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2006年5月・台湾訪問記録
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(内田純一)
*2005年5月・訪台記録(小林文人ほか)→■
【日程】
4月30日(日)
午後:桃園県大圏郷内海村社区(許銘欽先生実家)
5月1日(月)
午前:台北市内湖区明湖国民小学校
午後:台北市内湖区文湖国民小学校
:台北市中山区永安国民小学校
5月2日(月)
午前:?甲長老教会松年大学
午後:台北市萬華区龍山老人服務中心
:台北市萬華区龍山啓智中心
:中正区忠勤里弁公室(里長、社区発展協会)
:台北市中正社区大学
5月3日(火)
午後:台北市社会教育会館
:松山区介壽里弁公室(里長、社区発展協会理事長)
:楊碧雲さんと論文検討会
【訪問記録】
<台湾訪問報告(1)−台北へ>
(南の風1645号・内田純一、Sat, 6 May 2006 22:51)
先ほど、台湾の旅から戻りました。資料もありますが、漸次報告していきたいと思います。
今回の訪台は、大きく3つに分けられます。第一は、保護者による学校ボランティアの活動です。家長(PTA
のT)ではなく、ボランタリーな形で保護者が積極的に読み聞かせや補習、障害児支援や防犯活動などをしています。親同士のサークル活動も行われていました。実際、元気なお母さんやお父さんと話が出来て勉強になりました。
第二は、福祉施設(老人センターと障害者作業所)の訪問です。運営は立心慈善基金会が担っています。訪問した萬華区は高齢化率13%という地区で、デイケアー、ホームヘルパーなど介護問題や低所得、識字問題などに取り組んでいるとのことでした。
そして第三は、社区活動の拠点を訪ねることです。社区営造に積極的に取り組んでいる里長さんにお会いすることができました。二箇所の里の事務所を訪ねましたが、どちらもたいへん面白かったです。
詳細は次回以降に報告しますが、一つは、健康のまちづくり。もう一つは、環境のまちづくりです。ちなみに中正区には30の里があり、忠勤里は人口7000人(65歳以上1800人)で、さらに31の隣里がある。お話を伺った里長(方荷生さん48歳)は、選挙で4年任期。SARS問題への対応が迅速で被害を出さない社区として注目されたそうです。神戸震災時の真野地区に似ていると思いました。
あと一つ。もちろん今回も社区大学を訪問しました。情報化への対応、地域貢献、講師研修などがますます充実してきている印象でした。
<台湾訪問報告(2)−社区(地域)活動>
(南の風1647号・内田純一、Tue, 9 May 2006 09:37)
今訪台でユニークだったのは、里民活動所を訪れたことです。台北市には12区449里があると言われ、そのうち今回は、中正区忠勤里と松山区介壽里の里民活動所でそれぞれ話を聞くことができました。中正区忠勤里の一帯は、元々日帝時代には練兵場があったところで戦後最も早い住宅整備地域となり、現在では、オールドタウンの様相を持っています。
方荷生・里長によれば、里長に就任した10年前ぐらい前から老人が病院に担ぎ込まれるケースや健康を害する人々が増えてくる中で、2002年から独居・障害老人への宅配給食を里活動として始めたということでした。現在の配送は、中正区内の22里にまで広がり1日50〜60食を4名で担っている。一食は75円。本人負担20円、社会局補助20円、残り35円が里による募金など賄う。忠勤里では、この他に地域健康づくりネットワークとして、医療機関や大学と連携し健康講座や検診活動などを定期的に実施しています。また近年の課題は、外国籍花嫁とその子どもの問題で、生活力向上の支援(新移民子女生活知能曁課輔活動)を実施しているということでした。里民活動所は、よろず相談所といった感じで、お話を伺っているそばから相談者が訪れていました。
