともっと時間があればと・・。皆さんと心から歌った交流、ハングルで歌えたら、もっともっと深めあえるのに・・。「玄海の風 今も昔も 烈しく熱く、そしてやさしい」を実感した釜山訪問。心から皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。
(南の風2066号・7月27日・所収)
▼釜山市蓮堤区「平生学習都市」碑の前で福岡訪問団(20080719)
・石井山竜平(Sun, 27 Jul 2008 10:52) 東北大学、福岡・釜山訪問団(団長)
<釜山を訪問して(7月19〜21日)>
この場に立ち会えたことに感謝してもしきれないくらい、密度の濃い旅でした。後で振り返ったとき、この旅こそが起点だったと思うだろう、出会いや気づきで一杯の旅となりました。
平生教育都市への指定を機に20倍の予算規模で取り組まれている釜山市蓮堤区の平生教育。今日の韓国では、平生教育に巨額な公的資金が動いていることに驚きましたし、教会、住民自治センター、ロッテキャッスルセンター(企業)、老人福祉館など、様々な施設を見せていただきながら、その環境整備の取り組まれ方がきわめて多元的であることが印象的でした。
そのことと共に(それ以上に)驚かされたのは、30代を中心とした中堅世代による市民的な動きの躍動、そしてそのセンスの高さでした。初日(19日)夜に伺った、平生教育士、ジョンハヨンさんが代表を務める釜山平生教育実践協議会のたまり場であるカフェは、入ったとたんに一同歓声が上がったほど素敵な空間。二日目(20日)に伺った、地域課題が深刻なパンソン地域で、住民の力で設立されたケヤキ図書館も、さまざまな知恵と力の結集を感じさせる設計。出会う方々のまなざしの暖かさと、平生教育や住民自治にかける真剣さ。
「石井山君、君は自分のことをまだ若手だと思ってないかい? 韓国では君たちの世代が主役なんだよ」という小林先生の言葉とともに、お一人お一人の存在が胸に刻まれています。
釜山平生教育計画の全体像、親世代の教育のための施設である学父母教育院、学校を核とした平生教育の展開、そして、釜山民主化運動記念館・・・。まだまだ語りきれませんが、ここから先の記録や考察は
「東アジア社会教育研究」第13号に報告させていただきます。
釜山、ひいては韓国の平生教育の躍動をリアルに感じた、素晴らしいスケジュール、そして出会いをコーディネートしていただきましたヤン先生、李先生、見事な通訳をしてくださった肥後さん、金子さんはじめ、皆様に心より感謝いたします。(南の風2067号・7月29日・所収)
▼釜山平生教育実践協議会「学びの広場」会員との交流(文化カフェにて、20080719)
▼左・石井山竜平氏(団長)、右・ヂョンハヨン氏(「学習の広場」会長、平生教育士)−20080720
▼釜山教育庁・平生教育情報センターにて(20080721)
(2)公州・ソウル訪問記録(総括) 小田切督剛 (Sat, 26 Jul 2008 22:43)
*南の風2066号〜2069号
2008年7月21日(月)から24日(木)の3泊4日で韓国を訪問しました。訪問の目的は5つ。
(1)2006年7月20日にお亡くなりになった黄宗建(ファン・ジョンゴン)先生の葬所(サンソ)の
訪問と『韓国の社会教育・生涯学習』刊行の報告。
(2)公州周辺の大学や市民団体、教育庁の訪問。
(3)市民シンクタンクである希望製作所(ヒマンチェジャクソ)の訪問。
(4)『日本の社会教育・平生学習』韓国語版編集会議の開催と、学志社(ハクチサ)の訪問。
(5)中央政府レベルで新設された平生教育振興院の訪問。
小林文人先生と中央大学校博士課程の肥後耕生さんは公州大学校修士課程のシン・ギョナムさんの運転で21日夜に公州(コンジュ)市に到着し、伊藤長和さんと浅野かおるさんと私は富川(プチョン)市平生学習センターの洪叔姫(ホン・スッキ)所長へのご挨拶を経て、梁炳贊(ヤン・ビョンチャン)公州大学校教授の運転で合流しました。
(1)葬所があるのは忠清北道(チュンチョンブット)槐山郡(クェサングン)青川面(チョンチョンミョン)華陽九曲(ファヤンクゴッ)。清州市(チョンジュシ)からさらに山奥へ40キロほど入った俗離山(ソンニサン)国立公園の中に位置しています。金濟泰(キム・ジェテ)韓国文解教育協会名誉会長や梁炳贊先生の案内と大田広域市の中学校教員である李泰勲(イ・テフン)さんの運転に、小林文人先生、伊藤長和さん、浅野かおるさん、肥後耕生さん、小田切督剛の計8人で雨の中を7月22日午後に伺うことができました。
▼黄先生が眠る森へ(20080722)
(2)梁炳贊先生のご紹介で、7月22日午後に社団法人忠南(チュンナム)教育研究所、23日午前に公州大学校教育学科の任年基(イム・ヨンギ)学科長、23日午後に忠清南道教育庁平生教育院を訪問しました。忠南教育研究所では公州大学校教育学科教授でもある李榮宰(イ・ヨンジェ)所長、イ・ジンチョル副所長、チョ・ソンヒ事務局長から「忠南農村教育希望探しネットワーク」などの実践について伺い、地元・鳳?里(ポンヒョンニ)の梁炳奎(ヤン・ビョンギュ)大同契長(テドンケジャン)や車基斗(チャ・ギドゥ)5都2村事業試範マウル推進委員長の案内で農耕遺物博物館などを見学し、夕食を共にしながら意見を交わしました。任年基学科長からは公州大学校教育研究所を中心として地域との実践との深い関わりについてお話を伺いました。公州大学校は教員養成で全国1位を誇り、農村教育センターや大田忠南WISE(women
into science engineering)センターなどを受託し運営しています。李泰勲さんは、公州大学校の別名が「任用高試学院」であり、先輩から代々伝わる「族譜」と呼ばれるノートなど厚いノウハウを蓄積していることなどをユーモアを交えて話してくれました。忠清南道教育庁平生教育院では、チェ・ジェシク平生学習部長、ムン・ジンス文献情報部長、ヤン・スンジョ総務部長から、全国の地方教育庁で初めて2005年5月10日に同院を設置し多文化教育センターなど多彩な事業を展開している現状についてお話を伺いました。
また、日本の侵略に対して1906年に義兵闘争を起こし、捕らえられて日本の対馬で亡くなった崔益鉉(チェ・イッキョン)を慕徳祠(モドクサ)22日午後に訪問し、公州を一望できる公山城(コンサンソン)や宋山里(ソンサンニ)古墳群、国立公州博物館を公州市庁の宋千姫(ソン・チョンヒ)さんの案内で23日午前に訪問し、百済(ペクチェ)の都だった5〜6世紀から近代の抗日運動に至るまで公州地域の歴史を学ぶことができました。
(3)希望製作所は日本希望製作所の姜乃榮(カン・ネヨン)研究員のご紹介により23日夜に訪問しました。希望製作所の7つのビジョン「独立、参与、実用、代案、地域、現場、総合」と組織・事業についてプリセンターの金達洙(キム・ダルス)センター長からお話を伺い、特に「希望アカデミー」への協力を依頼されました。本部ビル内を案内していただき、梁炳贊先生の友人でもある希望アカデミーの金美蘭(キム・ミラン)チーム長が講座「ソーシャル・デザイナー・スクール」最終回を開催中のセミナー室を特別に見学させてくださいました。
(4)『日本の社会教育・平生学習』韓国語版編集会議は、希望製作所4階会議室をお借りして23日夜に開かれ、鳥山大学の孔秉鎬(コン・ビョンホ)教授と水原女性会の鄭賢卿(チョン・ヒョンギョン)さん、李正連さんが合流し、小林文人先生、伊藤長和さん、梁炳贊先生、浅野かおるさん、肥後耕生さん、小田切督剛の計9人が参加しました。韓国でこれまで出版された本に資料編がほとんどなく年表程度であることが話題となり、梁炳贊先生から「平生教育は現場の専門家も増えているが、学者から意味のある理論や実践的な支援が不足している状態である」と今回の本の必要性が強調されました。希望製作所に近い仁寺洞(インサドン)の韓定食店「村(チョン)」に会場を移し、李泰勲さんも加わって今回の訪問の感想や今後の研究・実践への抱負を語り合いました。
▼「日本の社会教育・生涯学習」編集会議終了後の懇親会−仁寺洞「村(チョン)」−(20080723)