松山区介壽里里民活動所は、松山飛行場南側の住宅街・商店街の一角、道路に面した1階にあって、広さは10平方メートル強。会議ができる大きな机や椅子、壁には本棚や地図(後述)、お茶・コーヒーのスペースがあります。外(道路)側に向けて、チラシ棚があり、ニュースや各種案内を自由においているそうです。また松壽社区発展協会の事務所も兼ねています。
台北市内に社区発展協会は27あるそうで、複数の里に跨っているようです。松壽社区発展協会は1999年に発足し、荘敬里、新益里、富錦里、新東里、東昌里、富泰里、三民里、東榮里、介壽里、精忠里、の10里を含み、233隣里、20808戸、82025人ということでした。このうち介壽里は、21隣里、1722戸、5070人です。介壽里には、地区発展計画作成組織があります。参加しているのは、介壽弁公室、介壽中学校、東社市場自治委員会、社区意見領袖、松山区社区企画工作室、台北市社区緑化連盟促進会、社区医療保健ボランティア、介壽里環境保全隊などです。里民活動所では、これらの組織の学習会がたびたび行われているとのことでした。
計画書によれば、介壽里は、大都市的利点(生活利便性、公共施設充足、空間快適整備)と小村落的利点(地域特色、地域意識強、有人情味)の両方を兼ね備え、それを基に「地区環境改造」「地区工作在地化」「地区福利計画」「好的互動平台」の地域づくりがそれぞれ構想されているようです。
なかでも「地区環境改造」では、汚れていた路地の清掃と緑化(11巷)、公園の整備などを実現しながら、『介壽里環境地図』と『花と緑の人文生活地図』を作成している。これらのマップづくりには、里民およそ180名が参加し、観察、発見、記録の作業を行ったという。こうした取り組みの結果、松壽社区は「参与式改造的模範社区」に指定されているということでした。またマップにはいわゆる建築家が行うようなスケッチが数多く取り入れられていたことから、高白川・里長に、その手法を尋ねたところ、台北市都市発展局社区企画部が開催した研修会で学んだということでした。
忠勤里所、介壽里所ともに、たいへん行動的な里長さんの存在があり、また開かれた空間とともに、多くの人が出入りする、ある意味で自治公民館のようだと感じました。どちらからもパワーポイントの小冊子やマップなど、貴重な資料を頂戴しましたが、言葉の限界から残念で仕方がありません。
▼台北市松山区介寿里弁公処−里民活動場所 松寿社区発展協会
▼介寿里−高白川・里長 (060503)
<台湾訪問報告(3)−社区大学全国検討会>
(南の風1649号・内田純一、Thu, 11 May 2006 23:02)
小生が台湾に入った4月30日は、28日から屏東懸大仁科技大学を会場に開かれていた『第8回社区大学全国検討会2006』の最終日でした。参加は出来ませんでしたが、台北市教育局の楊碧雲さんから当日の大会冊子を頂くことができました。以下、その内容について紹介します。
この全国検討会の主催は、社団法人社区大学全国促進会です。第8回のテーマは「在地深耕〜社区大学與地方学的実践」(地域を深く耕そう!社区大学と地方学の実践)で、大会冊子は358頁に及ぶ壮大なものです。
冊子の目次は、大きく11項目:「前言」「課程介紹」「序文」「大会声明」「社大認證」「社区大学地方学実践」「民間議題論壇」「成教学術論壇」「主題講演」「優良課程」「附録」です。附録には、促進会に加盟している115の社区大学リストがあります。
検討会の内容をみると、「地方学工作坊ー体験と対話」では、6つの分科会(農村と農業、原住民文化、都市美学、外国籍配偶者と台湾語、社区営造、広東・福建文化)があり、それぞれ2日間はたっぷり論議しています。
「民間議題論壇」では、5つの分科会(WTO発言と学習、關機運動と媒体改革、2006環境議題と社区大学、SARSー健康、民間の声を如何に形成するか−審議民主と社区大学の公共討論経験)があります。WTO問題などは、抗議やプラカード写真などから判断してかなり運動的で激しさを感じます。また環境問題に関する実践事例も多く紹介されています。關機運動は、テレビを消そう!という呼び掛けなど、電気に頼らない運動といった類ではないかと思います。