麻浦区(マッポグ)にある学志社は、キム・ジンファン代表とチェ・イムベ編集部長兼企画室長を小林文人先生、伊藤長和さん、梁炳贊先生、浅野かおるさん、李正連さん、李泰勲さん、肥後耕生さん、小田切督剛の計8人で24日午前に訪問しました。編集委員会事務局長である李正連さんから経過と現状、今後の予定をご説明し、キム代表からは1992年の設立以来1,600冊余りを出版し、刊行点数では韓国で7番目の規模であるものの日本の翻訳書はまだ5冊と多くはないこと、今後とも平生教育分野に力を入れて良い本を作っていきたいとのお話がありました。また、これまで学志社で出版されたイ・ファジョン、梁炳贊、ビョン・ジョンイム『平生教育プログラム開発の実際』2003、韓崇?(ハン・スンヒ)『平生教育論−平生学習社会の教育学』2004、金信一(キム・シニル)、朴富権(パク・ブグォン)編『学習社会の教育学』2005、金得永(キム・ドゥギョン)『日本平生学習都市フロンティア−平生学習が国家を変える』2006と黄京性(ファン・ギョンソン)、金龍澤(キム・ヨンテク)『日本の高齢者保健福祉−介護保険制度』2001の5冊をいただきました。
(5)永登浦区(ヨンドゥンポグ)にある平生教育振興院は、同じく8人で24日午前に訪問しました。朴仁周(パク・インジュ)院長をはじめ、白雲順(ペク・ウンスン)学点銀行センター所長、崔一先(チェ・イルソン)企画広報チーム長、姜大仲(カン・デジュン)平生教育センター国際協力チーム長にお迎えいただき、平生教育振興院の沿革と事業概要についてご説明いただきました。平生教育振興院が2007年12月14日の平生教育法全部改正公布(2008年2月15日施行)と同法第19条第1項に振興院設置が定められたことに伴い2008年2月15日に開院したことや、平生教育センター(2000年3月設置)、学点銀行センター(1998年3月設置。学点は単位の意)、独学学位検定センター(1990年6月設置)から成ることなどが紹介されました。近隣の食堂「二都(イド)」に席を移して意見交換が続きましたが、席上で崔一先チーム長が8月1日付けでソウル大学校教授に就任することが紹介されると、これを祝賀する席ともなりました。2008年8月に札幌で開かれる社会教育研究全国集会での再会を約束しあいました。
・ 公州大学校<http://www.cec.kongju.ac.kr/> ※2008年7月25日現在、表示できず
・ 忠南教育研究所<http://www.chungnamedu.or.kr/>
・ 公州市5都2村事業:公州市庁<http://www.gongju.go.kr/html/kr/week/week_01_01.html>
・ 忠清南道教育庁平生教育院<http://www.cle.or.kr/>
・ 希望製作所<http://www.makehope.org/>
・ 学志社<http://www.hakjisa.co.kr/>
・ 平生教育振興院<http://www.nile.or.kr/>
▼平生教育振興院首脳部と訪問団、前列左・朴仁周院長(ソウル・平生教育振興院にて、20080724)
■<韓国から帰って> 南の風2065号(2008年7月25日)
韓国の旅、予定のスケジュールを終えて、昨夜(24日)無事に帰国することができました。沖縄に続く韓国行き、かなりの疲れ。同行の皆さんから心配していただきましたが、充実した毎日に興奮さめやらず・・・といったところ。訪問先で歓迎してくださった皆様、多くの方々にお世話になり、まことに有り難うございました。
今回は(迷いましたが)パソコンを持参しませんでした。風の編集や送信の時間などおそらくないだろう、という予想。梁炳賛(ヤンビョンチャン、公州大学校)教授が用意して下さったスケジュールは配慮にあふれ、濃密・多彩な内容(釜山→公州→ソウル6日間)。判断は正しかったようです。「風」は1週間のご無沙汰となりました。