最後に「成教学術論壇」ですが、パウロ・フレイレ(保羅・弗雷勒)がテーマです。「フレイレの生涯と作品の教育的意義」「フレイレ教育思想の核心:文字を読むことは世界を理解すること」といった論文のあと、社区大学の実践、例えば「非抑圧者劇場の取り組み」「批判と自覚課程計画の理念」が紹介され、最後に、フレイレの年表と重要著作リストが載っています。
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2007年5月・台湾訪問記録
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内田 純一
沖縄から台湾へ−台湾報告(1)
昨年に引き続き、今年も那覇から台北へ入ることにしました。というのも、客が少なく出国が楽であることと、ちょうど許銘欽先生(台北市中山区永安国民小学校長)が前日から沖縄に滞在していることが分かったからです。
4月28日の夜、許先生と那覇でお会いしました。許先生一行は、「浦添市てだこホール」のこけら落としに招待されたということでした。もともと浦添市と台北市中山区とは、「中山」として友好関係にあり、互いに訪問交流を続けてきているようです。今回も中山区副区長や議員などそうそうたるメンバーが来沖していました。中でも蔡雪泥という年輩の女性が大きな役割を果たしているようです。肩書きをみますと、功文文教基金会の執行長として幼稚園や社区學苑(カルチャーセンター)などを経営しながら、中流文化経済協会理事長、中流婦女交流協会理事長、台北市政府市政顧問も兼任し、台湾と沖縄県との第一号終身民間大使となっています。許先生の話では、西銘元知事たちと交友があるということで、戦後台湾と沖縄との関係史を知る上では、重要な一人かもしれません。沖縄研究において台湾の位置づけをどう考えていくか。私自身は、八重山毎日新聞の松田良孝記者が書いた『八重山の台湾人』(南山舎)ぐらいしかまだ勉強していませんが、沖台の地域間交流はますます盛んになってきており、一つの視点だと思いました。
翌日は、鷲尾真由美さんにご足労お掛けし、読谷にできた「恨之碑」をみてきました。日本兵に強制連行されながらも胸をはっていこうとする朝鮮人軍夫と、その足元にすがりつく母親の像(金城実作)が印象的でした。続いて案内されたのは、「一坪反戦地主会第25回定期総会」(会場:ぎのわんセミナーハウス)でした。総会に先立ち、強制使用の認定と採択の取消を求める訴訟に対する地裁判決(4/24:いずれも請求棄却)の報告会がありました。一坪反戦地主会は1982年に結成され今年で25年目。その間、反戦地主会と共同して基地の不法・不当性を訴え、裁判と公開審理を駆使しながら粘り強く闘ってきている緊迫感が伝わってくる総会でした。この日は、真由美さんの車が途中でパンクするというハプニングもありましたが、翌日からの訪台を控えて充実した1日となりました。
社区営造(地域づくり)−台湾報告(2)
今回の訪台は、極力自力で動くことを心がけました。日本は連休でしたが台湾は平日であり、皆さんにあまり負担を掛けてもいけないからです。4月30日(木)正午、桃園国際空港に降り立ち、さっそく高速バスで台北駅へ。あらかじめインターネットで予約しておいた台北駅にほど近い「華華ホテル」に入りました。この付近は、繁華街のゴミゴミしたところでしたが「図書専売街」という書店が数多く並んでいるところで、何冊か購入しました。【南の風】第1839号でも少し紹介しましたが、一つは、蕭家興『社区創新営造論文集』(唐山出版社)2007.2です。ここには、社区営造に関する10編の論文が掲載されています。そのうち巻頭論文は、「論社区営造条例之不足與挑戦」というもので、全十五条からなる条例草案が巻末に付いています。その第7条には、社区居民は、自主・自治意識に基づいて、社区公共事務の一つとして、社区居民の終身学習活動の促進に関する地域づくり協定を作成すること、がうたわれているようです。また、第6番目の論文は、「社区大學各學程課程交叉教學構想」ということで、社区大学の教育課程(カリキュラム)が整理されています。さらに、