釜山を訪問した福岡グループ、そして公州→ソウルをまわった編集委員会グループから、追々とレポートが寄せられると思います。お楽しみに。両グループの皆さん、どうぞよろしく「風」を。
今度の旅にはいくつかの目的がありましたが、なによりも故黄宗建先生の眠る丘へ追慕のお詣りをすること。当日(22日)の清州は雨、山への道は車も立ち往生するほどの厳しさでした。
しかし降る雨は黄先生を悼む天の涙、私たちの心を洗い、想いは胸に深く刻まれて、忘れることができない1日となりました。ご案内は親友の金済泰牧師、一行8名。ノートのすみに書き留めた拙い歌を記録としていくつか掲げさせていただきます。
−7月22日、昼−
◇雨しとど清州の山濡れそぼつ 亡き人眠る松を探しぬ
−松を囲み、天に向かって−
◇“黄宗建”三度叫びぬ声かぎり 雨に消されて木霊(こだま)返らず
−日本と韓国の銘酒、古我知焼−
◇老友の眠りたまえる松の根にそそぐ樽酒、やんばるの杯
−あの歌声が聞こえてくる−
◇歌を愛せし在りし日偲び合唱す“夕焼け小焼け”と沖縄の“花”
−共編・韓国本と第11号−
◇二歳(ふたとせ)過ぎようやく捧ぐ追悼の ページを濡らす夏雨悲し
−帰りの車中、金済泰牧師は語る−
◇先達の歩みし道の厳しさを聞く若き瞳(め)に未来を見たり
−愛を説き、正義に生きて−
◇自らの誇り貫く生きざまは多くの語録残し給えり
−その夜、公州(忠南教育研究所)の集い
きれいな星空、あの星に黄先生が・・・−
◇天空に星は輝き緑なす里に人群れマウルの学校
▼霊前に「韓国の社会教育・生涯学習」「東アジア社会教育研究」第11号(080722)
▼黄宗建先生の松を囲んでー案内・金済泰牧師(左3人目)(20080722)
▼左・梁炳賛さん(公州大学校教授)、黄先生の松をかこむ(20080722))
■<地域教育共同体「忠南教育研究所」> 南の風
2067号(2008年7月29日)
今回の韓国訪問について、ご参加の皆さんから寄せられている感想・報告など、本号以降に追い追いと掲載させていただく予定。とくに川崎の小田切督剛さんからは(前号にもふれたように)固有名詞の正確な表記に留意した詳細な記録を、また写真も、たくさん送っていただきました。ありがとうございました。
本号・上掲の「忠南(チュンナム)教育研究所」訪問についての記事のうち、6行目の「鳳」の次の漢字は、「山」偏に「見」(つくり)の字(あわせて「ポンヒョン」)。せっかくの表記が、当方パソコンのソフトが対応できず、申しわけありません。
この「ポンヒョン」の小学校は山間の学校。廃校のあと「忠南教育研究所」が創立されました(2000年創立)。進歩的教師や公州大学校の研究者、そしてマウル(村落、里)の地域力が協働して活動をはじめた民間の教育研究・実践団体。地域教育共同体をめざす運動です。
私たちは、黄先生のお墓参り(22日)のあと、ヤン先生のご案内で訪問することができました。まず緑の校庭で子どもたちと一緒に写真(下掲)。小集落に残っている伝統文化と地域博物館に驚きました。手作りの夕食もご馳走になり、山間部集落とその共同体的な“風景”を垣間見ることができて、印象深い夜となりました。空には星が輝いて、天から黄先生も参加されているような…。思わず拙い歌(前々号本欄の最後の一首)。
忠南教育研究所については、ヤン先生による興味深い論文があり、日本語にも翻訳されています(梁炳賛「韓国における地域教育共同体の運動の展開−忠南教育研究所における農村教育共同体の実践を中心に」)。こんどの釜山訪問とちょうど同じ期日に、北海道大学で開かれた日韓の国際共同研究で報告されたものだそうです。もし興味ある方はご一報を。ご了解を得て、フアイルをお送りいたします。
▼公州市ウソン面・ポンヒョン初等学校「忠南教育研究所」(080722)
■<釜山の夜・アチミスル(朝露)を歌う> 南の風2068号(2008年7月30日)
韓国訪問の余韻さめやらず。旅に参加した人だけでなく、「風」を読んでの感想も届いています。風に収録しきれず申し訳ありません。たとえば、「…韓国に行かれた方々の熱い報告・感想記事が続いていますね。今回の訪問は、本当に感動的な、意味ある旅だったことが伺われます。」(山口真理子、Wed,