第7番目の論文「社大以資源導向拓展社造方案教學之作法」では、社区大学が地域づくりに積極的にかかわる方法と可能性が述べらており、台北市南港社区大学が地域づくりに参加した具体例を取り上げながら「社区大学申請公部門資源従事社区営造之作法」が資料として提示され、さらに「社区営造導師培力特會課程」という地域づくり指導者養成の教育課程が紹介されています。
購入した書籍のもう一冊は、曾旭正(社区営造学会常務理事)『台湾的社区営造』(台湾地理百科84)遠足文化2007.1です。この本は、写真や図表をふんだんい用いとても楽しい感じです。以下、目次です。
巻頭言「台湾社造這十五年」。1.緒論(序章):社区是被営造出来的。2.歴史:台湾社区的時代面貌。3.政策:台湾的社区協力政策。4.経験:台湾社区営造的果實。5.資源:協力社区的組織。この中でも、社区営造の成果として紹介されている実践例の中に「営造健康的北投」があり、そこでは、2000年4月に「北投文化基金会」が成立し、2001年6月に健康づくりを骨格とした「北投憲章」(社区憲章。町民憲章)が造られたことが記されています。ところどころ日本の地域づくりも紹介されていますが、岐阜県飛騨古川町に多くの頁がさかれています。
台北市南港区へ−台湾報告(3)
訪台初日の最後は、その夜、南港社区大学で行われた楊碧雲(台北市政府教育局)さんによる講演会への参加です。講演題目は「社区大学理念與経営」でした。参加者は、社区大学の講師、学生、事務員など50名強でした。事前に配られていた資料は、TOAFAEC紀要第11号に寄せてくださった文の原本でした。が、講演内容はまったく資料には沿わずに、経営上の具体的な相談やその対応についてのようでした。辛うじて分かったのは、カラオケは社区大学の講義としてふさわしいかといったことを論議しているという点でした。日本でもあることですが、自分たちの趣味・好みに関することは有料にして、いわゆる公共課題は無料にするべきだといった話が出ていたようでした。経営をめぐって社区大学が直面している課題だと楊さんはおっしゃっていました。
帰り際、南港社区大学の職員の方から『2007年 第9回社区大学全国検討会』(4/28-29)の冊子(440頁)を頂戴しました。この冊子についても【南の風】第1839号で既に若干紹介しましたが、昨年は、フレイレが積極的に取り上げられていたのに対して、今年は、「リンデマンの成人教育と社区大学実践」「リンデマンとフレイレの成人教育観比較」といった報告がみられます。大会声明は「非正規教育的曙光」、主題演講は「社区大学的発展、困難與機会」です。
序文には、この大会の関係者8名が文書を寄せています。教育部長:杜正勝。行政院客家委員会主任委員:李永得。行政院農業委員会主任委員:蘇嘉全。行政院青年補導委員会主任委員:鄭麗君。台中市長:胡志強。社区大学全国促進會理事長:張捷隆。全国検討会準備委員会執行長:林孝信。嶺東科技大学校長:陳振貴。このうち、社区大学全国促進會理事長の張捷隆氏の文面に目が留まりました。そこでは「社区成人進修學院設置条例」の制定が提起されています。この条例案は、第9回社区大学全国検討会での資料として、次のサイトにに掲載されています。 http://www.napcu.org.tw/napcu/news/Detail.aspx?id=721
説明も含めてPDFファイルで9頁ほど。説明文では、韓国の平生教育法制のことや中国大陸のことも若干ふれています。『第12号』へは、この文書を紹介したいと思っています。
加えて。社区大学全国促進會のHPをご覧になると分かりますが、6月16日〜17日にかけて「台日公民社会論壇」(台湾と日本の市民活動グループの交流研究集会)が開かれるようです。日本からは、早稲田大学台湾研究所が中心になってます。
台中・曁南国際大学へ−台湾報告(4)
翌日(5月1日)は、キップも上手く買え、台湾高速鉄道(「高鐵」)に乗りました。目的地は台中駅です。約1時間の乗車でしたが、日本の新幹線そっくりで、新しく揺れも少ないのでとても快適でした。車窓からは、田んぼと共に沿線の宅地宣伝の広告が目に付き、「高鐵」が出来たことによる変化の激しさを予想させました。
台中駅で楊武勲くんと待ち合わせ、楊くんの働く曁南国際大学へ向かいました。曁南国際大学は、台湾の国立大学としては最も新しい大学(1995年)で、台湾のへそに位置する埔里にほど近い山の中にあります。山道を走っていると突如として、巨大な建物群が見えてきます。高知大学は表門を入るとすぐ裏門という感じですが、どこまでも続く広大なキャンパスにしばし唖然としました。
学系の構成は「人文學院」「管理學院」「科学學院」で、楊くんが所属する比較教育学系は人文學院にあります。比較教育学系のスタッフは11名(全て台湾人)で、アメリカ、ドイツ、スペイン、イギリス、フランス、カナダ、ロシアそして日本の教育に加えて、多文化教育や教育心理、教育方法の専門化が配属されています。主任の鍾宜興先生(ロシア教育)は、とても温厚な方で夕食もご一緒させていただきましたが、国から求められる成果主義に忙殺され、ほとほと困っているということでした。
曁南国際大学では、楊くんが担当する「日本教育事情」「日本語教育T」に参加しました。特に前者では、教育基本法改正や学力テストの話を中心に1時間ほど話をさせていただきました。みんな熱心に聞いてくれ、質問もたくさんもらい、貴重な経験をさせてもらいました。
続いて、「人文學院」の中にある「成人與繼續教育研究所」を尋ね所長の呉明烈先生とお会いしました。呉先生は、ベルリン自由大学でドクターを取得され、笹川先生や牧野先生とも交流のある有名な先生です。「終身学習法」のその後の動きに関心があることや、社区大学や社区教育に関心があることなどを話ました。楊くんの紹介が良かったのか、1時間もお相手下さり、『東アジア社会教育研究』第11号を差し上げた代わりに、著書『終身學習−理念與實践』を頂戴しました。その他、当研究所が主催する『全民終身學習論壇』2005と2006の報告書をいただきました。2006年のテーマは「創新終身學習與人力資源発展」です。その日は、曁南国際大学の宿舎に1泊させていただき、翌日は、楊くんの案内で、日月潭で朝食を取った後、バスで埔里から台北駅まで3時間半の帰路でした。
▼左・楊武勲氏、右・内田純一(曁南国際大学、070501)
台北市へ戻って−台湾報告(5)
5月3日は、許先生の案内で「台北市教師研習中心」を訪問した後、中山区成功里の里弁公室で里長の李清水さんからお話を伺いました。昨年の訪台もそうでしたが、「社区」にこだわり、「社区発展協会」や「里」「隣」のレベルで、その中心施設と活動についての話を聞くことが、日本の公民館活動や地域自治活動との接点を見いだしやすいのではないかと考えています。
まず中山区は、人口217万人、戸数83,000、里数42、隣数864、社区発展協会数31となっています。社区発展協会は、複数の里を兼ねる場合もあるし、里単独の場合もあるそうです。その中で成功里は、人口7000人、14の隣を持っているということでした。里長は選挙で選ばれ、隣長は持ち回りか里長の推薦によるそうで、隣長には、なかなかなり手がなく、頼むのが大変とのことでした。
成功里は、中山区の中にあって、都市開発が急速に進んだ地域(許先生の学校の校区でもある)であり、人々の繋がりが薄く、さまざまなイベントして開催するなどして、なんとか人を集めているということでした。公園での音楽会、ハイキング、バザー、母の日活動、敬老の日活動(健康診断や演奏会など)、旧正月の提灯祭りなど。日常的には、巡守隊を組織して安全なまちづくりに力を入れ、その活動が認められ区から表彰されたそうです。また最近、特に力をいれていることは、弱者への援助活動で、低所得者や単親家庭、事故による障害者が増えてきており、補助金などを出しているとのこと。こうした活動が、大直社区発展協会が発行する『大直報導』という社区新聞に「雪中送炭」として大きく紹介されています。
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