30 Jul 2008 02:01)など。
釜山(福岡グループ)の通訳で大活躍した肥後耕生さんのメール(本号収録)によれば、7月20日に訪問した釜山・パンソン地区の「希望の世界」ホームページに、私たちとの交流の夜が掲載されているそうです。集いの終わりには、みな立ち上がって一緒に♪アチミスル♪を合唱しました。「…最後に手をつなぎ、アチミスルを歌うと、どうしてかわからないけど、涙が流れてきました。…」と。おそらく、キムヘジョンさん(事務局長)の文章でしょうか。輪になって歌った写真、福岡グループのカメラに記録されていないでしょうか。もしあれば送って下さい。
「アチミスル」は、韓国の学生運動や民主化抗争のなかで歌い継がれてきた歌です。たしか発売禁止曲となった歴史も。日本語の訳詞は、
長い夜を明かし、草葉に実る
真珠より美しい、朝露のように
心に悲しみが、実る時
朝の丘に登り、ほほえみを学ぶ。
太陽は墓地の上に、赤く昇り
真昼の暑さは、私の試練か。
私は行く、荒れ果てた荒野へ。
悲しみふり捨て、私は行く。(訳:李政美)
東京学芸大学の研究室時代から、韓国留学生と飲めば「ポンサンフア(鳳仙花)」や「アチミスル」をリクェストする習癖あり。今回の釜山でも、二晩とも「アチミスル」を歌ったのでした。
韓国の「鳳仙花」には、沖縄の「てぃんさぐぬ花」を、「アチミスル」には岡林信康の「友よ」をお返ししたものです。釜山の夜は「アチミスル」のあと、「友よ」を歌いかけましたが、失速しました。あまり歌い継がれていない証左か。
▼「故郷の春」をうたう福岡グループ(左より金子満、横山孝雄、西恵美子の皆さん、080720)
▼最終日(7月24日)金浦空港にて、中央・梁炳贊さん、右・李正連さん。
カムサハムニダ!
■<韓国「平生学習」と日本「生涯教育」> 南の風2073号(2008年8月8日)
ソウルの肥後耕生さんから、韓国・釜山の「平生学習」資料が相次いで送られてきました(上掲メール)。今日とどいた資料は、釜山・盤松(パンソン)地区「希望の世界・ケヤキ図書館」の動き。早速、ホームページに入力(
→■)しました。福岡グループと一緒に先月訪問してきたばかり、興味深い新鮮データです。当方で撮った写真も数葉飾って、暑さを忘れて楽しみ?ました。関心おありの方、ご覧下さい。肥後くん、どうも有り難う!
風2070号の本欄に書いた「HP・二つの韓国ページ」は、7月訪韓記録と並んで、「2008・地域平生学習の動き」資料がいま6点の出品です。関係の皆様のご協力を得て、少しずつこれを増やしていきたいと願っています。入力ミスなどあれば、ご指摘もどうぞよろしく。
作業をしながら、いくつかのことを考えていました。一つは、韓国・社会教育法(1982年〜)の段階では見られない、平生教育法(1999年〜)とその全面改正(2007年〜、本年2月施行)にともなう地域的な動きが、いま本格的に始まっているのではないか。二つには、地域のなかに躍動的な市民活動が拡がっていること。三つには、市民・住民自治の活動のなかに平生学習が位置づいていること。日本「生涯学習」と「市民活動」が分離しがちな状況とは違った風景がみえるように思いました。
そして、その接点に「平生教育士」(社会教育主事にあたる)の顔がありました。行政の仕事をしながら、市民活動のなかでも大事な役割を担っている様子。いま創設期にある躍動感、平生教育・行政関係者もまた「希望」を求めている、その生き生きとした表情が印象的でした。
▼釜山市海雲台区盤松(パンソン)2洞・ケヤキ図書館(20080720)
▼釜山市蓮堤区巨堤2洞・住民自治センター(20080721)
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▼釜山市海雲台区・ナヌムン初等学校附設平生学習院・コンピューター教室(20080721)
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